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第366号 ~研修会、勉強になりました。そして・・開いた口がふさがりません。~
2018 / 09 / 22 ( Sat )

              
 先月号の冒頭でも豪雨や猛暑等、異常気象について触れましたが、今度は、僅か10日余りの間に二つの大きな台風が次々に近畿地方を直撃し、またしても、その洗礼を受けてしまいました。台風20号と「今世紀最強」と言われた台風21号です。
 特に21号は最大瞬間風速58.1mを記録し、神戸市では被害は少なかったものの、大阪をはじめとする各地で甚大な被害をもたらしました。
 そんな矢先、今度は、北海道で震度7の大規模地震が勃発、どうして今夏は、日常茶飯事の如く、次から次に災害に見舞われるのでしょうか。
どこで何が起こるか分からない昨今、「自身の身は自身で守る」と言われますが、しかし一番気がかりなのは障害のある我が子たちの安全です。「災害時の障害者の支援」ということが最近よく話題になり、神戸市でも今秋にスタートする「障害者支援センター」での取り組みの一環となっているようですが、これを機に、様々な観点からの「もしもに備えた対策」を具体的に推し進めていただきたいと強く切望します。取りあえずは、平穏な日々が続きますように・・・。

 さて、先月8月10日(金)、又村あおい氏をお迎えしての研修会「障がいのある人の暮らしとお金 ~いくら必要?どう託す?~」を実施しました。
親なきあとに向けての切実なるテーマであるせいか、当日は会員は勿論ですが、行政や支援学校をはじめ、福祉関係者、そして本人等、何と130名をも超える参加者がありました。当日の報告は本誌5ページに掲載しておりますが、幾つか心に残ったことを話させていただきます。

まずは、親なきあと(親が支援出来なくなったあと)、本人がグループホームで暮らしていく場合、幾ら必要で幾ら不足するのか、
皆さんは想像できますか? 
収入源が本人の年金とグループホームの家賃補助(1万円)のみの場合、不足分は概算で一か月約3万円となり、
年間では36万円、そして親なきあと、本人の余命を40年として計算すると約1500万円の不足となるのです。
金額を聞いて唖然としました。
本人の収入や親の年齢等でも金額は増減しますが、僅かな工賃と年金のみが収入源である本人たちの多くは、
これに該当するものと思われます。
「そんなに不足するんだったら、お金を残してあげないと」と、そんな想いから子供の名義で預金しておく、言
わば「名義預金」をされている方もおられるかと思いますが、これは、相続時にリスクを伴います。
つまり、親が亡くなった段階で、名義預金であるがゆえ、本人の財産ではなく「遺産」として見なされ、
税金を支払うことになるそうです。本人の年金や手当の預金については無論問題ないですが、くれぐれも気をつけて下さい。

 なお、当日、「西日本豪雨」に対しての募金箱を設置しましたところ多くの方にご賛同をいただき誠にありがとうございました。
7ページに記載の通り、全国手をつなぐ育成会連合会に送金いたしました。
各支部をはじめ、ご協力いただいた全ての皆様に感謝申し上げます。


 次の話題です。中央省庁や自治体で、長年にわたり障害者雇用の水増しを行っていた問題に対し、
全国手をつなぐ育成会連合会・久保会長が声明文を発表されました。本誌4ページに掲載しておりますので、どうかご覧下さい。
 この問題はメディアで大きく取り上げられ、皆さんもご存知かと思いますが、障害者雇用の「旗振り役」である中央省庁等で、
障害者手帳の有無を確認せず、健康診断の結果や本人の自己申告をもとに、本来対象とならない職員(中には、糖尿病の人も
いたそうです)を障害者として計上する、いわゆる「水増し」が行われていたのです。
 「障害者雇用促進法」では、障害者雇用率(法定雇用率と言います)が定められ、2018年9月現在、行政機関では全職員の2.5%以上、民間企業では2.2%以上の障害者を雇用することが法律で義務付けられております。

分かり易く数字に換算すると、民間企業においては45.5人に1人の障害者を雇用しなければならず、それが達成できない場合、「障害者雇用納付金」といって、1か月で1人あたり5万円を徴収され、場合によっては企業名も公表されるという厳しいペナルティーが課せられます。

