第426号~今月号は、いろいろな催し物を紹介します。 感染症対策を取りつつ参加されてみてはいかがですか!~
2023 / 09 / 19 ( Tue ) 新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されたのは、2020年1月でした。
当会では同年2月末に、会員さんと、限られた来賓の方のみにお越しいただき、何とか対面での予算総会を行いましたが、しかし、その後は、新型コロナウイルスの感染拡大により、書面決議で実施の総会を除いては、皆で集まって行っていた様々な活動が出来なくなってしまいました。 それから3年余りが経過し、ゴールデンウイーク明けの本年5月8日には、コロナウイルスも、感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザと同じく5類に変更しましたが、決してコロナが終息した訳ではなく、最近では、障害のある本人や家族、また、職員が、重症化はしていないものの、罹患したという声もチラホラ聞こえてきます。 更には、最近では、新たな変異株の報告や、加えて、咳止めや抗生物質等の風邪薬が足りない等という地域もあったりと、予断を許さない状況となっております。 全国的にみると、5月の5類変更時よりも、現在、感染者は増加傾向にあるとも言われておりますが、そんな中、当会では、引き続きの十分な感染対策を取りながら、久方ぶりに大きな行事を行いたいと考えております。 まず、一つ目は、実に、2019年12月以来となる研修会のご案内です。 テーマは、やはり、育成会にとっての永遠の課題であり、皆さんが一番不安に思っている「親なきあと」で、講師には、全国手をつなぐ育成会連合会(以下:全育連)の事務局長・常務理事の又村あおいさんにお越しいただきます。 コロナ前、又村事務局長をお招きし、毎年シリーズで、様々な観点からの「親なきあと」をテーマにした研修会を実施しておりましたが、特に、今回は、数年先に大きく変わるであろうと言われている「成年後見制度」について、お話しいただきます。 「成年後見制度」は、知的障害者が親なきあとも地域で暮らしていくためには、大変重要な制度ではありますが、使い勝手の悪さから、会員さんの中でも、なかなか利用には至っていないという方が多いようです。 そこで、全育連では、会員を対象に「成年後見制度」に関するアンケート調査を実施しましたが、それによると、制度の周知不足により利用を控えているという訳ではなく、「一度、制度を利用するとやめることが出来ず、後見人等の変更も出来ない」や、「財産管理に重きが置かれて、身上監護が不十分、しかし、その割に報酬が高い」という様な具体的な課題が挙げられました。 国では、平成28年に施行された「成年後見制度利用促進法」に基づき、専門家会議を設置し、昨今、運用の改善を進めているところです。 この会議には、全育連の久保・前会長が参加しておりますが、知的障害者の間で利用が進まない背景をアンケート結果に基づき説明し、制度の改善を提言しました。しかし、制度を変えるためには、民法の改正を伴うため、今しばらく時間を要しますが、改善に向けて動き出しており、今後、大きく変わる可能性があるということです。使いやすい制度となることが期待されます。 そのあたりの詳しい中身について、又村さんに、例によって、分かり易く話していただきます。 日程については、年末の押し迫った時期にはなりますが、12月26日(火)10:00より育成会会館4F会議室で行います。 まだ、少し先にはなりますが、是非とも予定に組み込んでいただきますようお願いいたします。ご案内については、10月号か11月号の本誌にてお知らせいたします。乞うご期待を! 次です。こちらも、長きに渡りお休みしていた事業が再開されます。OS株式会社さんからの映画のご招待です。9~10ページに掲載しておりますので、ご覧下さい。 OS株式会社さんは、「阪急阪神 未来のゆめ・まちプロジェクト」の一環として、“誰もが映画を楽しみ、感動を分かち合える社会の実現”を目指し、平成21年5月より、障害のある本人と、その家族を招待した映画上映会を開始して下さいました。 当会では当初よりご招待いただいておりましたが、今回の上映は実に38回目となるそうです。 上映される映画は、2022年に公開された「ミニオンズフィーバー」で、日本語の字幕と吹き替え版での上映となっております。