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第397号~知的障害者にも優先接種が行われます。そして、もう暫く頑張りましょう!~
2021 / 04 / 20 ( Tue )

令和3年度、新しい年のスタートです。そして、コロナ禍で迎える2回目の新年度となります。
 昨年度は、聞いたこともない「新型コロナウイルス」という得体の知れない厄介者に翻弄され、1年間、思う様な活動が
全く出来ませんでした。
 今年度の活動については、何が実施出来るであろうかと模索している最中、大阪・兵庫を中心とする近畿圏では、
アッという間に感染が再拡大し、連日、過去最多の感染者数が確認されています。この機関紙が皆さんのお手元に届く頃には、
大阪は?、兵庫は?、そして東京等の関東圏では、いったいどんな数字になっているのか想像もつかず、むしろ恐怖すら感じます。

 近畿での感染拡大の最大の要因は、感染力が非常に高いと言われている「英国型」変異ウイルスの出現で、医療体制も逼迫、このままでは医療崩壊も招きかねないと、日本医師会の中川会長は、「これまでで最大の危機」と、強い危機感を露わにしました。
 この様な余談の許さない状況の中、現段階での頼みの綱は、「打つ、打たない」と賛否両論あれども、やはり「ワクチン接種」に
尽きるかと思います。
 医療従事者に続いて、いよいよ今月12日からは65歳以上の高齢者3600万人への優先接種が始まります。1人2回ずつの接種が終わると、次に、基礎疾患のある人への接種に移りますが、厚労省では、対象範囲を広げ、「重い精神疾患」や、そして「知的障害」がある人も加わることになりました。

 この件については、「知的障害者のワクチン接種」について、早々に、国に対し要望書を提出した全国手をつなぐ育成会連合会(以下:全育連)の声が届いた成果かと思われます。
 しかし、実際に、ワクチン接種を行うのは各自治体ですので、先日、神戸市に、ワクチン接種について以下の3点をお願いしました。

① 全育連では、本人がパニックを起こさずスムーズに接種するため、通所している慣れた施設
での集団接種という方法についても要望しておりますが、その場合、本人の状況(アレルギーの有無や基礎疾患等)を支援者が説明するのは難しいと思われるので、保護者同伴も視野にいれてほしい。②接種後の異変について訴えることが困難な人も多くいるため、副反応についての情報を具体的に提供していただきたい。(例:どんな症状があるのか、発熱しても〇〇度以内なら大丈夫、○○の症状が現れれば、すぐに受診等)③知的障害者が接種する際のシミュレーションを細かくイメージし、問題点等、検討いただきたい。・・等々の要望をお伝えしました。

 本人達の接種までには、まだ時間があります。皆さんも接種にあたっての色々な場面をイメージしてみて心配な点がありましたら是非お知らせ下さい。場合によっては国や市にお伝えします。


 次です。今年度・令和3年度の神戸市の障害福祉関連の予算について、5ページに掲載しています。新しい街・神戸の創出や、コロナ禍での厳しい財政の中、人材確保、相談支援の充実、親なき後対策、就労支援等に予算が計上されていますので、ご覧下さい。
そして、こういった神戸市の様々な施策の根底にあるのは、私たち・会員の想い・願いが詰まった神戸市への要望書です。今年度も、想いを伝えたいと思います。本誌10・12ページに掲載していますので、要望事項があれば、郵送またはFAXで育成会事務局までお願いいたします。

 次です。昨年、師走の慌ただしい中、全育連が行った「障害基礎年金に関するアンケート調査」についての報告書がまとまりました。報告書は、18ページにわたるため、要約したものを本誌8~9ページに掲載していますので、ご覧下さい。
 障害基礎年金については多くの方が受給されているとは思いますが、一般就労されている方や軽度の方については、未だに受給されてない方もいるようです。障害基礎年金は、障害の程度や就労の状況で左右されず、「一人で暮らす」ということを基本に、どれだけの支援が必要かが受給の有無につながります。また、知的障害は、精神障害のように変化がないにも関わらず、何度も更新(診断書提出)手続きを行っている方もいるそうで、大きな負担となっております。
そして今回のアンケートからは、暮らしに直結した幾つかの問題点も浮き彫りになりました。これらの結果を参考に、全育連では、国への要望や今後の活動に役立てていきたいと思います。
ご協力いただいた会員の皆さん、お忙しい中、誠にありがとうございました。

 次です。全育連では、国(厚労省や内閣府等)が設置している約40程度の様々な委員会の構成員となり、会員からの意見を集約し発言しています。本誌7ページに久保会長が出席した会議の発言要旨を掲載しておりますので、どうかご覧下さい
 最後に。全育連は、47都道府県と5政令市の育成会が構成する全国的な組織で、会員は10万人と言われています。いつも、お伝えしていますように、国に対しては常に問題提起し、それらが、現在のサービスや制度に活かされていると言っても過言ではありません。
全国津々浦々には、たくさんの障害者団体はあれども、全育連は、それらの団体とは、一線を画した存在であると自負しております。そして、私たち神戸市手をつなぐ育成会も、その一翼として、本人たちの幸せを願って、日々活動しております。
 しかし、残念なことに、この1年間でコロナが収束するとは思えませんので、今年度についても、以前の様な活動、特に、レクレーション的な、密となる様な集まりは難しいかと思います。しかし会員の皆様には、本誌を通して、常に、様々な最新の情報をお届けしたいと思っています。また、当会の最大の目標である「親なき後」に向けての「住まいの場創設」については、現在、出来る事から準備を進めている状況です。

 コロナウイルスは目に見えません。いくら感染対策をしっかりしていても、いつ感染するやも知れません。全国の育成会でも、保護者が本人が感染したという報告も聞くようになりました。きっと辛い想いをされていることと思います。
長引くコロナ禍の中で支部活動も行えず、歯がゆい想いをされている会員さんもおられるかと思いますが、会員の皆様、育成会活動を行うに当たっては、どうか「今、その活動(集まり)が絶対に必要なのか、今でないとダメなのか」をよく考え、判断していただきたいと思います。
 ワクチンが多くの国民に行き渡るまでには、もうしばらく時間は掛かりそうですが、皆が笑って出会えるその日まで、共に頑張りましょう。育成会の灯を絶やさないために、そして何よりも、一番大切な、障害のある本人達の未来のために・・・。        
 (会長 後藤久美子)
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