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第383号~「未知との遭遇」・・、いったいいつまで続く?~
2020 / 02 / 21 ( Fri )

 今月号の「ひとりごと」は、まずは、この話題しかないと思います。
 「新型コロナウイルス」・・、この言葉を初めて聞いたのは1月初旬~中旬あたりだったかと思います。
これは、過去に多くの死者を出した「SARS(サーズ)」でも「MERS(マーズ)」でもなく、新型のウイルスによる新たな感染症で、
中国武漢で発生、コウモリを起源に別の動物を介し、ヒトに感染したのではないかとマスコミで大きく報じられました。
 その頃は、「怖いね、気を付けないとね」と言ってはいたものの、あまり深刻には考えず、「対岸の火事」のごとく、
まだ「他人事」としか捉えていなかったように思います。ところが武漢はもちろん、日に日にあちこちで感染が拡がり、
2月10日現在、中国では新型肺炎による死者は900人を超え、感染者にいたっては3万人にも達する勢いと言われております
。この機関紙が、皆様のお手元に届く頃には、いったいどれぐらいの数字になっているのか恐怖すら感じます。

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」でも感染者が拡大、全員の検査には、かなりの日数を要するそうですが、
当初の対応の悪さも加わり相当の数が予想されます。また長きにわたっての「足止め」による薬不足等も含め、
乗客の健康状態が大変危惧されます。
ドラッグストアからマスクが消え、ネットオークションでは何と二箱8万円や、400円程度のものが1万5千円という、
とんでもない金額で売買されているそうです。中国人がマスクを「爆買い」していた頃は、まだマスクを着用している人も
そう多くなかったように思いますが、武漢からの日本人の帰国が始まった頃から急に、マスク着用者が多く
見られるようになりました。
テレビでは、エレベーターの手すりや電車のつり革は、感染のリスクが高いため、極力触らないように
(事故防止の観点からは、どちらもしっかりと持つべきなのですが)、エレベーターのボタンもドアノブも要注意等、
ほとんどのテレビ局が、連日連夜、コロナウイルスの特集を組み、様々な人々の、様々な発言による「情報」が
錯綜している状況です。今まで出会ったことのない「未知なる病」であるがゆえに、誰もが恐怖心を抱いています。
その様な状況のもとで、メディアが報じる多くの情報は、私たちの不安をむしろあおっているようにも思われます。
たくさんの情報が行き交う中、私たちは何を信じ、どう対応すればいいのでしょうか?

医学関係者を中心に今一番言われている事は、品切れになっているマスクも感染者には必須ですが、
症状のない人が着用しても、実は感染予防の効果は期待できない、むしろ飛沫を飛ばさないための「咳エチケット」として
着用すべきで、しかし、しないよりはした方が良いということです。実際この騒動(?)が起こってから、
電車・バスで少しでも咳き込むと、周囲の乗客から白い目で見られるということも、無きにしもあらずなため、
やはりマスク着用の方が安心かと思います。
しかし、マスクの取り扱いが面倒で、本体部分は、ウイルスが付着している可能性があるので取り外しはゴムを持って行う、
食事の際、テーブルに置くと、そこが汚れて感染が拡がるので要注意、ウイルス侵入防止のため、
目、口、鼻は触らない、とにかく手洗いが重要で、外出の際は消毒用のアルコール(品切れと聞いていますが)を
持参することetc.・・・。聞いているだけでノイローゼになりそうですが、私も外出時は、
手洗いだけはマメに行うよう意識してます。
コロナウイルスによる肺炎の拡大で、もう一点、危惧されるのは経済的な打撃です。
中国では、春節の連休中に人手が大きく減少したため、経済的損失は、日本円にして約16兆円を超えた
といわれております。中国経済の悪化は世界経済にも甚大な影響を及ぼします。
日本経済への影響も深刻です。「ドル箱」であった中国人を中心とする訪日外国人の減少で、大手百貨店の免税売上高は
大きく減少、また観光業界では、中国人等、外国人の宿泊予約の大量キャンセルがあったり、
更には、旅行を自粛している日本人からのキャンセルも相次いで、大きな痛手を受けているそうです。
製造業への影響も計り知れません。湖北省武漢にはホンダや日産等の拠点があり、自動車部品や卸売業など、
199社の日系企業が進出しているそうですが、武漢が封鎖されているため、操業のめどはたっていないそうです。
留まるところを知らない新型コロナウイルスの猛威に不安は募りますが、ほんの「気休め」程度の、
少しだけ安心できる情報を見つけました。