また、劇場内の照明は明るめで、音量は控えめにするなど、知的障害者に配慮された環境になっておりますので、安心してご覧いただけることと思います。 観覧希望者は、育成会事務局までFAXにてお申込みください。 次です。近畿2府4県2政令市の育成会が持ち回りで実施している「近畿大会」のご案内です。 この大会もコロナ禍で開催できない年もありましたが、一昨年より、ハイブリッド開催(現地参加は地元のみ+オンライン配信)が始まり、今年度も同じ手法で滋賀県守山市で開催されます。 本大会では、障害のある本人と、その家族(きょうだいや親)が自分らしく幸せに生きていくためにはどうすればいいのか、様々な観点から考えていきます 当日の現地参加については、以前のように観光バスをチャーターして出席ということは出来ませんが、オンラインによる視聴は可能です。詳細は5ページをご覧ください。 次です。早いもので、もう7回目となる「第7回こうべ障がい者芸術フェスタHUG+(ハグ・プラス)展2023」の案内を7ページに掲載しています。 この催しについては、実際に作品を出展されたという方もおられるでしょうし、皆さん、よくご存じとは思いますが、優秀作品だけでなく、応募されたすべての作品が一流の美術館に展示されるということで、今回は、約520点の応募があったそうです。 9月23日(土・祝)が最終日となっており、日程的にはタイトとなりますが、斬新で素晴らしい数々の作品はもちろん、もしかすると、お知り合いの作品があるかもしれません。 興味のある方、また、ご近所の方は、是非とも足をお運びください。 ご案内は以上となります。冒頭にも記載しましたが、新型コロナウイルスの感染は未だ続いております。いろいろ企画はしておりますが、感染状況によっては、もしかして中止となることもあるやもしれません。5類に移行したと言っても、なかなか終息には至らず、当分の間は感染者の増減が続くものと思われます。コロナ前の日常生活が少しづつ戻ってきているようですが、更に推し進めるためには、一人一人が、その場に合った感染対策を行うことが重要であると思います。研修会や、映画上映会には、マスクの着用を是非ともお願いいたします。 最後に・・・、今年も、神戸市に対して要望書を提出しました。11~15ページに掲載しておりますのでご覧下さい。新規の要望事項として、「親なきあと」のみに特化した「親なきあと相談室」の設置を掲げました。実現すれば素晴らしいですね。 (会長 後藤久美子) スポンサーサイト
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第425号~「障害者差別解消法」次年度から少し変わります。この法律について考えてみませんか~
2023 / 08 / 20 ( Sun ) 「障害者差別解消法」、皆さん、覚えていますか? この法律は、「全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しあう」という理念のもと、共生社会の実現を目指すため2016年4月1日に施行されましたが、2024年4月1日から一部改正され、「改正障害者差別解消法」として施行されます。 改正される個所は、現在、「努力義務」となっている民間事業者の「合理的配慮の提供」が、改正法では、行政等と同じく「法的義務化」、つまり「義務」となるのです。 それに先立って、神戸市では、来年度より義務化となる店舗(スーパー、レストラン、百貨店、ショッピングモール)等の合理的配慮の提供に関して、困ったことや、この様に配慮してもらえると助かる等の事例を募集しています。8ページに掲載しておりますので、まずは、ご覧下さい。 「障害者差別解消法」が施行されてから、早いもので7年経過しました。その成果について、障害者に対して行われた実態調査を見ると、「視覚」「聴覚」「肢体」「精神」「内部」等の障害をお持ちの方からは評価する声も多く聞かれ、合理的配慮についての好事例も多数発信されているようですが、こと「知的障害」に関しては、合理的配慮についての好事例を目にしたこともありませんし、同法施行後の成果についての調査でも、「社会は何も変わってない」「差別は存在するし、合理的配慮を受けたこともない、成果も感じられない」等の声が圧倒的に多いようです。 他の障害のある方々は、この法律をそれなりに評価しておられるにも関わらず、知的障害者は、法施行の意義も成果も感じられない・・、この様な温度差が生じるのは何故なのでしょうか? 