第361号 ~UDフェアーで健康チェック。andお待たせしました!ついに完成です。
2018 / 04 / 28 ( Sat )
              
1週間前の寒さはどこへ行ったのやら、暖かな日差しの下、3月18日(日)に、リサイクル
バザーでにぎわうしあわせの村内の体育館において、「第15回こうべユニバーサルデザインフェアー」(以下:UDフェアー)が
開催されました。
UDフェアーとは、障害のある人が必要とする様々な最新の福祉機器等の展示と共に、一般の方に、
それらの機器を実際に体感していただくことによって、障害ゆえの生きづらさを知っていただき、
障害理解を深めるために行われている催しです。(キャラバン隊の擬似体験活動と相通じるものがありますね)

当日は13の法人が参加し、障害による生きづらさを軽減させるための最新の機器が展示されていましたが、
一般の方向けに、介護予防のための身体能力測定装置や、血管年齢チェックに健骨度チェック等、
元気で長生きするための健康に関するブースも設置され、健康志向の高い中、行列が出来ているコーナーもありました。
次回のUDフェアーも同時期に開催されることと思います。
是非春の気配が漂うしあわせの村に足をお運びになり、様々な障害者が抱える生きづらさの体感と共に、
元気で長生きするために、
ご自身の健康チェックをしてみて下さい。

そのUDフェアーの会場から目と鼻の先に位置する、私たちが待ち望んだ、重度高齢化対応の
グループホーム「えみのき(咲の樹)」がいよいよ完成です。
完成にあたり、4月26日(木)には竣工式が執り行われ、その後の一般見学会(本誌13ページに案内文記載)や入居予定者の体験を経て、グループホームの本格的な運営が始まります。

当施設はご存知の通り、20人(10+10)のグループホームと、10床のショートスティ、加えて、
指定特定相談事業所も兼ね備えており、かつて「障害者総合支援法」の成立の際の付帯決議で突如として登場し、
一時、話題の的であった「小規模入所施設」や、また、障害者が住み
慣れた地域で暮らしていくために、国が推奨している「地域生活支援拠点」をも彷彿させる施設であり、
今、全国の育成会の間でも大きな注目を集めております。
グループホームの募集にあたっては、20人の定員に対して、84名もの方からの応募があり、
第2第3の住まいの場の必要性を強く感じております。

この度、「えみのき(咲の樹)」は無事完成し安堵しておりますが、これは決してゴールではなく、
むしろスタートです。「えみのき号」の船出を見送った私たちは、早急に「第2えみのき号」の
船出の準備をせねばなりません。新緑福祉会と育成会はもちろん、関連4団体、そして会員の
皆さんが一丸となり、二つ目の「夢」の実現に向け共に頑張りましょう。ご協力どうぞよろしく
お願いいたします。
そして、最後のお話ですが・・親なきあとに向けての対策には、ハード面とソフト面があります。
住まいの場の創設は前者のハード面となりますが、後者のソフト面についても、今後、重点的に
取り組んでいかねばなりません。
それは、知的障害についての理解を得るための啓発活動です。
親なきあとに向けての住まいの場の整備はもちろん急務ですが、しかし、グループホームをはじめ、
何か障害者関連の施設を建設したくとも、必ずと言っていいほど地元の反対という大きな壁が立ちふさがり、
計画を立て準備したにも関わらず、反対の声が収まらず、断念せざるを得なかったというケースも珍しくありません。
今回の「えみのき」は、しあわせの村という立地条件であったため、さすがに反対はありませんでしたが、
今後は、そういったことも視野に入れ取り組まなければなりません。
飛び跳ねたり、一人でブツブツ喋ったり、奇声をあげたり、
人をじっと見たり・・・どれも一般の方から見ると奇異な行動に映り、
「何をするかわからない」という先入観を持たれるのかもしれません。
しかし、奇異に思うその行動一つ一つに、実は理由があるということ・・つまり障害特性を、
社会の人々に正しく伝えていくこと、それは、私たち親の責務であると思います。
「障害者差別解消法」が施行されても、相変わらず、あちこちから差別事例が聞こえてきます。
「合理的配慮の提供」が義務付けられても、目に見える障害と違って、知的障害者からはその成果が聞こえてきません。
それは社会の人々が障害について知らない、正しく理解されていないからであり、
またそのことが差別や偏見につながるのです。そんな中、今、全国手をつなぐ育成会では
「知的障害擬似体験・キャラバン隊活動」に多くの育成会が取り組んでおります。
去る1月30日(火)、育成会会館において、近畿各地で活動するキャラバン隊をお招きし
、色々なパフォーマンスを披露いただきましたが、次はいよいよ私たち神戸の出番です。
本誌11ページに記載の通り5月15日(火)に当会館において、立ち上げに向けての研修会を行います。