このウイルスの感染力は麻疹(はしか)より低いそうです。麻疹は空気感染のため、同じ空間にいると、
罹ったことがない人は、ほぼ100%発症するそうですが、新型コロナウイルスは飛沫感染のため、
患者の咳やくしゃみが届く範囲にいる人や、ウイルスが付着したつり革等を触った人に感染の可能性があるそうです。
また、重症化しやすい人は糖尿病や心臓病等、既往症のある人と言われており、感染しても軽症で終わる人や、
また、症状の出ない人も相当いるのではないかとも言われております。自分の持っている抵抗力で対応できるということで、
少しは安心ですが、周囲に感染させるリスクを抱えたまま、日常生活を送っているため、より感染が拡大するとも
言われております。そして、仮に日本で患者が出たとしても、武漢と日本では、救命態勢や衛生環境・
自然環境が異なるため、武漢ほど流行することはないであろうとの見解も述べられております。

本当にそうであるのか、或いは、国民を安心させるためのコメントなのか、現時点ではわかりませんが、
最近よく言われている新型コロナウイルスへの対処方法が、「正しく恐れる事」です。いたずらにおびえるのではなく、
しかし楽観視するのではなく、冷静に、自分自身を守って乗り切っていくしかないのではと思います。この機関紙の情報は、
あくまで2月10日現在のもので、今後どの様な変化が起こるか分かりませんが、一刻も早い終息を切に望みます。
最後に・・、武漢で悲しい事件が起こりました。新型肺炎に罹った父親と次男が強制隔離され、
一人自宅に残された介護が必要な脳性麻痺の少年が孤独死したそうです。何か「こと」がある時、犠牲になるのは、
必ず「弱者」と呼ばれる人々です。まだまだ感染が拡がる武漢で、二度とこの様な出来事が起こらないよう祈るばかりです。                                                                       (会長 後藤久美子)
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第382号~親なき後に向けて、いつもながら「ため」になりました。そして裁判始まりました。~
2020 / 01 / 21 ( Tue )


明けましておめでとうございます。「ひとりごと」を巻頭言に掲載するようになってから、
早いもので、4回目のお正月を迎えます。
「月刊いくせい」は毎月発行のため、締め切りに追われて結構大変なのですが、お読み下さっている大勢の方々からの
「楽しみにしているよ」という嬉しい、そして温かいお言葉を励みに
して、月初めは毎月悪戦苦闘の日々を送っています。今年も、①最新の情報をお届けする 
②法律・制度・サービスについて出来るだけ分かり易くお話する ③会長として、そして親としての私の率直な想い、
考えをお伝えする・・を念頭に置いて発信したいと思いますので、引き続きどうかよろしくお願いいたします。
さて、先月12月20日、年末のあわただしい時期にも関わらず、優に100人を超す大勢の方々に参加をいただいた
又村あおいさんの研修会ですが、当日参加が叶わなかった皆さんのために、簡単ではありますが報告させていただきます。

又村さんと言えば、昨年度の夏に「障害のある人の暮らしとお金 ~いくら必要?どう託す~」と題した研修会を
行い好評を博しましたが(報告は令和1年10月号の「ひとりごと」に掲載)、今回は「お金」について、
前回のおさらいをした上で、更に新しい要素を盛り込み、バージョンアップした内容でお話していただきました。
最初は、前回の復習ということで、地域で暮らすための具体的な収支に加え、障害基礎年金や各種福祉手当、
グループホームの家賃補助を含む各種助成制度についてのお話でした。

次からが今回の本題に入り、前回お話いただいた内容を更に詳しく、また、最新の動きも盛り込みながら3つの項目に分けて
お話いただきました。
1.将来に向けた「お金」への対応(私的備え)
まずは、幾つかの「備え」の中でも、各自治体が窓口となり一番優れているであろうと又村さんのお墨付きの
「心身障害者扶養共済制度」や、「預貯金の障害者マル優」、そして預貯金のマル優とは別枠で設定可能な
「国債や地方債の障害者マル優」について、また、金利が優遇され障害者マル優との併用が可能な「新型福祉定期預金」、
更には本人や親の保険の話で、特に親の保険で終身契約の場合、親が死亡してからの支払いになるという課題が生じますが、「解約返戻金」を設定し、受け取った返戻金を信託することで、親が存命中に本人に残すことも可能である等、
詳しくお話いただきました。また、最近よく聞く「iDeCo」では、月額5,000円からスタートができて、障害基礎年金を掛け金とすることも可能であるそうです。