法が施行された当初から言われていたことですが、「知的障害者の困りごとは周りから見えづらい」、他の障害の方と違い、「本人自らの意思表明が難しい」、また、保護者も「障壁(バリア)となっている困りごと除去」のための意思表明には消極的である等の原因が考えられます。 しかし、「何をしてほしいのか、何に困っているのか」を訴えなければ、周りの方は理解できませんし、これからも何も変わっていきません。知的障害者にとって、「障害者差別解消法」は、年月を経過しても、いつまで経っても、「絵にかいた餅」状態となってしまうのです。 今まで、色々な場面において、「障害があるということで困ったこと」、「この部分をこう改善、または手助けしてくれたら助かるのに」や「こうしてくれたから助かった」等、どんなことでも結構です。振り返ってみて、そんな経験があったという方は8ページの用紙に記入し、9月8日(金)までに、事務局まで、ファックス、または郵便でお寄せ下さい。 「合理的配慮」に関する好事例や要望を積極的に発信していくことが、同法が、知的障害者にとっての活きた法律となる一番の手立てとなります。ぜひ、皆さんの声をお聞かせください。 いつもよりコンパクトですが、今月号はここまでとさせていただきます。(会長 後藤久美子) |
第424号~全国手をつなぐ育成会連合会の新会長が誕生しました! そして、エレベーター設置か否かで名古屋の街が揺れてます。~
2023 / 07 / 20 ( Thu ) まず初めに、全国手をつなぐ育成会連合会(以下:全育連)の会長として、長年ご尽力下さった久保厚子会長が、この度、会長職を退任されました。
新会長の選任については理事会での互選となっておりますが、去る6月29日(木)に開催された理事会において、全育連の副会長で、東京都育成会理事長の佐々木桃子さんが選任されました。佐々木さんは、引き続き行われた総会において承認され、正式に全育連の会長になりました。そして、久保・前会長については、理事会での承認と、新会長の指名により「顧問」として就任されることになりました。 振り返ると、久保・前会長は、全育連の前身である「社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会」(以下:全育成)の時代から会長を務めてこられました。 その後、社会福祉法人の制度改革に伴い、会の実情に合っていなかった「法人格」を返上し、また長年にわたる労働争議も決着させ、そして、新たに一般社団法人格の取得、加えて、東京事務所の開設と、「全育成」から「全育連」への激動の時代を、トップとして常に私たちを牽引して下さいました。 佐々木・新会長は、そんな久保・前会長を「第1副会長」として支え、苦楽を共にしてこられました。また、東京都育成会の理事長という立場から、国・行政や、中央の関係機関の方たちとも精通しておられ、正に、新会長として適任である方だと思います。 全国の育成会では、昨今、会員減少や保護者の高齢化等、課題は山積しておりますが、新体制のもと、私達会員は心を一つにし、全育連の灯を消すことなく、盛り上げていきたいと思います。 次です。地下鉄新長田駅では、老朽化に伴うエレベーターの更新工事が行われ、改札階とホーム階を結ぶエレベーターが利用できなくなるそうです。 停止期間は令和5年7月20日(始発)から、10月18日(終電)までとなっております。詳しくは、8ページをご覧下さい。 次です。そのエレベーターを「つける、つけない」で、名古屋の街は喧々諤々としています。 報道等で、ご存じの方もおられるかと思いますが、名古屋市が復元を目指す名古屋城木造天守のバリアフリー化をめぐり、市が主催した市民討論会の席で、エレベーター設置を求める身体障害のある男性に対し、他の参加者からの差別的発言があり、波紋が広がっています。 「史実に忠実な名古屋城の復元を目指す」という名古屋市の構想案では、天守閣最上階までのエレベーターは設置せずに、地階(天守閣の石垣内部)から1階まで、車いす利用者と介助者が利用できる小型昇降機を導入するというものです。 これに対し、車いすの男性は、「名古屋城や大阪城はエレベーターで上がることができる。今まであったものを失くしてしまうのは、障害者が排除されているようにしか思えない」と、最上階までのエレベーター設置を訴えました。 