当日は、本活動に行政・市社協・市民の皆様をも巻き込んで、学校・民生委員・警察・企業等で幅広く活動し、
また全国各地の育成会では立ち上げ講座も実施されている兵庫県のたつの市育成会「ぴーす&ピース」の皆さんに
お越しいただき、ご指導いただきます。実によく考えられている色々なメニューを是非ご覧下さい。
大勢の皆様のお越しをお待ちしております。
「人前で話すのは苦手」な方には、活動で使用する小道具作りや、当日の資料配布や回収といったお仕事もあります。
皆で役割分担をして取り組むことに意義があり、その熱意が周りの人の心を変えていくのではないかと思います。
障害者差別解消法には、「国及び地方公共団体は差別の解消を図るため必要な啓発活動を行うものとする」という
文言があり、まさに障害理解のための啓発活動は、自治体の必須事業として義務付けられているのです。

今年度、キャラバン隊を立ち上げ、神戸市行政・市社協の皆さんをも巻き込んで、活動していきたいと思います。
大勢の皆様のご協力をお願いいたします。

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第360号~~平成30年4月・・障害福祉にとって大きな節目となります~
2018 / 04 / 04 ( Wed )

 冬季五輪としては、史上最高の13個のメダルを獲得したピョンチャン大会の興奮も冷めやらぬ中、3月9日からは、
いよいよパラリンピックの開幕です。
この機関紙が皆様のお手元に届く頃には大会も終了していますが、日本選手団の活躍(健闘)と共に、
何よりも、温かい声援に包まれた大会になることを切に願います。
さて、障害福祉の歴史において大きな意味合いがあり、「キーワード」となると思われる「平成30年4月」が、
いよいよ近づいてまいりました。
平成30年4月からは、今年度議論された報酬改定のもと、
3年後の見直し法案が施行され、新たなサービスや制度が始まるのです。
「難しい話しはやめて」という声が、あちこちから聞こえてきそうですが、今回の改革は、今後の本人たちの生活全般に、
大きく関わってくるものばかりとなりますので、現地点での「障害福祉の動向」について、出来る限り分かり易く、
そして、厚労省の説明会では聞くことが出来ない「裏話」や、また課題等も含めて語りたいと思います。どうかお付き合い下さい。


 まず、今年度「報酬改定」という言葉を度々聞かれたことと思いますが、簡単に言いますと、
福祉サービス等に係る報酬ということで、事業所に支払われるものであり、介護・障害とも3年に一度改定されます。
改定率の増減によっては、サービスの向上・低下にもつながりますので、ニーザーである私たちにとって、
大変身近な問題となります。
社会保障費抑制の中で、今回、障害福祉はマイナス改定になると危惧されておりましたが、
全国手をつなぐ育成会の久保会長が中心となり、障害種別を超えた25団体が連携し、声を上げた結果、
プラス0.47%改定となりました。
「たった、それだけ?」と思われるかもしれませんが、上積みされた報酬額は、実に60億円に上るそうです。