 一方、これまで約6900人の障害者を雇用していると豪語していた中央省庁では、実際の雇用率は、1.19%に過ぎず、
半数以上の3460人が水増しされていたことが発表されました。不正は、国税庁、国交省、法務省をはじめ27省庁で行われ、
更には、衆参両院の事務局や全国の裁判所でも確認されました。
正に、行政・立法・司法という三権で水増しが行われていたのです。

 そして、それだけでは留まらず、地方自治体や教育委員会等、37府県でも水増しや不適切な計上が行われていたそうです。
政府が掲げる「一億総活躍社会」の中から障害者はいつのまに排除されてしまったのでしょうか?
「共生社会」とは単なる「絵に描いた餅」なのでしょうか。
「障害者権利条約」の批准に向けて、ここ数年間、障害者関連の様々な法律の改正・施行が行われ、
障害者の人権・尊厳・権利が高らかに謳われておりますが、今回の出来事は、その根幹をも揺るがす不祥事であると
言っても過言ではないと思います。
水増しの理由について、ガイドラインの不備や業務が複雑で残業が多い等、言い訳じみた言葉しか聞こえてきませんが、障害者の「働く場」を「可能性」を、そして、「生きがい」を、全て奪ってしまったという事実を重く受け止め、問題解決に向けて、抜本的な見直しを切に望みます。

最後に、明るい話題で締めくくりたいと思います。
 「第2回こうべ障がい者芸術フェスタ HUG+(ハグ・プラス)展2018」が9月21日(金)~24日(月・祝)、兵庫県立美術館で行われます。たくさんの障害のある方たちの力強い作品が展示されております。(会員子女の作品も多いです)この3連休を利用して是非お出かけ下さい。
詳細については、神戸市社会福祉協議会までお問い合わせ下さい。  
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第365号~あれから2年・・「変わっていない」ことと、「変わり始めた」こと~
2018 / 08 / 21 ( Tue )
  
  「かつて経験したことがない」と言われた「豪雨」の次は、「命に関わる」とまで言われた「猛暑」、そして観測史上、
類を見ない、東から西へと「逆進する台風」と、今年の7月は、「自然が織りなす猛威」では済まされない異常気象が続き、
「いったい地球はどうなっているのだろう」と恐怖すら覚えました。
全国手をつなぐ育成会連合会では、甚大な被害を各地にもたらした「西日本豪雨」の義援金を募集しております。
阪神大震災の折には、全国の育成会から、励ましの言葉と共に多くの義援金を頂戴しました。
事務局に募金箱を設置しておりますので、催し物等で育成会会館にお越しの際は、どうかご協力のほど、
よろしくお願いいたします。

 さて、日本中を震撼させ、私たちを恐怖のどん底に陥れた「津久井やまゆり園」の殺傷事件から、先月26日で、
2年が経過しました。
「障害者差別」や「優生思想」、更には、被告自身の「精神鑑定」の問題等、日本社会に深刻な問題を投げかけたこの事件は、
発生当初こそメディアが大きく取り上げていたものの、いつのまにか、節目の際に、セレモニーの如く報道されるのみとなり、
事件が忘れられ風化していく現状が懸念されておりました。
そんな中、7月21日、創(つくる)出版より、被告の手紙や手記が掲載された書籍が発行されました。
タイトルは、「開けられたパンドラの箱」です。
同社の編集長は、手紙や面会等で、約70回にわたって被告とのやり取りを重ね、
月刊誌「創」に被告の主張を掲載しておりました。私もその記事を何度か読んだことがあるのですが、
被害者への謝罪や犯行を後悔するような言葉は一切なく、
相変わらず障害者を差別した身勝手な持論を唱えているのみでした。
今回出版した書籍は、月刊誌に掲載された記事と共に、被告自身が、獄中で約半年かけて描いたという30ページにも及ぶ
漫画(人類社会に絶望して暴力的に破壊するという内容で、1コマ見ただけですが、
ドン引きするようなグロテスクな絵に見えました。)や、精神科医等、専門家の意見や、
また、被害者の家族の声も掲載されているそうです。
この1年間、被告は様々なメディアの取材に応じており、これから行われる裁判について聞かれると、「殺したことは認めるが、
彼らは人ではないので殺人ではない」と主張したり、また、知的障害者のことを、意思疎通ができないという意味で、
「心失者(しんしゅつしゃ)」と呼んでいるそうです。障害者に対する偏見・差別は更にエスカレートし、全くあきれるばかりです。