2.備えたお金をどのように託すのか  信託や遺言を中心に
 最初に、市町村の社会福祉協議会が実施する事業で、成年後見制度を利用するほどではないが、サービスの契約や金銭管理が不安な人が対象の「日常生活自立支援事業」について、次に信託銀行と契約を結んで行う「成年後見支援信託」や
「特定贈与信託」、その他「民事信託」や「遺言代用信託」、「生命保険信託」等、様々な信託について注意点も含め丁寧に
お話しいただきました。

 続いての「遺言」では、その仕組みや注意点等のお話を聞きました。
3.お金の管理を含む成年後見制度のこと
 ここでは成年後見制度の「概要」と、「財産管理」「身上監護」の支援の範囲、「申し立て」について、そして、
大口預金の引き出しの際に家裁の指示書が必要な「成年後見支援預金」、また成年後見制度の運用で、地域によっては、
本人資産が1200万を超えると親族後見が認められなかったり、親族が70歳を超えると家裁が後見人として
認めないという事例も聞きました。

 そして、本制度の現状として、2019年5月の「成年後見制度利用促進専門家会議」において、
最高裁が、①「後見報酬設定の見直し」②「親族後見の推進」を打ち出しました。①については、従来の本人の資産額に
応じた報酬でなく、後見人の活動状況により変動する仕組みとなります。これは、身上監護の充実に結びつくのではないかと
期待はされますが、報酬額の高騰が懸念され、結局は、制度利用の促進につながらないのではないかと考えられます。
②については、中核機関の親族への支援を前提に推進していく方向ですが、従来の政策(第三者後見の推進)を
抜本的に変換することになりますし、何より、子供より先に亡くなる親が、親族後見を担い続けることは
不可能なため問題になっています。

 そして最後は、事業を運営する社会福祉法人が取り組む「法人後見」についてのお話です。
利益相反のリスクが伴うのでは?との声もありますが、身上監護の充実や低額での利用、更には地域における
サービスの充実等、期待できるのではないか・・・とのお話がありました。
 研修会終了後は全国手をつなぐ育成会連合会が発行し、現在、会員だけでなく支援学校・行政関係者にも
評判な2冊の本の紹介をしました。
 1冊目は、この度の研修会にお越しいただいた又村あおいさんがお書きになった「あたらしいほうりつの本(1200円)」です。
これは、本人も理解できるように、障害福祉サービスについて非常に分かり易く、しかも簡潔に書かれています。
現在の売れ行きは、こういった業種の書籍としては異例の1万冊を超える勢いで、大勢の方にご購読いただいております。
そして、もう1冊は「親なきあとをみんなで支える(1000円)」で、知的障害のある本人の高齢化と親なき後に向けて、
「相談・医療・住まい・お金」の4つのポイントと、高齢期の福祉サービスについて書かれています。当日、両方合わせて、
予約も含めて80冊程度ご購入いただきました。興味のある方は、是非事務局にお立ち寄り下さい。

 最後に・・・、昨日(1月8日)から「津久井やまゆり園」事件被告の裁判が始まりました。
 「障害者はいなくなった方がいい。それを発信できて良かった。」と障害者蔑視を続ける被告の初公判には、
26席の一般傍聴席に対して、1944人の傍聴希望者が集まったそうです。精神鑑定の結果から
刑事責任を問えるという検察側に対し、大麻服用による心神喪失状態であったと無罪を主張する弁護側・・。
今後の進展等、また詳しく述べたいと思います。
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第381号~無事終了しました。ご支援ご協力ありがとうございました。~
2019 / 12 / 17 ( Tue )
その年に話題となった新語・流行語を決定する年末恒例の「2019ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、
「年間大賞」には、ラグビーW杯で初の8強入りを遂げ、日本列島を熱狂の渦に巻き込んだ日本代表チームのスローガン
「ONE TEAM(ワンチーム)」が選ばれました。
その他、トップ10には、「計画運休」「軽減税率」「免許返納」、そして「令和」等、
世相を反映する数々の言葉がランクインしたようですが、ラグビー人気にあやかり、
それらを跳ね除けて見事大賞に選ばれました。
早速ビジネスシシーンでは、「ONE TEAMで頑張りましょう」等、あらゆる場面で頻繁に使われているようですが、
同じ様な意味合いでよく耳にする「一枚岩」と比べると、やはりソフトで今風な、おしゃれな表現かなと思います。
さて、好天に恵まれた11月17日(日)に、神戸文化ホール中ホールで開催した
「近畿知的障害者福祉大会(通称:近畿大会)」は、多くの皆様のご支援ご協力のお蔭を持ちまして、
盛会裏に無事終了することができました。心よりお礼申し上げます。