 次に「3年後の見直し」についてです。平成25年4月に施行された「障害者総合支援法」ですが、
施行後、3年を目途に見直しが行われることとなっており、昨年、新たな制度やサービスが創設されました。
一部、先行して行われたものもありましたが、殆どが報酬改定に合わせた平成30年4月から始まります。
では、私たちに身近に関係するものをいくつか紹介してまいります。

 まずは、障害者の重度化・高齢化に対応できるグループホーム(以下GH)の新たな類型として「日中サービス支援型GH」が
創設されます。これは、1つの建物への入居が20人まで認められたGHで、
地域における重度障害者の緊急一時的な宿泊の場を提供するため、短期入所の併設も必置とされております。
そして従来のグループホームより手厚い世話人の配置(割合は利用者の支援区分による)と共に、
夜間・深夜の時間帯や昼間についても、1名以上が従事することとなっており、今後は、病気をしたり加齢によって仮に、
日中活動の場に通えなくなっても利用が可能となります。
まさに入所施設の機能を兼ね備えた新しい形のGHが誕生することになります。

次に、65歳問題に関係する「共生型サービス」についてです。
障害福祉サービスと同等の介護保険サービスがある場合は、介護保険優先の原理のもと、
65歳になれば介護保険に移行することとなっていますが、慣れ親しんだ事業所を変わることや、
また1割負担を伴うという課題がこれまで指摘されていました。
そこで、居宅介護・重度訪問介護、生活介護、短期入所等のサービス(GHについては、介護は認知症のみのため入っておらず)を行っている障害福祉サービス事業所が介護サービスを併設出来る仕組み(その逆もあり)を導入することにより、
引き続き同じ事業所に通所することが可能となります。しかし事業所は同じでも、介護保険利用のため要介護認定が必要ですが、知的障害の場合は要介護度が軽くなることが多く、サービス量の低下も考えられます。
また逆のケースについては、介護保険の事業所がどれだけ障害を理解できるのかということが懸念されますし、あろうことか、
「障害者を抱え込むことで経営が安定する」等の話題も出ているそうです。
更には、近い将来の介護+障害の一元化に向けての第一歩では?という声も聞かれます。

 そして、1割負担については、一定の高齢障害者に対し、軽減(償還)出来る仕組みが設けられますが、対象者は65歳に達する日以前の5年間にわたって上記のサービスを利用し、支援区分が2以上の低所得者となっております。
その他、短期入所の長期間利用について、かなりの制限が設けられ、連続利用は30日で、1日空けての継続利用は可能とするが、年間利用上限は180日程度となる見込みです。ロングスティへの歯止めに対する策とも思われます。

そして、懸念されている人材不足については、事業所で勤続年数10年以上の介護福祉士(障害福祉人材も)に対し、
月額平均8万円相当の処遇改善を1000億円投じて2019年10月(消費税率引き上げ後)から実施するそうです。
最後に、障害者団体からの反対により食事提供加算の廃止を撤回した厚労省ですが、
廃止による310億円はGH等に充てられる予定だったそうです。

その他、重度訪問介護の対象先の拡大や、自立生活援助等、まだまだお伝えしたい事は山ほどありますが、
またの機会とさせていただきます。
平成30年4月、平成の大改革とも言うべき新しい障害福祉の幕開けです。本人たちにとって、
より良き制度・サービスとなるよう、次回33年度の改正に向け、声を上げていきたいと思います。   
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第359号~キャラバン隊、大盛況でした! そして、大ヒット曲“糸”起用の訳は?~
2018 / 02 / 25 ( Sun )

  例年の冬にはあまり聞き慣れない“数十年に一度の寒波”そして“記録的な大雪”と、今期は、こういった言葉をいったい何度耳にしたことでしょうか。各地で被害が続出し市民生活にも影響を及ぼしているようですが、本誌が皆様のお手元に届く頃には、春の気配が感じられる日々であることを祈りつつ、今月も『ひとりごと』をしたためたいと思います。