 出版に関しては、「被告の主張が正当化され拡散する恐れがある」と静岡県の大学教授(発達障害者の父親)や
地元育成会が、約2,000人の署名を集め出版中止を訴えましたが、差別的な主張の部分を減らして、出版に踏み切りました。
同社編集長は、「被告の意見を黙殺せず背景を解明する必要がある。本は、議論を深めてもらうための問題提議」と主張し、
それに対し「事件の検証につながる」と評価する声や、一方では「被告に焦点を当てるのはやや商業的」と
賛否両論に意見は分かれ、波紋を呼んでいるようです。

被告は、現在2度目の精神鑑定中(本稿執筆8月初旬)で、その後に行われる裁判は、裁判員裁判になる見込みですが、
死刑になる可能性が高いと言われております。
上述編集長は、被告を死刑という罪で罰しただけでは、問題解決や再発防止にはつながらないと主張しています。確かに、
事件の骨格になっている部分、つまり、障害者施設職員が何故、ああいう考えに変わっていったのか、
未だ、明らかになっておりません。
 しかし、書籍の出版は、編集長の思惑とは裏腹に、事件当時のように、被告の考えに同調する差別的な発言が
多数上がるのみで、また、あの頃のように、多くの知的障害者や家族、そして、
未だに名前を公表できずにいる遺族の方々に、更なる恐怖・苦しみを味あわせるだけで終わるのではないかと思います。
私は、被告が、逮捕後に送検される車の中で見せた、あの大胆不敵な「笑み」を今も忘れる事が出来ません。加えて、
拘置所の中から、接見を希望する複数のメディアに対して、インタビューに答えたり、
得意げに手記等を発信する被告の言動を見ていると、まるで自分が「特別な存在」「有名人」であるかの如く、
何か楽しんでいる様にさえ見えます。
2年経った今も、被告は何も変わっておりません。遺族の悲しみや恐怖も癒えることはありません。
 
 そして、障害者に対する差別・偏見も、あの頃と大きく変わっていないように思います。
しかし、そんな中、一筋の光も見えてきました。
事件発生の頃は、「やまゆり園」の利用者は重度障害ゆえに、暮らしの場は入所施設しかないと言われていましたが、
園舎取り壊しによる移転で、新しい生活の場を経験したことにより、グループホームや、ヘルパーサービスを使っての地域生活を始めた人もいるそうです。
むごたらしい、許し難い、悲しい事件ではありましたが、やまゆり園の利用者・家族・関係者は、前を向いて歩き始めました。
私たちも、「7・26」を決して忘れず、風化させず、そして、少しずつでも変わっていくであろう未来に向けて、
力を合わせて歩んで行かねばなりません。
私はこの事件のことを書く時、いつも「被告」という名称で、決して名前は記していません。
それは、差別や偏見から実名を公表できないでいる遺族の傍らで、今もなお、英雄気取りで差別的な発言を繰り返す
「被告」に対する私のちっぽけな「抵抗」です。

 13ページに本人の勉強会の案内を掲載しております。本人のこれまでの生活、経験、心情から、
本人の「隠れた想い」を引き出し、今後の支援のツールとして、また、サービス等利用計画作成の際にも
役立てていただければと思います。まずは、一度参加してみて下さい。
3ページから8ページまで、神戸市に対する要望書を掲載しております。
会員の皆様から寄せられた要望をまとめて、神戸市に提出いたしました。掲載されていない要望もあるかと思いますが、
いくつかは、口頭にてお願いしてまいりました。ご覧下さい。   
09 : 38 : 45 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
第364号~今月号をスミからスミまで読んでみよう!~
2018 / 08 / 09 ( Thu )
             