これに対し、エレベーター不要の参加者からは、「市長がつくりたいのは、エレベーターも電気もない時代のものを再構築するという話だ。図々しい、我慢せい」との発言があり、そして、次に発言した男性は、身体障害を侮辱する差別用語を使った上で、「平等とわがままを一緒にするな。エレベーターは必要ない」と言ったそうです。しかも、この二人の男性が発言した後には、会場の一部から拍手が沸き起こったそうです。 この討論会には、当然のことながら、河村市長はもちろん、市職員も参加していたそうですが、誰一人として発言者に対して、差別発言の制止や注意をしなかったそうです。 しかし、その2日後の定例会見で、市長は「差別的な発言については自分は聞こえてなかった、市民が自由に発言する場なので自由に発言するのが原則と思うが、差別発言があったとすれば、発言には充分お気をつけ下さいと言うべきだった。申し訳なかった」と陳謝したそうです。 その後、市役所前で、障害者団体による抗議集会が開かれたり、また市議会からも「討論会は、障害者へのいじめの場所になっていた」と、市の対応への批判が相次いでいることから、市では、バリアフリー化案(エレベーター設置の有無)の最終決定を見送って、まずは差別発言問題への対応を優先することとなり、外部有識者を含む、庁内のチームを立ち上げ検証することが表明されました。結論が出るまでには1年程度かかるそうです。 そもそも、この問題が勃発したのは、河村市長が「観光の目玉」として、現在のコンクリート天守を取り壊して、1945年に空襲で燃えた「国宝」名古屋城を木造で再建しようと言い始めた10年前からです。当初は多くの支持を受けていたそうですが、石垣の劣化をはじめ、様々な課題も多く、また、それ以前の問題として、「観光客を入れる」のであるならば、当然のことながら、耐震・耐火性が求められ、安全性は絶対条件となります。従って、市長の言う「江戸時代のままの再現」は、実は不可能だったのです。 そこで、名古屋市が考え出したのは、「ハイブリッド」構造の木造建物で、補強を加え、燃えにくい工夫もし、スプリンクラーや、史実には存在しない階段を非常用に追加し、電気も引くというもので、決して江戸時代のままの「完全復元」ではなかったのです。 しかし、こういった根本的な構造上の問題を市民には知らせず、ただエレベーターをどうするかという質問に固執し過ぎたため、まるで「エレベーターのみが復元を妨げるものだ」と思い込んだ市民から、「障害者は我慢しろ」などという差別発言が出たり、また、それを正論であるかの如く擁護する人が出てきたのではないかと思います。 市長が望む「観光施設」として新たに造られるからには、バリアフリーは世界の常識です。 どういう城を造るべきなのか、或いは、莫大な費用を要する木造再建が本当に必要であるのか、この度の差別発言の検証に、1年近く費やすということですので、この間に、市民の皆さんは、じっくり考えていただきたいと思います。 最後にお知らせが三つあります。①当会会員が株主となり設立した「株式会社いくせい」が、会社説明会を行います。会員さんの中で、「働きたいけど、一般企業は心配」と言う方、また、在宅で活動の場を探しているという方、一度参加されてみてはいかがですか? 詳しくは6ページをご覧ください。 ②以前から、全国手をつなぐ育成会連合会が行っている保険のお知らせを7ページに掲載しています。加入者が多くなるほど、保険料はお安くなります。ご一考のほどを! ③お待たせしました。兼ねてより準備をしてまいりました重度高齢化対応のグループホーム「仮称:第2えみのき」ですが、この度、国庫補助金の内示がありました。建設に向け、具体的な動きに入りたいと思います。ご支援ご協力をお願いいたします。 (会長 後藤久美子) |
第423号~世界パラ陸上の大会ボランティア募集してますよ! そして、ふと目にしたコラムを見て、考えさせられ反省しました。~
2023 / 06 / 19 ( Mon ) まず初めに、神戸市からのお知らせです。「ヘルプマーク」と「ヘルプカード」周知のための新しいポスター、チラシが出来ました。6~7ページをご覧ください。