 まずは、1月30日(火)開催のキャラバン隊の研修会、無事終了しました。当日は近畿各地からの育成会会員はもちろんですが、神戸市障害福祉・支援
課をはじめ、神戸市社会福祉協議会、障害者地域生活支援センター等の方々も大勢お越しいただき、実に150名を超える参加者が会場を埋め尽くしました。 
今年度、札幌で開催された全国大会の特別分科会でも同じ内容で行われましたが、嬉しいことに、その参加者を遥かに上回るものとなりました。

 今回の研修会は、今までなかった知的障害者の擬似体験活動ということで、斬新で画期的な取組みのため、会内外から注目を浴びましたが、研修会を実施した一番の成果は、近畿各地の会員がキャラバン隊の必要性を認識し、立ち上げに向けて意欲を示してくれたことに尽きると思います。
当日、お越しいただいた全国手をつなぐ育成会連合会の久保会長には、キャラバン隊活動のモデルとなる冊子の作成や、養成講座の開催等、立ち上げに向けての具体的な方策もお願いしました。この活動が、全国手をつなぐ育成会の一大プロジェクトとなる日も、そう遠くはないと思います。当会としては来年度の立ち上げに向けて研修会等を開催し準備を進めたいと思います。親あるうちに1人でも多くの理解者を得るため共に頑張りましょう!ご協力のほどよろしくお願いいたします。なお、当日の報告については4ページから6ページに掲載しておりますので、ぜひお読み下さい。

 年が明けて、大きな行事が続くのですが、この研修会の前の1月27日(土)に松端会長が束ねる神戸市知的障害者施設連盟と共催の「ふれあいステージ」を行いました。19回目を迎える今回は、KSCアロハハワイアンズと神戸龍谷中学校・高等学校吹奏楽部の皆さんにお越しいただきました。

 吹奏楽部の演奏で、中島みゆきさんの大ヒット曲「糸」を聞きましたが、演奏の前に司会をされていた学生が、「糸」の歌詞を朗読し、「この曲は、人と人とのめぐり逢いの歌です」との紹介がありました。
この曲は1992年に発表されましたが、その後、様々なアーティストがカバーし、またCMにも起用され、25年経た今でも、カラオケや結婚式でよく歌われているロングセラーですが、しかし皆さんご存知でしょうか?この大ヒット曲「糸」は1998年に放映された知的障害者への虐待を描いたドラマ「聖者の行進」の主題歌でもあったのです。

 このドラマは、実際に起こった「水戸アカス事件」を基に野島伸二氏が脚本を手がけましたが、暴力・性的虐待の場面がすさまじく、視聴者からは苦情が殺到し、スポンサーが降板する事態にもなったそうです。けれども平均視聴率は20%を超えていたそうですので、社会的にも注目されていたドラマであったことには間違いないと思います。
当初、私もこのドラマを見ていたのですが、余りにも惨たらしい暴力シーンの連続に、恐怖、悲しみ、怒りと様々な感情が押し寄せ、それらの場面が当時17歳の障害のある息子の姿と重なってしまい、見ることは出来ませんでした。
「水戸アカス事件」とは、1995年、茨城県水戸市にある段ボール加工会社の「アカス紙器」で実際に起こった出来事です。