 当日は、神戸の秋を彩る最大の風物詩である「第9回神戸マラソン」と重なったため、通行規制が行われ、
周辺の道路は大渋滞しました。
観光バスをチャーターして参加して下さった京都育成会は、この渋滞に巻き込まれ、このままでは間に合わないと、
数名の方は途中下車し、徒歩にて会場に駆け付けて下さいました。
また、渋滞を避けるために、敢えて観光バスを使わず新快速電車に乗車するも、当日、
下りのJR電車が大幅に遅れたそうで、滋賀県からお越しの全国手をつなぐ育成会連合会の久保会長は、
舞台の緞帳があがる寸前の到着となりました。
こういった慌ただしい中で行われた近畿大会ですが、お忙しい中、大勢のご来賓の皆様にお越しいただき、
神戸市副市長の寺崎秀俊様、神戸市会議長の安達和彦様からご祝辞を賜りました。
そして、育成会活動にご支援、またご尽力いただいた方々に、感謝状・表彰状の贈呈を行い、式典を終了しました。

続く、全国手をつなぐ育成会連合会の田中統括による「中央情勢報告」は、
大勢のご来賓の皆様がお残り下さり、お聞き下さいました。
今回の近畿大会は、今、全国の育成会で大きな課題となっている「親子の高齢化」を踏まえ、
「考えよう! 本人の高齢化、親の高齢化」をテーマに行いましたが、昼食休憩のあとの午後の部のトップバッターは、
国立のぞみの園・総務企画局・事業企画局事業企画部部長の古川信二氏で、
「国立のぞみの園の高齢化への取り組み ~普通の暮らしを求めて~」と題したお話をお聞きしました。

のぞみの園の正式名称は、「国立重度知的障害者総合施設のぞみの園」で、
知的障害者の高齢化についての国内第1の研究機関です。当会では、全国の育成会に先がけて、
数年前より知的障害者の高齢化について着目し、古川氏をお招きし研修を深めてまいりました。

大型コロニーとして「終生保護:終の棲家」の役割を果たしてきた「のぞみの園」ですが、
「施設から地域へ」という国の方向性の転換により、平成15年、地域移行に取り組むことになりました。
古川氏は、入所施設を決して否定しているのではなく、今後の入所施設の在り方をお話しした上で、地域移行の原則、
概念、そのアプローチや現状、また地域で暮らすための必要な支援等、いろいろ詳しく、丁寧にお話し下さいました。

続いて、田中統括がコーディネーターとなり、「地域・家族・専門職ができること」と題したシンポジウムを行いました。
まずは、国立のぞみの園のサービス調整企画課課長補佐の清水清康氏から、
「グループホームにおける高齢知的障害者の支援」と題した報告で、機能低下が進み、
一般の住宅では生活が困難になってきた利用者のために開設したグループホームのお話を聞きました。

続いて、北摂杉の子会の地域生活支援部部長の平野貴久氏より「グループホームご利用者の
医療的対応について」と題し、訪問診療、訪問歯科、訪問看護等の利用と共に、
3名の利用者の高齢化・重度化の進行状況から、知的障害者の高齢化が始まる年齢は一般の方より10年~20年早く、
しかも高齢化のスピードも早いとの報告がありました。

本大会は上記の通り行いましたが、一方の本人大会は、式典終了後、文化ホールから南に歩いて
5分程度の「たちばな研修センター」で行いました。

午前中、Aの「トーク会場」では、『働く』、『権利擁護』、『生活と余暇』についての項目に分かれ、
本人たちがいろいろ話し合いました。また、Bの「楽しみの会場」では、音楽を聞いたり、パラバルーンで遊んだり、
南京玉すだれ等を見たりして過ごしました。

昼食のあと午後から、Cの「スポーツの会場」では、神戸市社会福祉協議会
障害者スポーツ振興センターのご指導のもと、いろいろなスポーツを体験しました。
そして、Dの「リラックス会場」では、缶バッチを作ったり、また、抹茶とおいしい和菓子をいただきました。