 遠く離れた日本海を進んでいたせいか、被害等、全く予想だにしなかった台風7号が引き連れてきた梅雨前線の影響で
、西日本を中心に数十年に一度という大雨が降り、広域にわたって各地に、甚大な被害が発生しました。
当会においては、支援学校の高等部の生徒を対象にした恒例の「進路情報提供会」を7月7日(土)に行う予定だったのですが、
止む無く中止にしました。
豪雨による被害の全容は、まだ明らかではありませんが(本原稿執筆時)、週明けの9日には、
例年に比べて10日前後も早い梅雨明けが発表されました。被災地の方々にとっては、
猛暑の中での捜索活動や復旧作業等、過酷な日々が続くと思いますが、一日も早い復興・復旧を心からお祈りいたします。
さて、今月は、特にテーマを決めてお話しするのではなく、本誌に掲載している記事について、
細かくいろいろと掘り下げてお話ししたいと思います。

 まずは、先月号でも予告案内いたしました又村あおいさんの研修会の案内を最終ページに掲載しておりますので、ご覧下さい。
当会では、ここ数年、「取り組もう!親なきあとは親あるうちに」をスローガンに、ハード面では住まいの場の整備を、そして、ソフト面においては、「親なきあと」を踏まえた、いろいろな観点からの研修会を行っております。
昨年度末には、マスコミ等で話題になっている「家族信託」についてを、最近では、親なきあとをサポートする
「生命保険信託」についての説明会を行いました。
そして、今回は、久々に又村さんにお越しいただき、「障害のある人の暮らしとお金 ~いくら必要?どう託す?~」と題した、
親なきあと、私たちが一番気がかりな「お金」について、今から準備しておくこと等も含め、
いつも通り分かり易くお話しいただきます。

お盆前のあわただしい時期ではありますが、大勢のご参加をお待ちしております。
次に、7ページに「心の輪を広げる体験作文」の募集を掲載しております。
これは、内閣府が「障害者週間」の取組の一つとして行っているもので、都道府県や指定都市が共催し、
作文とポスターの募集をしております。
作文の内容は、例えば、障害のある子どもさんと歩んできた道のりを振り返り、社会の人々との関わりの中で、
嬉しかったこと、悲しかったこと、そして、障害のある人も無い人も共に生きる社会を構築するためには、
どうすればいいのか、どんな社会になってほしいか等、何でもお書き下さればと思います。
子育てに一番近いお母さんはもちろんですが、ご兄弟の立場から、またお父さんの想いもお聞きしたいですね。
(6ページ掲載の「リレー随筆」、最近は、お父さんバージョンで9区のお父さん方に順に寄稿いただいています。
今月号も力作です)なお優秀作品については、内閣府が主催する全国大会へ出品されるそうです。
皆さんも、ぜひ一度、挑戦されてみてはいかがですか?
続いて、3ページから5ページにかけては、「全国手をつなぐ育成会連合会」に提出した国に対する要望書を掲載しております。
これは皆さんが「難しい」「おもしろくない」と、スルーしてしまうページかもしれませんが、
法律や制度、サービス等の不備な点は、国(或いは神戸市)に対して声をあげなければ改善されません。
「障害福祉」の現状を知るためにも是非お読みいただければと思います。

 皆さんに身近な要望事項を幾つか補足説明しますと、まず初めの、高齢障害者の項目、これは今後、本人たちが直面する、
正に「65歳問題」です。
「介護保険優先」の原理から、65歳になった時、障害と高齢で相当するサービス(生活介護、居宅介護、短期入所)については、介護保険に移行となりますが、しかし、その際必要な「介護認定」は主として身体状況で判断されるため、
知的障害者は軽くなることが多く、サービス支給量が低下することが予想されます。

例えば、デーサービスを週に5日間利用していた人が、介護保険に移行すると、3日しか利用出来ないという事態も
起こり得るのです。足らずの2日間は、障害から支給する方法(「上乗せ」と言います)もあるのですが、
国による取決めはなくて、自治体での判断となっております。
神戸市の場合は、「居宅介護」のみ支給量を上乗せすることは可能ですが、残りのサービスについては行っておりません。
残りのサービスも対象となるように市に対しては要望いたしますが、しかし、やはり、大本の「国」の方で取り組まない限り、
解決しないようにも思われます。

