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第375号~「ヘルプマーク」の効果でしょうか?とっても素敵で嬉しい話ですよ!~
2019 / 06 / 24 ( Mon )
                  
 今月号は、皆さんにお伝えしなければならない記事が大変多く、前置きなしで、
早速そちらからお話しさせていただきたいと思います。
 初めに、5ページに、全国手をつなぐ育成会連合会(以下:全育連)に提出の「国への要望書」を掲載しておりますので、
ご覧ください。
 今年度は、各々の育成会の要望事項を取りまとめ、国に提出するという従来の方式と異なり、
あらかじめ、全育連で作成された要望書のたたき台に、意見を加筆・修正するという方法で行われました。
また締め切りについても、例年より1か月程度早かったため、皆さんから出された国への要望事項は、
残念ながら盛り込むことは出来ませんでした。 

今回の要望事項は、住まいの場について、人材確保、そして65歳問題です。
住まいの場の1点目は、今後、重度高齢化の本人たちの住まいの場の主流となるグループホームについて、
昨年度、新たに創設された「日中サービス支援型グループホーム」も含め、報酬単価の引き上げを要望しました。
2点目は、障害者を含むハイリスク者が、空き家・空き室に入居することを拒まない貸主さんに登録していただき、
入居希望者があれば、マッチングを行うという制度が創設されましたが、まだまだ浸透しておらず、
貸主さんに向けて、この制度の周知と共に、
ハイリスク者に対しての理解を深めていただけるような働きかけのお願いをしました。

本人たちが希望する住まいの場については、障害の状況や程度によりまちまちで、
「えみのき」の様なグループホームを望む方もいれば、軽度者が主流の従来のグループホームを
希望する方もおられます。
 そして一人暮らしを望まれる方もいます。一人暮らしの選択肢としては、ご自宅やサテライト型、
アパートを借りて等、様々ですが、この制度は中軽度の知的障害者の住まいの場の一つとして、
また、社会的な問題にもなっている空き家・空き室の有効活用にもつながり、大いに期待されると思います。

福祉現場での課題である「人材確保」については記載の通りです。
65歳問題については、介護保険に移行したサービスについて、支給量が低下しないための「上乗せ」を、
現存の自治体の裁量ではなく、国の責任として取り組んでいただけるよう要望いたしました。

なお、神戸市への要望書については、皆さんからお寄せいただいた要望事項を
まとめて7月末までには提出いたします。
次に、9ページに新緑福祉会からのお知らせで、グループホーム入居者募集の案内です。
場所は、「白川台ホーム」と「えみのき」です。
「えみのき」については、20人定員の内、1名の方が病気で退所されたための欠員補充で、
「白川台ホーム」については、須磨区白川台の県営住宅で、以前より
女性限定のグループホームを運営されておりますが、若干の空きが出たための募集です。
女性のグループホームは神戸市内でも数が少なく、現に、最近聞いたケースでは、会員が急死され、
残された子女(女性)は一人暮らしが困難なため、グループホームをあちこち探したものの、空きがなく大変だったそうです。
親なき後、本人が困らないように、そして、何より本人のために、「親あるうち」に準備しておくことが大切です。
興味のある方は、どうかお問い合わせ下さい。

 続いて、10ページの「第3回こうべ障がい者芸術フェスタ HUG+(ハグ・プラス)展2019」のお知らせです。
市内在住の本人たちの約530点もの作品が兵庫県立美術館に、所狭しと展示されています。
6月22日から26日まで開催されています。力作に感動し、また、お知り合いの作品に出会えるかもしれません。
お散歩がてら是非お出かけになってみて下さい。

 最後に、最近、新聞やテレビでも取り上げられ、SNS上でも話題になった「嬉しい話」です。
先月29日夕、東京池袋の駅で、ICカードの残高不足で帰宅できなくなったダウン症の男子生徒(以下:A君)に、
高齢の夫婦が、「困っているならこれを使って」と、1000円札を手渡し、黙って立ち去ったそうです。
今春、都内の支援学校高等部に入学したA君は、母親の付き添いで、電車通学を始めました。
少し、慣れてきたので、待ち合わせ場所を決め、落ち合っていたそうですが、
当日、学校が早く終わったため、待ち合わせ場所で母親とは出会えず、A君は、一人で山手線を乗り継いで、
池袋まで行ってしまったそうです。
なぜ池袋に行ってしまったのか、母親の話によると、以前に「早く帰れる時は池袋に行こうか」と話した事があり、
A君は、待ち合わせ場所に母親がいないので、先に、池袋に行ってしまったものと勘違いし、
自宅には戻らず池袋に向かったそうです。駅で2時間程度待っていたA君は、疲れてしまい帰ろうとしたのですが、
ICカードの残高はわずか数円で自宅には戻れず、改札前で立ち往生していたそうです。
そんなA君に老夫婦が「これでチャージしておいで」と、1000円札を差し出してくださったのです。
1日、10万人以上の乗降客があるという大都会のターミナル駅での出来事に、
ツイッターでは「気持ちがほっとします」や、「殺伐とした世の中、捨てたもんじゃない」等、
温かい投稿が相次いでいるそうです。
A君は、「ヘルプマーク」を付けていたそうですが、それを知ってか知らずか分かりませんが、
老夫婦には、ただただ感謝です。そして、その老夫婦に対して寄せられた多くの称賛の声もまた、大変嬉しく思います。
障害者がいる社会、そして障害者に優しい社会、それは紛れもなく温かい社会であり、
誰もが住みやすい社会になるのです。そんな社会を多くの人が実は望んでいる、老夫婦の行動に対する称賛の声が、そ
れを如実に物語っています。その事を多くの人に気づいて頂き、そんな社会に少しでも近づけること、
それは私たちに与えられた命題であると思います。
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