 この会社では、積極的に知的障害者が雇用され、社長は地元では名士として尊敬されていました。しかし、障害者雇用による国からの助成金を受け取りながら賃金を支払わず、詐欺容疑で逮捕されました。そして捜査過程において、長年にわたり、従業員である知的障害者を虐待していたことが発覚したのです。
当時の記事を読むと、角材やバットで全身を殴ったり、角材をはさんだ膝の上に漬物石を置いて長時間座らせるなど、まるで拷問の様な行為が繰り返されていました。食事は満足に与えられず、そして、女性には頻繁に強姦が行われていたそうで、彼らは長きにわたり地獄の様な苦しみを味わっていたのです。
この件に関する捜査は開始されましたが、被害を受けた日時や状況を正確に証言出来る被害者(障害者)は少なく、腹立たしいことに、詐欺以外のほとんどの事件は立証されずに不起訴となってしまったのです。
「あなたは、本当に、障害者を同じ人間として接することができますか」という差別的にも聞こえる「問い」を投げかけた脚本の野島氏ではありますが、彼は、純粋な心を持つ知的障害者を題名の「聖者」になぞらえて、「聖者の行進」というタイトルをつけたそうです。
 そして番組の主題歌として、恋人同士の出会いが謳われていると感じられる「糸」を起用したのは何故なのでしょうか?
「糸」編に「半」と書けば、「絆」になります。「縁」も糸編です。「糸」とは、つながりを現す文字であり、野島氏は人と人との「つながり」の大切さを訴えたかったのかもしれません。(実際は、聞いてみないとわかりませんが・・)
人と人とのつながりが薄れている現代ですが、人々は、やはり、そういったつながりを求め、25年経た今でもこの曲を歌い続けているのではないかと思います。これからカラオケで「糸」を歌う時、悲しい事件があったこと、そして、つながることの大切さを思い出して下さい。   
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第358号~新年早々ですが・・・非常に「重い」テーマを考えてみたいと思います。~
2018 / 01 / 22 ( Mon )

              
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて平成30年を迎えた初めての「ひとりごと」ですが、まずは今年度中、1月から3月までの3か月間に行う3つの研修会のお知らせから聞いて下さい。
まず一つ目は、度々ご紹介させていただいています1月30日(火)に行う「疑似体験・キャラバン隊活動」の研修会が、いよいよ近づいてまいりました。
この活動は、言わば「車椅子・アイマスク体験」の知的障害者バージョンで、実際に参加者に障害特性を体験していただくことにより、知的障害についての理解を深めるためのものですが、加えて、本人の想いや気持ちも体感できるメニューもあり、親である私たちが疑似体験することにより、「こんな気持ちだったんだ」と気づかされ、そして反省させられる場面もあります。ちなみに当日は、神戸では老舗の大手メーカーの美味しいお弁当も用意しておりますので、お気軽にご参加いただけたらと思います。
「ちょっと行ってみようかな~」と思われる方は、是非とも事務局(515-5242)まで、お電話にてお申込み下さい。

二つ目は、重度高齢化対応のグループホームの運営をされている国立のぞみの園より講師をお招きし、2月15日(木)16日(金)の二日間にわたって研修会を行います。ご案内については、〇〇ページに掲載いたしておりますが、今回は、法人の理事長である遠藤浩氏にもお越しいただきます。厚労省にいらした遠藤氏ならではの、制度を絡めた有意義なお話が聞けるのではと思います。

最後のお知らせは、親なきあとの準備の一助となり得る「家族信託」についてです。これは遺言や成年後見制度が抱える課題に対して、有効に対処できる新たな取り組みとして現在注目されております。○○ページでも予告掲載しておりますが3月〇〇日に実施いたします。ご案内は、次号の本誌に掲載いたします。日程のチェックと共に大勢のご参加をどうかよろしくお願いいたします。


 さて、いよいよ本題に入りたいと思います。皆さんは、昨年10月から12月まで放送されていたドラマ「コウノドリ」をご覧になったことがありますか?
「コウノドリ」は、ハイリスクな出産に対応する周産期医療センターを舞台に、様々なリスクを抱えた妊婦と、それを支える医師たちの奮闘を描いた人気ドラマですが、最終回前に、2回にわたって「出生前診断」が取り上げられ、大きな反響を呼びました。
「出生前診断」とは、妊娠中に胎児に障害がないかを調べる血液検査や羊水検査のことで、対象となる3種類の疾患の中に、21番目の染色体異常である「ダウン症」が含まれております。

私たちが若い頃によく耳にした妊婦のお腹に針をさして行う「羊水検査」は、流産の危険性も伴っていたそうですが、3年前から導入されているという「新型出生前診断」と呼ばれる血液検査は、リスクもなく比較的容易に行えるため検査を受けた女性は実に2万人を超え、異常が確定した人のうちの96.5%にあたる334人が中絶を選んだそうです。まだ本格的な導入ではないそうですが、このまま安易にこの検査が広まっていくことには、不安を覚えます。