前回、神戸市が当番だった8年前の近畿大会は、台風で中止となり、実に16年ぶりの開催となりました。
いろいろ不手際もあったかと思いますが、まさに「ONE TEAM」で乗り切り、無事終了することが出来ました。
早朝よりお手伝いいただいた会員さんをはじめ、ご支援ご協力いただいた全ての皆様に心より感謝申し上げます。

令和元年も残すところあと僅かとなってまいりましたが、年明けの1月8日から、
「津久井やまゆり園」事件の被告の裁判員裁判が横浜地裁で始まります。
裁判は、合計26回開かれ、3月16日に判決が言い渡されるそうです。この裁判では傍聴席に遮蔽板を設置し、
遺族や被害者の家族などが、他の傍聴者から見えないようにする等、異例の措置を取るそうで、
新年早々、メディアでも大きく取り扱われるものと思われます。事件について、反省の言葉も謝罪の言葉もなく、
いまだに正当性を主張し続けている被告の言動を注視したいと思います。(会長 後藤 久美子)
09 : 41 : 39 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
第380号~多くの会員が苦労していると思います。絶大なるご協力をお願いします~
2019 / 11 / 19 ( Tue )
 先月、10月11日(金)から13日(日)まで、第19回全国障害者スポーツ大会の視察団として2泊3日で
茨城県へ行く予定でした。
全国障害者スポーツ大会とは、国民体育大会終了後、その開催地で行われる大会で、私も会長になって以来、
東京、長崎、和歌山、岩手、愛媛、福井と行かせていただきました。
どの開催地においても、多くの地元の方々がボランティアとして大会を支え、本大会は、障害者理解への一翼を担った
ビッグイベントであると言っても決して過言ではないと思います。

また、今回の大会では、陸上、水泳、ボーリングに3名の会員子女が選手に選ばれ、
その活躍をとても楽しみにしておりましたが、台風19号の接近により大会は中止となってしまいました。
非常に残念ではありましたが、台風の進路や大きさ等考えると当然の事であり、
選手達には、また、来年の鹿児島大会に向け頑張ってもらえたらと思っておりました。

ところが、一夜明け、テレビの画面に映しだされた被災地の光景には言葉を失いました。
堤防が決壊し氾濫する千曲川、その他にも多くの河川が氾濫、まるで溜池のようになっていました。
あちこちで土砂崩れが起こりましたが、何と、土砂災害警戒区域に指定されていない場所でも、被害が相次いだそうです。
道路は寸断され、家屋は倒れ、わずか数時間の間に、まさかあれほどの大きな被害を及ぼすとは思いもしませんでした。
本年8月の九州北部での豪雨、9月は千葉県を中心とする台風15号、
そして立て続けに10月には19号と、短期間の間に次々と激甚災害が起こりました。

温暖化の影響?とも言われておりますが、いったい日本列島はどうなっているんでしょうか?
大きな災害が起こる度に、一番気がかりなのは障害のある本人たちです。
今、全国手をつなぐ育成会では、19号の被害状況把握のための調査中で、全容は明らかにはなっておりませんが、
多くの支援学校や福祉関係施設等が浸水したと聞いておりますし、会員宅も含めて、広域にわたっての被害が予想されます。
 25年前の阪神大震災では、障害のある本人たちを避難所に連れて行けず、車中や壊れかけた
家屋で生活せざるを得なかったという方も大勢おられたことと思います。
しかし、その後に起こった「東日本大震災」でも「熊本地震」でも、私たちの時と同じことが
繰り返されました。そして、この度の台風19号でも同じです。
テレビ等では、再三にわたり「命を守る行動を」と避難の呼びかけがありましたが、避難したくとも、
本人を連れては行けないという現実があり、自宅にとどまるというケースも多々あったようです。

阪神大震災の教訓から「福祉避難所」というものがつくられました。
「福祉避難所」とは、災害時に、特別な配慮が必要な方のための二次的避難所ですが、
台風19号による死者や行方不明者が出た13都県38市町村の中では、16市町村が「福祉避難所」を開設したそうです。
あれだけの規模の大災害であったにも関わらず、開設したのは、たった16か所だけ?と驚きました。
国では、各自治体に対し、「福祉避難所」を整備するよう促しているそうですが、
2015年3月に発表された内閣府の調査によると、高齢・障害等事業所と福祉避難所の協定を結んだ自治体は、
全体の45%にすぎないそうです。