 また、1割負担については、いくつかの条件があえば償還されることになっていますが、しかし、65歳になる以前に5年間、
そのサービスを利用しなければならないという条件があります。
例えば、62歳までB型事業所に在籍し、その後、生活介護の事業所に移った場合、利用期間が3年のため、
65歳以降の償還はありません。償還されるためには、60歳になった時点で、生活介護に行かざるを得ないという様な問題が
発生し、その改善を求めております。
グループホームについては、入所施設に変わる住まいの場として位置づけられ、特に、障害者の「重度・高齢化」に対応するため、本年4月より創設された「日中サービス支援型」グループホームは、昼間も含んだ手厚い職員配置となっておりますが、
まだまだ不充分で、24時間365日の支援が可能となる報酬の確保が必要です。
移動支援については、保護者の高齢化により、日中活動の場への送迎が困難となっていることから、
当会においても一番要望が多く、また、短期入所利用時や、入所施設利用者にもサービス利用が可能となるような
要望も含まれております。本サービスは「地域生活支援事業」で自治体の裁量で行う事業であるため地域格差も生じています。
保護者の高齢化という現状を考え、国の責任のもと実施されるよう要望いたしました。その他の要望事項も是非ご覧下さい。
神戸市に対する要望書は、今月末に提出いたします。        
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第363号 ~子供たちのために「やらなければならない努力」と「無駄(?)かもしれない努力」、でも両方大切だと思います。~
2018 / 08 / 09 ( Thu )

  「まごたちわやさしい」・・・。皆さんは、どこかで、この言葉をお聞きになった事はありませんか?
これは、健康的な身体づくりに欠かせないバランスの良い食品の覚え方で、「豆、ごま、卵、乳製品、わかめ、
野菜、魚、しいたけ、芋」が、その食品となります。また最近では、これらの食品は骨粗しょう症の予防にも効果があると
言われているそうです。
実は最近、私は、骨粗しょう症の検査で、今までの「要注意」から「危険域」の範囲内に入ってしまいました。
人一倍健康面には留意し、「栄養オタク」「筋トレオタク」を自負する私なのですが、お医者様いわく、
痩せている人は体重が軽い分、骨に負荷がかからないため、太っている人と比べ、
骨粗しょう症になるリスクが非常に高いそうです。

 栄養のバランスに考慮した「My弁当」を常に持参し、一日30品目以上の食材を摂り、
そして、1時間程度の筋トレを休むことなく毎日実践している私は、「障害のある子供より、絶対に長生きしてやるぞ~」という
強い(?)信念のもと、これまで日々努力を重ねてきたのですが、「痩せ体型」の私にとって、
思いもよらぬ大きな落とし穴が待っていました。
最近は、骨密度の数値を上げるため、カルシウムを多く含んだ乳製品の摂取量を増やしたり、
また、骨に負荷を与える運動にひたすら取り組む等、改善に向け奮闘しております。
そもそも、子供より長生きするなど到底無理な話なのですが、例え1日でもいい・・、健康で長生きしたいがため、
「無駄な努力」かもしれませんが、今後も続けていきたいと思います。

 さて、次は、子供たちのために「やらなければならない努力」のお話です。
昨今、新しい形の啓発活動として、全国各地の育成会が取り組んでいる「知的障害擬似体験・キャラバン隊活動」ですが、
5月15日(火)に当会館において、キャラバン隊立ち上げに向けての研修会を、たつの市育成会の「ぴーす&ピース」を
お招きし行いました。
「ぴーす&ピース」は、「たつの市手をつなぐ育成会」が中心となり結成されたキャラバン隊ですが、
会員だけでなく、たつの市の市役所や社会福祉協議会の職員さん、また、一般市民の方々がメンバーとなり、
市内の学校・民生委員・警察・企業等、様々な団体に向けて、疑似体験活動を通した啓発活動を精力的に行っています。

 更には、北は北海道から南は九州までの多くの育成会に出向き、キャラバン隊を結成するための講座も行い、現在では、
全国で約60程度の育成会が、この活動に取り組んでおります。
知的障害の特性を社会の人々に、どの様に伝えれば理解していただけるのでしょうか?
私たちも、これまで幾度となく様々な場所で啓発活動を実践してきましたが、言葉による説明、
いわゆる座学による語りかけだけでは、どうしても限界があります。しかし、この活動には障害特性について、
具体的で、且つ客観的な論理が組み込まれており、様々なプログラムを実際に体験することにより、障害特性についての
気づきや理解が生まれるのです。
プログラムの内容は、ロールプレイやグループワーク等、様々なメニューがありますが、どのキャラバン隊も、
メインには疑似体験活動を実施しているようです。