親であれば「知る権利」は当然あるかもしれませんが、それ以前に、宿った大切な命のために、「知る意味」をしっかり考えることが必要であると思います。
さて、ドラマでは、胎児がダウン症であると診断された二組の夫婦が登場しました。子どもが生まれる前に、生むか否かを親が決めてしまう、正に「命の選別」ともいうべき非常に重い問いかけに対し、一組は出産を、そして、もう一組は中絶という道を選びました。

この結果を受けて、主人公である産科医の「検査を受ける人、受けない人、生む人、生まない人、どの選択も間違っていない、間違っていなかったと思えるように、産科医として、家族と一緒に命と向き合っていくのが僕たちに出来る事、でも僕は赤ちゃんが好きだから・・」というような意味合いのセリフがあったのですが、このドラマは、「出生前診断」や「中絶」を安易に否定や肯定するのではなく、むしろ「視聴者一人ひとりが真剣に考えてみて下さい」という、そんなメッセージを発信しているかのように、私には受け取れました。

確かに、障害のある我が子を安心して託せる社会ではありません。子育ても大変かもしれません。また、障害者に対する差別や偏見も存在します。だから障害がある子は可哀そう、兄弟も大変、そういった様々な理由から、先天性の異常があると判明すると、多くの人が中絶を選ぶのかもしれません。けれども、我々の子供たちの存在価値を否定されているようで、非常に悲しく思います。
でも、悲しんでばかりはいられません。「親あるうちに」この状況を少しでも打破しなければなりません。障害者に対する差別や偏見を無くすためには、社会の人々に障害特性を知ってもらうことが第一です。それには、冒頭でも言いましたが、「キャラバン隊」等を通じて理解を求めることが大変重要です。

 そして、障害のある子を持つ親として声を大にして言いたいこと、それは、障害のある子どもがいても私たちは決して不幸ではありません。健常な子どもを育てていても味わえない喜びもあります。本人たちもそうです。障害ゆえの生きづらさはあっても、周囲の配慮があれば軽減することもできます。みんな精一杯生きているのです。それを伝える一環とも言える「第1回こうべ障がい者芸術フェスタ」が1月25日(木)から28日(日)まで神戸KIITOで行われます。詳細は本誌○○ページをご覧いただき、450点にも及ぶ本人たちの力強い作品(叫び)を是非聞いて下さい。    
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第357号 ~振り返ってみると・・・昨年と同様、今年もやりきれない気持ちです。~
2017 / 12 / 21 ( Thu )

  毎年、師走の声を聞くと「流行語年間大賞」が発表されますが、今年は「インスタ映え」と共に「忖度」が選ばれたそうです。
森友・加計学園問題で、今年の政界を揺るがす象徴となった「忖度」ですが、聞き慣れない言葉で、読めないし意味も分からないという方が大勢いたのではないかと思います。現に、海外メディアへの会見中に、
「忖度」の適切な訳し方に戸惑い、一時、通訳が止まってしまうというハプニングも発生したそうです。
初めて目にした「忖度」という言葉を調べてみると、「相手が何を求めているのか考える」
「他人の心を推し測る」というのが一般的なのですが、
「何も言われなくても相手のことを思って行動する」という意味も含まれているのです。

これを聞いて、皆さん、「障害者差別解消法」で謳われている「合理的配慮」の理念に相通じるように思いませんか?
「合理的配慮」とは、基本、配慮を求める意思の表明という大前提があってからの対応ですが、
一方で、例え意思の表明がなくとも、配慮が必要なことが明らかであれば、
障害のある人に適切だと思われる配慮を提案するということも含まれているのです。

正に、「合理的配慮」は、「忖度」の同義語や類義語と言っても過言ではないと思いますが、
悲しいかな、法律自体も、ましてや「合理的配慮」という言葉も、まだまだ一般的には浸透していないのが現状です。
現段階において「合理的配慮」は、社会の人々にとって「忖度」と同様に、
「何という意味なの?」の域から脱していませんが、障害のある人もない人も共に生きる「共生社会」の実現に向けて、
この理念を周知していくことが大切であると痛感しました。