「ヘルプマーク」については、一般の人々にも随分知られてきましたが、しかし、必要のない方の間で「これを持っていたら電車やバスで座れる」という噂が流れ、ネットで売買されているという何とも情けない話を耳にしたことがあります。 どういった方々がこのヘルプマークを持っているのか、大変分かり易いポスターとなっています。本来の趣旨等を社会の人々に、広く知っていただくきっかけになることと思います。 街の中で見かけたら、是非じっくりご覧になってみて下さい。 次です。以前、この機関紙でも、お知らせしましたが、2024年5月17日(金)から26日(日)まで、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で開催される「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」の大会ボランティアを募集しています。詳細については8~9ページに掲載しています。 ボランティアの応募資格は、満18歳以上で最低3日以上の活動が出来る方ということです。滅多に味わうことが出来ない、世界大会ならではの貴重な体験ができるのではないかと思います。お知り合いの方に声掛けし、興味のある方がいらっしゃれば、ぜひ応募を進めてみて下さい。 大会の成功が、障害者理解の一助につながることを願い、協力出来る事が何かあれば、積極的に関わりたいと思います。皆で大会を盛り上げていきましょう! 次です。最近、目にしたコラム(新聞や雑誌等に掲載される短い評論文)を読んで、随分考えさせられ、また反省をしました。ここで紹介したいと思います。 皆さんは、「タイパ」という言葉を知っていますか?これは、「タイムパフォーマンス」の略語で、効率よく時間を使うことを意味する和製英語です。 最近の若者は、如何なる時も、この「タイパ」という行為を意識しているそうで、例えば長い映画を早送りにして観る、何か別のことをしながら打ち合わせをするといった具合です。 昨今のTiktok(ティックトック:短い動画コンテンツ)の流行や、Twitter(ツイッター:短い文章)の普及も、この「タイパ」の考え方からきているのかもしれません。 若い人たちは、観たい動画や映画、読みたいマンガ等が無数にあって、しかし、全部を観たり読んだりする時間はない、それで、倍速にし、限られた時間内でたくさんの動画を見るそうです。 昨今の情報技術の進歩により、世の中の情報は限りなく増えました。そして、ネットを使えば、世界中のあらゆる情報が幾らでも手に入ります。そのせいか、いつの間にか、仕事や学習や生活のスピードも速くなり、例えば電車が1分遅れただけでもイライラしたり、パソコンの動きが遅いと我慢できなくなる、何とも、せわしない世の中になってしまいました。 ここまで読んで、妙に納得してしまいました。私自身にも当てはまることが多々あるのです。まるで鏡の中の自分を見ているように思いました。 私も、電車が少し遅れただけでもイラッとしますし、月曜の朝、パソコンの立ち上がりが遅いと「おそい、急いでいるのに」と、いつもぼやいています。 また、スマホで毎日、Yahoo(ヤフー)ニュースを見ていますが、まず早送りで見てから、読む記事を選択しています。その他、信号が変わりそうな時は、いつも走っています。特に、帰りに多いです。何故なら、ここで走らなければ電車1本、乗り遅れてしまう、それがバスに乗り遅れることにもつながるからです。そして、圧巻は、スーパーで買い物を終えレジを打ってもらっている時、店員さんがレジ打ちを終えた品物を、素早くカゴから取って、順に袋詰めしていきます。レジを打っている間のわずかな待ち時間が、「もったいない」と感じるからです。 その他、エスカレーターもあまり利用しません。じっとしているのが耐えられなくて、隣にある階段を上り下りしている方が多いです。 考えてみると、正に私は、「タイパ」な人生を送っているなと思いつつ、次に書かれた文章に目を向けると、愕然としてしまいました。続きは、こんな内容です。 せっかちな世の中になってしまっていますが、理解力や判断力にハンディのある知的障害の人にとっては、この「速さ」がバリアー(障壁)になっていることが多々あります。 私たちは、障害のある子どもに対し、出来るだけ分かり易い言葉を使って話すことを心掛けていますが、いくらかみ砕いて理解しやすい言葉を使っても、話すスピードが速いと理解が追いつきません。また、次々に話題が変わっていくと、最初は理解出来ていても混乱してしまいます。合理的配慮という面から、「速さ」「タイパ」は考える必要があると思います。 そして、これは、知的障害者に限らず、一般の人でも同じで、じっくりと時間をかけなければ深い意味が分からない、また、本当のおもしろさが伝わらないこともある、時間をかけなければ築けない信頼や愛情もある。