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創立五十周年で思うこと
2013 / 02 / 22 ( Fri )
神戸市立青陽西養護学校
              
              校長 山口 正晃




本校及び青陽東養護学校は今年度創立五十周年を迎え、両校ともに昨年創立五十周年記念行事を執り行いました。
 本校は西舞子小学校の体育館をお借りして十一月のせいようさいに合わせて記念式典を行い、神戸市教育委員会を始め多数のご来賓の方々にご出席賜りました。中でも第八代、第九代の校長先生にお越しいただけたことに大変感動しました。
 

また、創立五十周年を迎えることで創立十五周年記念詩と三十周年記念詩に目を通し青陽西の歴史に触れさせていただく機会を得たことを大変ありがたく思います。本校が青陽西養護学校としてスタートするのは昭和四十七年ですが、開校はさらに九年前に遡ります。


 昭和三十八年四月、兵庫県下で最初の知的障害養護学校として、青陽養護学校が現在の神戸
市中央区小野柄通りに設立されました。
 この学校が本校と青陽東養護学校の前身です。設立当時の知的障害養護学校の数は全校で三十四校、近畿圏内では大阪府に三校しかありませんでした。ですから開校当初から青陽養護学校は、知的障害教育分野についての研究・実践のセンターとしての役割を必然的に担っていました。

 学校創設以来校内では、先生方が子どもたちの指導に試行錯誤を重ね、授業を通しての研究に重点をおき、全ての教員が研究授業を行ったようです。そして、研究討議を重ねるとともに、事例研究の時間も多く取って、一人一人の子どもについて細かく討議し、子どもの理解に努められたようです。

 開校当時、神戸市教育委員長であった木戸只一先生は、青陽養護学校が創立三周年を迎えるにあたり、青陽のあゆみを次のように書かれています。

 『青陽養護学校は、スタートからいばらの道でした。ただ幸いであったのは、このいばらの道を開拓するのに最もふさわしいよき人を得たということです。 青陽養護学校の三カ年の歩みは、日本のどの地方にも、どの学校にも見られない独創的なもので全く開拓者精神によるものでした。
 それは、すべてが児童のためにする経営であり、地域に密着した学校運営でした。これこそ笹倉校長さん以下の先生方の苦心の作です。

 
 私は、特殊教育という未開の土地が、今や徐々に沃土となっていることを思い、関係者の不断の精神に、心から感謝しています。』
 創立十五周年記念誌の中に掲載されているこの文章を読ませていただいたときは、当時の青陽養護学校の校長先生以下、すべての先生方の情熱が伝わってくるようで、身が引き締まる思いがいたしました。
 この五十年の間に障害児教育分野で、『養護学校義務教育化』、『特別支援教育』という二つの大きな制度改革がありました。



 そして現在は『インクルーシブ教育』について検討が重ねられています。
 今後も特別支援教育の在り方については議論が交わされることでしょう。時代のニーズに応じた学校経営が求められことは必至ではありますが、先人達がこれまで積み上げてこられた実績からも学ぶ姿勢を忘れず、心ゆたかで、たくましい青陽西っ子を育てていくことに十六代校長として尽力していきたいと思います。
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