 さて年末が近づき、今年を振り返ってみますと、昨年と同様に、本人が巻き込まれた腹立たしくて切なくて、
やるせない事件が相次いで起こりました。
まずは、4月に宇都宮市の知的障害者施設「ビ・ブライト」で、入所者の男性(28)が当時の職員2人に暴行され、
腰の骨を折るなどの重傷を負った事件がありました。
無抵抗で「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣き続ける被害者に対し、2人は何と30分間にもわたって殴る蹴るの暴行を
加えたのです。その光景を思い浮かべると涙があふれます。鬼畜としか言いようがありません。
暴行を加えた職員は、25歳の女性と22歳の男性で、女性の方は、この事件後の同年8月にも、
同じ社会福祉法人運営の他施設において、入所者の57歳の女性に、またしても暴行を加え、全
治20日のけがを負わせたそうで、反省の気持ちは微塵もなく、あきれるばかりです。
一方、男性の方は、施設の入所者でありながら職員を補助する形で働いていたそうで、詳細はわかりませんが、
同じ障害者でありながら、何ともやりきれない気持ちで一杯です。

 そして問題は、これだけに留まらず、施設長や県警OBの職員数名が、証拠隠滅の疑いで逮捕・書類送検されたそう、
組織ぐるみでの隠ぺいが疑われます。
12月1日に宇都宮地方裁判所で開かれた元職員に対する裁判で、検察は、女性には2年6か月、
男性には2年の懲役を求刑したそうです。まもなく判決が言い渡されると思いますが、
施設名の「ビ・ブライト」の意味である「輝く」にはほど遠い運営がなされ、腹立たしい限りです。

 そして、もう一つは、7月、埼玉県上尾市の障害者支援施設「コスモスアース」で、
男性利用者(19)が送迎用のワゴン車内に午前9時頃から約6時間放置され、熱中症で死亡した事件です。
この日、利用者の降車確認は運転手1人が行い、更には、食事時間等、1日に5回も出欠確認があったにも関わらず、
利用者の不在を問題視しない(気づかない)とは、なんというお粗末な運営なのでしょうか。
おまけに、正にこの事故の発生当日、厳密には午後1時半頃に、
同法人の理事長(75)が施設内で女性職員にわいせつな行為をしたそうです。
この事が発覚したのは、熱中症による死亡事故の捜査中に被害女性職員からの訴えがあったからです。
この理事長は、埼玉県の健康福祉部長や大学講師を歴任し、今年4月には叙勲まで受け、
そして事故当時は施設の管理者という立場であったと聞いております。
この事件と死亡事故との関連はないかもしれませんが、何とも嘆かわしい限りです。

 炎天下の灼熱地獄の中で、助けも求められず、苦しみながら、19年という短い生涯を終えた男性のことを思うと
胸がしめつけられます。ちなみに埼玉県議会では、同施設のNPO法人の指定取り消しを決めたそうです。
暗い話が続きましたが、当会のこの1年を振り返りますと、結成60周年の記念式典を実施しました。
そして、悲願であった重度・高齢化対応の住まいの場であるグループホームをしあわせの村内に建設する運びとなりました。
事前に行われた説明会には160名を超す大勢の参加があり、そして84名もの方の応募がありました。
今後、面接や体験等で入所者が決定しますが運営に関しては、社会保障費抑制の中で、平成30年度の報酬改定において、
果たしてどれだけの加算や人員配置があるのか。

 また、社会的な問題となっている人材不足は?と、厳しい状況が予想されます。
それぞれの立場での役割分担があると思いますが、「親あるうちに」親ならではの力を発揮し、来年も進んでいきたいと思います。引き続き、ご支援ご協力のほどよろしくお願いいたします。        (会長  後藤 久美子)
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