何もかも知ろうとすると、理解できないものもあり、本当の良さを見落とす場合があるということが書かれていました。 子供に対する接し方を考えた時、分かり易い言葉かけは意識しているものの、時間がない時は、ついつい早口で話してしまいます。また、一度に幾つもの話、いわゆる長文で話し、出来ていないと、「さっき、お母さんが言ったでしょう。聞いてなかったの?」と叱ってしまいます。 よく、外部の人に対して、「知的障害者との関りで注意していただく点」として、①ゆっくり話す ②一度に複数の話をしない・・と、偉そうに言っておきながら、当の私は息子を混乱させる言葉かけばかりをしていたのです。 家で家事をしている時も、私は「忙しい、忙しい」と四六時中言っているせいか、息子もよく「忙しい、忙しい」と言って家の中を走り回っていることがあります。このように子供との関りの中で、反省すべき点が多々あることに今更ながら気づいた次第です。「せっかち」な私ですが、もう少し、ゆったりした気持ちで息子に接していこうと大いに反省させられました。 しかし、考えてみると、この「ひとりごと」に関しては、決して「タイパ」ではないと思います。長い文章ですので、「要点をまとめて短くしたら」という一部の声も聞かれましたが、でも、短くしてしまったら、本当の気持ちが伝わらない、省略することにより、違った意味で取られてしまうこともあるかもしれないという様な想いから、頑固にこの形式を貫いています。 有難いことに、行政や関係機関の皆様、そして、多くの会員さんからは、「読んでいますよ」という温かいお言葉を頂戴しております。『せっかち』な私ではありますが、この「ひとりごと」については、「タイパ」では、決して手に入らないものを大事にしていきたいと思います。 今後とも、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします (会長 後藤久美子) |
第422号~「2類相当」から「5類」へ・・。何がどう変わるのでしょうか?~
2023 / 05 / 19 ( Fri ) 初めに、5ページに、新緑福祉会が行っている「親子体験事業」のお知らせを掲載しています。これは、支援学校卒業後の進路選択の一助となるよう、新緑福祉会が運営する5事業所において、親子で一日体験していただく事業で、若年層の支援の一環として当会から助成金を拠出し、毎年実施していただいております。
対象は、支援学校高等部の子女と保護者で夏休み期間中に行われます。 それ以外の、既に卒業されている在宅の方については、夏休み以外の年間を通じて行っております。本人の体験実習や、保護者の事業所見学というのは決して珍しくもありませんが、本事業のように、親子で1日事業所体験が出来るというのは、全国的にも珍しく稀な取り組みとなっております。支援学校在学中の方や、在宅の方で、行き場を探しておられる方は、ぜひ一度体験されてみてはいかがでしょうか。 次です。ゴールデンウイーク終了後の5月8日から、新型コロナの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に変更となりました。これに伴い、国内の医療体制や感染者の費用負担等がこれまでと大きく変わります。 マスメディアでもよく取り上げられているようですが、今後の感染状況の見通しと共に、具体的に何がどう変わるのか、5月8日現在でわかっていることをお話ししたいと思います。 まず、①感染した時の検査費用は?・・発熱等の症状がある場合、今まで無料で受けていた抗原検査やPCR検査も自己負担となり、2000円台から3000円台の費用が必要になります。 一方で、重症化リスクの高い人が多い障害者施設等で、感染者が出た際の検査を都道府県が行う場合は、「行政検査」として無料となります。 ②外来診療の窓口負担は?・・今までは無料でしたが自己負担となります。 例えば解熱剤を例にとると、コロナの治療薬の「ラゲブリオ」を処方された場合、検査料も含め、最大4170円の負担となります。これは、インフルエンザの治療薬「タミフル」処方の場合の検査料を含む最大4450円と、ほぼ同じ程度の額となります。 また窓口負担1割の方の場合も、コロナとインフルエンザを比べると大差がないようです。 ③入院費用は・・医療費や食事代は自己負担となります。