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第380号~多くの会員が苦労していると思います。絶大なるご協力をお願いします~
2019 / 11 / 19 ( Tue )
 先月、10月11日(金)から13日(日)まで、第19回全国障害者スポーツ大会の視察団として2泊3日で
茨城県へ行く予定でした。
全国障害者スポーツ大会とは、国民体育大会終了後、その開催地で行われる大会で、私も会長になって以来、
東京、長崎、和歌山、岩手、愛媛、福井と行かせていただきました。
どの開催地においても、多くの地元の方々がボランティアとして大会を支え、本大会は、障害者理解への一翼を担った
ビッグイベントであると言っても決して過言ではないと思います。

また、今回の大会では、陸上、水泳、ボーリングに3名の会員子女が選手に選ばれ、
その活躍をとても楽しみにしておりましたが、台風19号の接近により大会は中止となってしまいました。
非常に残念ではありましたが、台風の進路や大きさ等考えると当然の事であり、
選手達には、また、来年の鹿児島大会に向け頑張ってもらえたらと思っておりました。

ところが、一夜明け、テレビの画面に映しだされた被災地の光景には言葉を失いました。
堤防が決壊し氾濫する千曲川、その他にも多くの河川が氾濫、まるで溜池のようになっていました。
あちこちで土砂崩れが起こりましたが、何と、土砂災害警戒区域に指定されていない場所でも、被害が相次いだそうです。
道路は寸断され、家屋は倒れ、わずか数時間の間に、まさかあれほどの大きな被害を及ぼすとは思いもしませんでした。
本年8月の九州北部での豪雨、9月は千葉県を中心とする台風15号、
そして立て続けに10月には19号と、短期間の間に次々と激甚災害が起こりました。

温暖化の影響?とも言われておりますが、いったい日本列島はどうなっているんでしょうか?
大きな災害が起こる度に、一番気がかりなのは障害のある本人たちです。
今、全国手をつなぐ育成会では、19号の被害状況把握のための調査中で、全容は明らかにはなっておりませんが、
多くの支援学校や福祉関係施設等が浸水したと聞いておりますし、会員宅も含めて、広域にわたっての被害が予想されます。
 25年前の阪神大震災では、障害のある本人たちを避難所に連れて行けず、車中や壊れかけた
家屋で生活せざるを得なかったという方も大勢おられたことと思います。
しかし、その後に起こった「東日本大震災」でも「熊本地震」でも、私たちの時と同じことが
繰り返されました。そして、この度の台風19号でも同じです。
テレビ等では、再三にわたり「命を守る行動を」と避難の呼びかけがありましたが、避難したくとも、
本人を連れては行けないという現実があり、自宅にとどまるというケースも多々あったようです。

阪神大震災の教訓から「福祉避難所」というものがつくられました。
「福祉避難所」とは、災害時に、特別な配慮が必要な方のための二次的避難所ですが、
台風19号による死者や行方不明者が出た13都県38市町村の中では、16市町村が「福祉避難所」を開設したそうです。
あれだけの規模の大災害であったにも関わらず、開設したのは、たった16か所だけ?と驚きました。
国では、各自治体に対し、「福祉避難所」を整備するよう促しているそうですが、
2015年3月に発表された内閣府の調査によると、高齢・障害等事業所と福祉避難所の協定を結んだ自治体は、
全体の45%にすぎないそうです。

 そして、19号で開設した16市町村の避難所のうち、10市町では開設していることを公表しなかったそうです。
非公表の理由は「一般の人が殺到し、必要な人が利用できなくなる恐れがある」ということで、
これは、熊本地震の際、「福祉避難所」に、一般市民が押し寄せるという問題が発生したことがあり、
それを避けるために周知をしなかったそうです。
この問題は、「福祉避難所」が出来た当時からの延々と続く懸念事項であり、どうすれば本来の目的のもと、
「福祉避難所」の運営が出来るのか、その対策が急がれます。

 神戸では阪神大震災以来、幸いなことに大きな災害はありませんが、仮に「南海トラフ巨大地震」が発生したら、
どうなるのでしょうか?
 毎年、神戸市に対して提出している要望書の中には、「福祉避難所」の設置や
一般の避難所の中での専用スペースの確保等、必ず、災害対策についての項目も盛り込んでおります。

 10月末に行われた回答会では(回答会の報告は来月号に掲載)、神戸市では、福祉避難所の指定も既に行われており、
また、一般の避難所の中での専用スペースの確保や、要援護者の状態に応じた受け入れ先の選定等、
今後の取り組みに向けて検討している状況をお話しいただきました。
ただ非常時においては、決められた通りにうまく進まない事も十分考えられます。
いかなる時もそれらが機能するように、あらゆるケースを想定し、細やかな計画を立てて実行して
いただきたいと切に思います。

 本誌4ページに記載の通り、全国手をつなぐ育成会連合会では、台風15号、九州北部水害に加えて、
台風19号に対する義援金のお願いもしております。
 被災地では、自衛隊の設営するお風呂に入りたくても、介助者がいない(母と息子の場合)ため、
雨水の混じった井戸の泥水を使って、自宅のお風呂に入っている人もいるそうです。
また、避難所に行けないので、土砂崩れで壊れかけた家屋に住み続けている人もいるそうです。
被災地では、多くの会員家族が不自由な生活を強いられていると思われます。
私たちに出来る事、それは、一日も早い復旧を願い、少しでも多くの義援金を集めることしかありません。

本誌7ページで案内の又村あおいさんの研修会でも募金箱を設置したいと思いますし、事務局に
は常時設置いたしておりますので、なにとぞご協力をお願いいたします。

 今回の又村さんの研修会は、「障害のある人の暮らしとお金パート2 ~私的備えと託し方~」
と題し、マル優や保険、遺言、信託、成年後見制度諸々を詳しくお話いただきます。
お金の残し方や、そして、せっかく残したお金をだまし取られないよう管理する方法等、是非
ともお聞きき下さい。大勢のご参加をお待ちしています。     (会長 後藤 久美子)
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