 楽しくワクワクしながら、正にゲーム感覚で参加できる擬似体験なのですが、幾つか具体的に紹介しますと、
知的障害者が持つ「抽象的な言葉での理解が困難である特性」については、参加者に「抽象的な言葉」を絵で
表していただきます。抽象的な言葉を絵で表現することの困難さを体感していただき、
具体的に伝えることの大切さを知っていただきます。
 また、「周りは見えずに興味のある物だけしか見えない」という知的障害者の視点
(一点集中、シングルフォーカスと言われています)を、ペットボトルを使った眼鏡を使用し体感していただきます。
また、コミュニケーションがうまく取れない障害特性については、寸劇を通して、
言葉が伝わらないもどかしさ困り感を参加者に体感していただき、身振りや絵・写真等の有効性の理解につなげます。
「障害者差別解消法」が施行されて、「合理的配慮」という考え方が、この法律の大きな柱となっておりますが、
合理的配慮を行おうにも、社会の人々は、知的障害の特性を知らないため、肢体・視覚障害の方々の様な合理的配慮による
好事例がなかなか聞こえてきません。 
それどころか、障害者施設を建設するとなると、必ずと言っていいほど、地元の反対運動が起こります。
時には、不審者と勘違いされることもあります。奇異な目で見られることは数知れません。
しかし、社会の人々が知的障害について知らないために、差別や偏見が生まれるのです。
「知らない」なら伝えなければなりません。伝える事により理解が生まれます。理解が生まれれば世の中も変わり、
障害のある本人たちにとって住みやすい社会になるのではないでしょうか。
「障害者差別解消法」は、地方自治体に対して、啓発活動の実施を義務付けております。また、「障害者総合支援法」では、
障害者の地域生活に関する啓発事業を、自治体が行う「地域生活支援事業」の必須事業として位置づけております。
「キャラバン隊」は、正に、自治体での施策の対象となり得る活動なのです。
行政や社協等の皆様のご協力を得ながら、この活動を進めてまいりたいと思います。
もうしばらくすると、立ち上げに向けての具体的な動きに入っていきますので、
その際には、どうぞ多大なるご協力・ご支援のほどよろしくお願いいたします。

 最後に研修会の予告です。8月10日(金)に、全国手をつなぐ育成会の機関紙「手をつなぐ」でお馴染みの又村あおいさん
(イケメンです)にお越しいただき、研修会を行います。(本誌5ページに案内予告を掲載しております。)
内容は、ずばり「お金」についてです。親なきあと、障害年金を受けながら地域で暮らしていくためには、どれだけ必要で、
どれだけ不足が出てくるのか。そして、どう蓄えて、どう残すのか等、いつも通り具体的に分かり易くお話いただきます。
詳しくは来月号でご案内します。             
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第362号~長い道のりでした。そして、誕生と共に散った一つの生命・・。~
2018 / 05 / 24 ( Thu )
             
 大型連休前後、久々に風邪をひいてしまいました。幼稚園を最後に一切熱を出した事がない強靭な肉体を持つ私は、今回も発熱には至りませんでしたが、鼻水だらけの連休を過ごしました。皆様も、くれぐれも健康にはご留意下さい。
さて、雷が鳴り響き、一時は、どしゃ降りとなった長田神社での地鎮祭とは打って変わり、新緑が香る好天に恵まれた4月26日(木)、しあわせの村内の研修館において「えみのき(咲の樹)」の竣工式が執り行われました。当日は、年度替わりの大変お忙しい中にも関わらず、神戸市保健福祉局の三木局長をはじめ、大勢のご来賓の皆様がお祝いに駆けつけて下さいました。
そして、竣工式終了後には内覧会を行いましたが、長年の悲願であった「住まいの場」を間近にし、
ご支援いただいた大勢の皆様への感謝と共に、皆で追い求めた「夢」が実現し、感無量でした。

思い起こせば、新緑福祉会にとって初めての入所施設「とこはの家」が誕生したのは、平成15年3月31日で、戦後からの長きにわたって続いていた「措置制度」の、正に、最終年度、最終日の開設でした。
そして、翌日、平成15年4月1日からは新たに「支援費制度」が導入され、新しい福祉の時代が始まりました。

