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第297号 ~地域で安心・安全・豊かな生活を~
2012 / 07 / 30 ( Mon )
                  神戸女子大学健康福祉学部社会福祉学科
             
                                植戸 貴子

 この夏、神戸では計画停電のお知らせが届き、皆さんのご家庭、学校、施設、事業所などでも、いろいろな節電の工夫をされていることと思います。特に、環境の変化が苦手な方や体調を崩しやすい方にとっては、かなりしんどい夏になりそうですが、何とか無事にこの夏を乗り切って頂ければと願っています。

 さて、先月、障害者自立支援法が改正されて「障害者総合支援法」が成立し、平成二十五年四月から施行されることになりました(一部、平成二十六年四月施行)。この「障害者総合支援法」は、「地域社会における共生の実現に向けて」「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する」ことを目指しています。

 この10年ほどの間、障害者福祉の法制度が目まぐるしく変わり、そのたびにいろいろな問題を感じることは多くありましたが、この「地域で普通の生活を」という動きは徐々に進んできたと感じます。国や自治体もこの「地域生活移行」に力を入れていて、施設を出てアパートやグループホームなどに住まいを移した方が生き生きと豊かに暮らしておられるのは、本当に喜ばしいことです。


 そのような中、もう一つ大切なことは、「地域でご家族と一緒に暮らしてきた方々が、これからもずっと地域で安心・安全・豊かに暮らし続けるための支援」(地域生活継続支援)だと思います。非常に悲しいことですが、最近、障害児・者と家族の孤立死の報道が続きました。子育てに悩む親が増えている今日、子どもに障害があれば、親の不安や悩みは一層大きく深いでしょう。
 思春期・青年期になれば、子どもの行動にも変化が出てきて、家族だけでは対応しきれないと感じるかもしれません。親自身が病気や高齢になると、子どものケアを誰に委ねればいいかという課題は、目の前のこととして迫ってくるでしょう。

 そこで重要なことは、地域の支援体制を整えることです。従来の「地域は自由、でも不安」を「地域は安心、かつ自由で豊か」にしていくことです。本人をしっかり支えることのできる地域をつくることが、本人やご家族の安心につながるでしょう。 
 
 そして本人の成長に伴って、ご家族が本人のケアを地域の支援者に少しずつバトンタッチしていくことが大切だと考えています。私も微力ではありますが、「本人の安定した豊かな地域生活」の実現のために、お手伝いをさせて頂きたいと思っています。
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