 そして、19号で開設した16市町村の避難所のうち、10市町では開設していることを公表しなかったそうです。
非公表の理由は「一般の人が殺到し、必要な人が利用できなくなる恐れがある」ということで、
これは、熊本地震の際、「福祉避難所」に、一般市民が押し寄せるという問題が発生したことがあり、
それを避けるために周知をしなかったそうです。
この問題は、「福祉避難所」が出来た当時からの延々と続く懸念事項であり、どうすれば本来の目的のもと、
「福祉避難所」の運営が出来るのか、その対策が急がれます。

 神戸では阪神大震災以来、幸いなことに大きな災害はありませんが、仮に「南海トラフ巨大地震」が発生したら、
どうなるのでしょうか?
 毎年、神戸市に対して提出している要望書の中には、「福祉避難所」の設置や
一般の避難所の中での専用スペースの確保等、必ず、災害対策についての項目も盛り込んでおります。

 10月末に行われた回答会では(回答会の報告は来月号に掲載)、神戸市では、福祉避難所の指定も既に行われており、
また、一般の避難所の中での専用スペースの確保や、要援護者の状態に応じた受け入れ先の選定等、
今後の取り組みに向けて検討している状況をお話しいただきました。
ただ非常時においては、決められた通りにうまく進まない事も十分考えられます。
いかなる時もそれらが機能するように、あらゆるケースを想定し、細やかな計画を立てて実行して
いただきたいと切に思います。

 本誌4ページに記載の通り、全国手をつなぐ育成会連合会では、台風15号、九州北部水害に加えて、
台風19号に対する義援金のお願いもしております。
 被災地では、自衛隊の設営するお風呂に入りたくても、介助者がいない(母と息子の場合)ため、
雨水の混じった井戸の泥水を使って、自宅のお風呂に入っている人もいるそうです。
また、避難所に行けないので、土砂崩れで壊れかけた家屋に住み続けている人もいるそうです。
被災地では、多くの会員家族が不自由な生活を強いられていると思われます。
私たちに出来る事、それは、一日も早い復旧を願い、少しでも多くの義援金を集めることしかありません。

本誌7ページで案内の又村あおいさんの研修会でも募金箱を設置したいと思いますし、事務局に
は常時設置いたしておりますので、なにとぞご協力をお願いいたします。

 今回の又村さんの研修会は、「障害のある人の暮らしとお金パート2 ~私的備えと託し方~」
と題し、マル優や保険、遺言、信託、成年後見制度諸々を詳しくお話いただきます。
お金の残し方や、そして、せっかく残したお金をだまし取られないよう管理する方法等、是非
ともお聞きき下さい。大勢のご参加をお待ちしています。     (会長 後藤 久美子)
14 : 25 : 00 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
第378号~近畿大会大勢のご参加をよろしくお願いします!そして、裁判の判決から・・・~
2019 / 09 / 10 ( Tue )
 会員の皆様(詳しく言えば、障害基礎年金受給者の方)、「年金生活者支援給付金」を受け取るための手続きは、もう済まされましたか?
 消費税率引き上げの際、障害基礎年金が増額されることは、かなり早くから皆さんにお伝えしておりましたが、(その後、二転三転はあったようですが)、最初にお伝えした通り、2級は5000円、1級は6250円の増額ということで、まずはホッとしております。
まだ葉書を出してないという方、福祉は申請主義です。出さなければ貰えませんよ。どうか早急に出して下さい。

 次に、「近畿大会」のご案内を8~9ページに再度掲載いたしております。
本大会・本人大会の詳しい内容については、7月号・8月号の「ひとりごと」に掲載済みですので、ご一読を。
締め切りは、10月11日(金)となっております。会員さんは、参加費が無料です(本人さんも)。
どうか大勢のご参加をよろしくお願いいたします。
 次に、今月初旬頃、会員の皆様方に、所属先を通して、或いは、ご自宅に「住まいの場に関するアンケート」が
届いたかと思います。
 同様のアンケート調査は平成28年度にも行い「えみのき」建設に至りました。
今回は、その第2弾として実施いたしますが「本人の将来的な住まいの場」や「保護者の高齢化」等に関して、現在の想い
・希望を把握するためのものです。締め切りは、9月20日(金)となっておりますが、まだ提出されてない方は、
どうか返信をお願いいたします。

