第408号~3回目、行ってきました!そして、グループホームの危機かも?~
2022 / 03 / 21 ( Mon ) まず始めに、知的障害者理解に向けた啓発活動としての神戸市の取り組みから紹介します。
最終ページにポスターを掲載しています。これは、神戸市内の公共交通機関に掲示されるもので、今回は第2弾となります。 第1弾のポスターについては、昨年度3月号の本誌で紹介しましたが、現在も、地下鉄や市バス、山陽バス等に掲示され、ご覧になった方も多いと思います。 今回は、知的障害者についての理解をより深めていただく観点から、障害特性を明記した活字を大きく見やすくしていただきました。3月25日(金)から、地下鉄・市バスに掲出されるそうですので、どうか、ご覧になってみて下さい。 新型コロナウイルスの新規感染者数の減少速度が想定より遅く、兵庫県を含む18都道府県のまん延防止等重点措置が21日まで延長となりました。それでも一時の事を思えば、新規感染者数も随分減少し、第6波がこのまま収束することを願うばかりですが、3月8日現在、香港や韓国では、過去最多の感染者・死者数に見舞われているそうです。これは、ウイルスの変異が影響している可能性が出てきているのではないかと言われ、警戒が広がっているそうです。 姿を変え、次々に襲いかかってくるウイルスから身を守る手立ては、従来から行っている感染対策(手指消毒、換気、三密の回避→現在では一密でも回避だそうです)の徹底と共に、3回目のワクチン接種と言われておりますが、皆さんは、3回目のワクチン接種は済まされましたか? 私は、ハーバーランドの大規模接種会場(モデルナ)に先月末、行ってきました。 私が3回目接種にモデルナを選んだのは、何より早く打ちたいということと、「ファイザー」のみで3回接種するよりも、「ファイザー」「ファイザー」「モデルナ」の交互接種の方が抗体量が多くなるという専門家の言葉をひたすら信じて、副反応(実は、2回目の接種時にも発熱しました)を覚悟の上で、早急に決断しました。 接種した翌日は、接種部位の痛みはもちろん、それ以上に、全身の筋肉痛がかなりひどかったですが、「しんどさ」も「倦怠感」も全くありませんでした。しかし、念のため、昼頃に検温してみると38度の発熱でした。その後、昼食後に飲んだ解熱剤が効いたのか、夕方には36度台まで熱は下がり、そして、翌日には筋肉痛も殆どなくなり、「めでたしめでたし」でした。 副反応については人それぞれで、「しんどさ」「辛さ」も違うと思いますが、私は副反応があっても、「コロナに感染するよりマシ」、また、「病気ではないので、一定期間で回復する」という想いでモデルナを選びました。これで、後藤家では主人と私は追加接種を終え、残るは、障害のある息子のみです。息子も「早く打ちたい、いつですか?」と言っていますが、接種券が届いたら、モデルナの予約をしようと思っています。 次です。大阪市内のマンション内に入居していた障害者のグループホームが、マンションの管理組合から、退去を求められた裁判で、本年1月20日、大阪地裁はグループホームの運営法人に対し、グループホームとしてマンションを使用してはならないという判決を下しました。 4~5ページに、全国手をつなぐ育成会連合会の声明文を掲載していますので、ご覧ください。 報道によりますと、この社会福祉法人は、大阪淀川区にある分譲マンションの2部屋を借りてグループホームを運営、現在、6人の女性障害者が暮らしているそうです。 グループホームで暮らしている方たちは、20年近くにわたり、近隣住民と特段のトラブルもなく平穏に暮らしていたそうです。 ところが、管理組合は、「①住宅以外の用途で部屋を使い管理規約に違反している(グループホームは組合の管理規約に定める『住居』ではない)。」また、「②『住居』ではないグループホームがマンション内に設置されると、消防法上の共同住宅特例(当マンションには、現在、消火設備の設置を免除する大阪市の特例制度が適用されている)が適用されず、消化設備の設置等で、組合や他の住民の負担が大きくなる。」とし、社会福祉法人に対し、グループホームとして使用しないことを求める裁判を起こしました。 判決は、「グループホームとしての使用は規約違反であり、管理業務に影響を与える。このマンションで福祉施設の利用が今後増加すると、消防法の特例が適用されなくなり、消防設備の設置に多額の費用負担がかかる可能性がある」といった内容でした。 当該マンションの管理規約には、「各住戸部分を『住宅』として使用し、他の用途に使ってはならない」と定められており、これが、管理規約に違反すると判断されたものと思われます。 「住宅」という言葉を辞書で引くと、「人が住むための家」となっています。 知的障害のある人たちが、長年穏やかに、普通に暮らしてきた「我が家」が、なぜ住宅ではないのでしょうか?彼女たちには、そこで暮らしてきた実態があり、そして、当然のことながら、他の入居者と同様に、そこで暮らし続ける権利もあるはずです。 昨今、親なき後の知的障害者の住まいの場は、入所施設からグループホームに移行し、障害者の地域生活を支える上で、グループホームは必要不可欠な社会資源となっております。そして、全国の障害者グループホームの約3割近くは、集合住宅に入居しているとも言われ、特に、都市部においては、数字の上からも顕著です。 当該マンションが持つ「住宅として使用」と定める管理規約は、至って標準的であり、同様の規約を持つマンションは全国いたるところに存在すると思われます。と言うことは、今回の裁判の煽りを受け、マンション内に設置されたグループホームが、今後、退去を求められるケースが発生する恐れがあるのではないでしょうか。 そして、もう1点のネックとなっている消防関係設備等の費用については、現時点では発生するものではなくて、また、将来的に生じた時は、運営法人が、その費用負担をするという意向も示しているそうですが、にも拘らず、判決は組合側の主張を認め、障害者グループホームとしての使用を認めないとしました。 国連の障害者権利条約には、「障害があってもどこで誰と生活するかを選択する権利がある」という文言があり、また、権利条約に対応する形で改正された障害者基本法にも、「どこで誰と住むか選択することができる」という規定が盛り込まれています。しかし、ただ言葉を羅列するだけで、実効性を伴わない規定は、単なる「絵にかいた餅」に過ぎません。 社会福祉法人側は、「全国の障害者グループホームに影響が出かねない」と控訴する方針です。今後の訴訟の行方がどうなるのか非常に危惧されますが、「共生社会の実現」を声高に謳っている国は、今回の判決を重く受け止め、然るべき対策を講じねばなりません。(会長 後藤久美子) スポンサーサイト
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