ただ、急激な負担の増加を避けるため、まずは、9月末までは、「高額療養費制度」の自己負担限度額から2万円を減額する措置を講じるとしています。 厚労省の試算では、75歳以上で住民税を課税し、年収が383万円までの人は入院治療費3万7600円と食事代1万3800円の負担が生じることになります。しかし、10月以降、補助が無くなれば、入院治療費は5万7600円となります。(食事代は変わらず) ④治療薬の費用は?・・高額なコロナの治療薬「ラゲブリオ」は、9月末までは②に記載の通りの額となりますが、もし、10月以降、公費負担が無くなれば、最大で3万2470円になります。 ⑤感染者や濃厚接触者の外出自粛は?・・法律に基づいた外出自粛要請はなくなり、個人の判断に委ねられます。しかし、厚労省は、発症日の翌日から5日間は外出を控える事、5日目にも症状がある場合は、症状が軽快してから24時間程度は外出を控える事を推奨しています。 その上で、10日間が経過するまではウイルスを排出する可能性があることから、不織布のマスクの着用や、高齢者等との接触は控えること等、周囲の人への配慮を求めています。 そして、10日間過ぎた後も、せきやくしゃみが続く場合は、症状が治まるまでマスクを着用し、他の人に感染させない「せきエチケット」を心掛けるようにと呼びかけています。 また、濃厚接触者にも、法律に基づく外出自粛は求められなくなりますが、医療機関や高齢者施設等で、クラスターが発生した場合、濃厚接触者かどうか判断した上で、行動制限への協力を求める可能性があるとしています。 ⑥宿泊療養施設は?・・感染した人の隔離や療養のために自治体が確保していたホテルなどの宿泊療養施設は、原則終了となります。 ⑦ワクチン接種は・・現在行われている無料での接種は、2024年3月まで継続されます。 重症化リスクの高い人【ⅰ65歳以上、ⅱ基礎疾患のある人(知的障害者含む)、ⅲ医療従事者(障害者施設従事者含む)】には、5月からと9月からの年2回の接種を行い、重症化リスクが高くない人は、9月からの1回のみの接種が受けられます。 ⑧5月8日からの感染対策は?アクリル板は?・・個人や事業者の判断に委ねられることになります。ただ、厚労省は判断の参考として、今後も有効だと考えられる基本的な感染対策を示しています。具体的には、手洗いなどの手指衛生と換気は有効となり、「3密」の回避や距離の確保については、流行期の重症化リスクの高い人にとって有効だとしています。 一方、事業者等が行っている入場時の検温や、消毒液・アクリル板の設置については、効果やコスト等を踏まえて判断してほしいとしています。 ⑨感染者数の把握は?・・以前のような「全数把握」は無くなり、季節性インフルエンザと同じように、全国約5000カ所の指定された「定点医療機関」から、週1回、感染者数の報告を行う「定点把握」となります。また、死亡者数の毎日の発表も無くなり、2か月後に総数が発表され、約5か月後には詳細な死因等が報告されるようになります。 その他、コロナに罹患し発熱した際、以前は限られた医療機関のみの対応でしたが、5類移行後は、対応医療機関を拡大するとされています。ただ、神戸市のコロナ対応の医療機関を見ると、「かかりつけ患者に限る」という病院も多くあるようです。いずれにしても予約が必須であり、また、受け入れ可能な人数の上限もあるようですので、必ず前もって電話することが必要です。 今後の感染状況については、上記⑨にある通り、週1回の「定点把握」となるため、正確な感染状況の把握はできなくなります。加えて、5類に移行したことにより危機感が薄れ、再び大きな流行を招く可能性もあります。また検査や受診時、費用が発生することから、検査控えや受診控えが起こり、感染拡大につながることも懸念されます。何がよくて、何をもう少し頑張らなければならないのか、「ウイズコロナ」や、その後の「アフターコロナ」に向けての検証が必要です。日常生活を取り戻すためには、出来得る限りの対策を各々で講じることが重要であり、そういった行動が感染拡大の抑制につながるのではないかと考えます。 最後に・・、5月31日(水)に決算総会を行います。今回も、来賓をお呼びするのは控え、各支部からは3名以内の会員さんの出席をお願いしております。その他の会員さんは、書面決議書(はがき)の送付をよろしくお願いいたします。少しづつ、コロナ前の総会に近づけていき、そして今年度は、研修会も開催したいと考えております。乞うご期待を! (会長 後藤久美子) |