 続いて、もう一つ、神戸市が行うアンケート調査にご協力のお願いです。
対象者は、身体・知的・精神・発達障害者と難病患者で、その中から、ランダム(無作為)に抽出された約1万人の各家庭に
「福祉に関する調査」と題した調査票が10月頃、郵送されます。
今後の神戸市の障害福祉計画策定の際の、基礎資料にすることを目的に行われる調査ですので
受け取られた方は、ご記入の上、必ず返信をよろしくお願いいたします。

 次に、今回のメインの話題です。ショッキングで、辛くて悲しい話です。
 2014年、大分市のマンション階段で、管理人(当時62)が知的障害のある男性(同42以下:A君)に
突き飛ばされて死亡するという事件がありました。
 A君は、傷害致死容疑で書類送検されましたが不起訴、すでに亡くなっているそうです。
管理人の遺族は、A君の両親に対し、約5400万円を求めて提訴しました。両親の監督責任の有無が裁判の最大の焦点と
なりましたが、大分地裁は今年8月22日、両親の監督義務違反を認めず、請求を棄却しました。 
なぜ、この様なことが起こったのか、経緯をお話しします。
A君は、パニックによる他害があり、入退院を繰り返していたそうです。
ある時、入院先の医師から、入所施設を勧められましたが、「自分達で面倒を見るから」と、両親は申し出を断りました。
そして、A君が調子の悪い時は入院をして、退院後は、自宅で3人で暮らすという生活を続けていたそうです。
 A君が外出する際には、両親か、どちらかが付き添っていたそうですが、たまたま一人で出かけた時に、
この不幸な出来事が起こってしまいました。

 上記の判決に対し、犯罪被害者の支援団体は、「遺族は怒りのやり場をどこへ持っていけばいいのか」というコメントを
出されたそうです。また、ネット上では、「知的障害者には絶対に関わってはいけない」「知的障害者は無敵?」
「親が責任を取るべき」「健常者の人権が無視されている」という批判的な意見が圧倒的ですが、
中には、「行政が被害給付金を設立するべき」「判決は、逆に障害者が差別される結果になる」等、
問題定義の意見も寄せられていたようです。

 我々の子供たちは、突発的に思いも寄らない行動をする事があります。そして、それを予測することは不可能ですし、
ずっと監督して防ぐことも困難です。両親に責任を問うことは酷であるとは思います。しかし遺族の立場になれば、
刑事責任も問えず、賠償も認められないでは、納得がいかないと思います。
賠償という観点では、ネットに書き込まれていた「犯罪被害者等給付金」や、「遺族給付金」という制度もあるそうです。
しかし、遺族が求めている金額には、到底及ばない支給額だそうです。
凶悪犯罪が増加している昨今、支給金額を拡充し、国が加害者に変わって支払い、被害者が救済されるという法制度に
改善されることが必要です。

 最後に・・。加害者となったA君は、管理人さんを恨んでもいないし、殺意があった訳でもありません。
A君の中で、不安なこと、嫌なこと、悲しいこと、何か、必ず要因はあったはずです。
しかし彼はそれを訴えることも出来ないし、また軽減させる術もなく、A君流の「イヤ」という表現方法が、
あの様な悲しい結末となってしまいました。
 A君は、どうやら福祉サービスは使ってなかったようです。なぜ、行政に頼らなかったのか、あるいは、
あの時、入所施設に入っていたら、A君は、違った人生を歩んでいたかもしれません。
 いずれにしても、今回の事故は、決して他人事ではありません。ひょんな事から、いつ加害者になってしまうかわかりません。
私は、もしも息子が人や物に危害を与えた時、「最低限の責任」が果たせるように、数年前から
知的障害者向けの保険に入っています。
それは息子が加害者になった場合、被害者に対する賠償金の支払いは勿論ですが、
その行為(賠償金を支払う)自体が、息子自身をも守ることにもつながるからです。
今回、保険の必要性を改めて痛感しました。
A君は「行動障害」があったと思われます。「行動障害」と言えば、「自傷・他害」という行為を思い浮かべますが、
それだけでなく、同じ質問を繰り返したり、何度、注意してもやめない等、多くの知的障害者に共通する特性を持っております。

 本誌7ページに掲載しておりますが、「行動障害のある人の暮らしを支える」と題した研修会を10月18日(金)に行います。
「行動障害」について、是非、学んでみて下さい。 
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