そして、ちょうどこの頃から、国では「もう入所施設は造らない。施設から地域へ」という事が盛んに叫ばれるようになり、
「のぞみの園」をはじめとする大型コロニー施設では、「地域移行」の取り組みが始まりました。
しかし、重度障害者を抱える保護者にとっては、「親なきあと、いったい我が子はどうなるのだろう」と
不安にかられる毎日で、国の意向とは裏腹に「入所施設」建設への想いは強く、この間、
入所施設の待機者はどんどん膨らみました。また、行き場のない障害者はショートスティを長期間利用したり、
挙句のはてには、精神病院に入院する等、悲惨な状況であったと聞いております。
そんな時、「障害者総合支援法」成立の際の衆参両院の付帯決議において、「小規模入所施設」という言葉が
突如として浮上してきました。付帯決議とは、「法律は成立させるが、これについて検討して下さい」という議員さんから
の注文であり、その中身は、「障害者の重度化・高齢化や親なきあとを見据え、
地域での居住支援のあり方について検討して下さい」というもので、その居住にあたるのが、
ケアホームと一元化した後の「グループホーム(以下GH)」と「小規模入所施設」なのです。

小規模(30人程度)とは言え、久々の入所施設という言葉に私たちは驚愕しました。
そして、「この機会を逃すとチャンスは2度とこない、絶対に実現しよう」と新緑福祉会に働きかけ、
これを機に、建設に向けての準備が始まりました。
新緑福祉会の平田理事長と共に、連名で、久元市長へ要望書も提出しました。次年度の国家予算の説明会では、
私は、質問の時間に、居合わせた厚労省の課長さんと10分近くやり取りをし、入所施設の必要性を延々と訴えました。
(次年度から何故か質問の時間はなくなってしまいました)
その他、色々な準備を進めておりましたが、国では、小規模入所施設は障害者の地域生活を支えるための核となる施設とし、
住まいの場についてはGHを位置付けるという考えが示されました。
そして、その後の「障害者総合支援法・3年後の見直し」において、重度高齢障害者はGHで、
軽度者は新サービスである「自立生活援助」等を利用し、アパートでの一人暮らしをという具体的な方向性が
打ち出されたのです。
私たちは名称は何であれ、現存する入所施設以上の機能を持った住まいの場を造ろう!を合言葉に、
育成会と新緑福祉会の担当者によるワーキングチームを結成し、準備を進めていきました。
メンバーの方たちには、全国の先進事例として運営されている数か所のGHの視察に行っていただきました。
そして、何度も何度も集まって会議を開き、視察に基づいた検討が為されました。
神戸市関係当局の皆様には、国庫補助の申請や土地の貸与等、その他、並々ならぬご支援ご配慮を頂戴しました。
その他にも、多くの方々のお力をお借りし、そして、私たちの夢が実現する事が出来ました。
ご支援ご協力いただいた全ての皆様には、心より感謝申し上げます。

しかし、これが最終目標ではありません。平田理事長と力を合わせ、必ずや、第2第3の住まいの場を実現させたいと思います。どうか一層のご支援ご協力のほどよろしくお願いいたします。
そして・・・、「えみのき」竣工を見定めて、安心されたのでしょうか、この日を誰よりも待ち望んでおられた新緑福祉会の元理事で、前・新緑福祉会後援会長の川口信弘氏が竣工式の翌日に、永遠の眠りにつかれました。川口氏は、いつも入所施設建設を強く訴えられ、お会いする度、「現在、どんな動きになっていますか」と常に気にしておられました。その笑顔は「頼みましたよ」と、私の背中を押して下さっている様に私には思われました。大変お世話になりました。合掌・・・。

最後に、お知らせです。まずは当会館2階で行っている 、当事業を頻繁に利用されていた数名の方が、
最近、GHに入居された関係で、多少の空きが出始めました。
本誌11ページに空き状況等、掲載しておりますので、是非ご利用下さればと思います。
最近、突然に保護者が亡くなられるというケースが増えてきております。
外泊経験のない本人にとっては、二重の痛手となります。親あるうちに、日頃から福祉サービスを利用する等、
出来るところから始めて下さい。
そして、もう一つ、「旧優生保護法」について、全国育成会連合会の久保会長より声明文が出され、
8ページに掲載しております。これに関しては、又後日、機会があれば書かせていただきます。
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