第410号~障害理解啓発のためのポスター第3弾が出ました。そして、今になって何故?~
2022 / 05 / 19 ( Thu ) 3年ぶりに“制限のない”ゴールデンウイークとなり、東京ディズニーランドやUSJ、そして、嵐山に、江の島等、各地の行楽地は、溢れんばかりの人、人、人で、大賑わいのようでしたが、皆さんは、いかがお過ごしでしたか。
今年のゴールデンウイークの傾向として、出かけた人の7割~8割は、車を利用しての近場への外出だったそうで、高速道路は大渋滞でしたが、蜜を避けての久しぶりのお出かけを、多くの人たちは楽しんでいたようです。 我が家では、コロナ前は、旅行の大好きな障害のある息子と共に、年に2~3回は旅行に行っていましたが、息子の旅行の第1の目的は、「地域の路線バスに乗車する」ことなので、コロナ禍の昨今の状況では、なかなか叶いません。息子も「コロナが収まるまでもう少し待つ」と我慢しているようです。今後、例えば、飲み薬が開発され、コロナウイルスがインフルエンザレベルになれば大好きな路線バスに思いっきり乗せてあげようと思ってます。その日まで息子と共に、もうしばらく「我慢」の日々を過ごしたいと思います。 次に、知的障害理解のための神戸市の取り組みを紹介したいと思います。 神戸市では、昨年度は2度にわたり、知的障害者の特性等を市民の方々にご理解いただくため啓発ポスターを作成し、地下鉄や市バスをはじめ、民間公共交通機関において掲出を行って下さいました。本誌にも、ポスターを掲載いたしましたので、ご記憶の方もおられることと思います。 そして、今回、神戸市では、第3弾として、医療機関の待合室に掲出するポスターを作成して下さいました。詳しくは、本誌10~11ページに掲載していますので、ご覧下さい。 神戸市が、このポスターを作成して下さったきっかけになったのは、まさに、「会員さんの声・要望」からなのです。 毎年、当会では、神戸市に対し、次年度の予算編成に向けた要望書を提出しておりますが、その際、会員さんからの要望事項を募っています。その中に、昨年度、医療に関する要望事項がありました。それは、「休日、当番医であるにも関わらず、障害があると伝えると診察拒否をされた。障害があっても、いつでも診察して欲しい」と言う様な内容でした。 医療機関での診察拒否関連についての要望は、2~3年前に提出し、その際、神戸市よりの回答も頂いておりましたので、今回は要望書には反映させませんでした。 知的障害者の場合、体調の変化を訴えることが出来なかったり、生活習慣病発見のための検診や検査も受けられない等の理由から、重篤化することもあり医療とのアクセスは大変重要となります。しかし、その障害特性ゆえに、充分な医療行為を受けることが出来ないというのが、無きにしも非ずの現状です。それと共に、保護者が辛いのは、医療機関での受診時に、待合室でパニック等を起こした際に浴びる、周囲からの冷たい視線です。でも、知的障害者が、待合室でうろうろしたり大声を出したりするのには、それなりの「理由」があるのです。 そういった旨を、今までポスターを作成して下さった神戸市の担当の方に、何気なく話しましたが、このことが、今回のポスター作成につながりました。 そして、一般社団法人神戸市医師会、公益社団法人神戸市歯科医師会、公益社団法人神戸市民間病院協会、一般社団法人神戸市薬剤師会と、多くのご協力を得て、医療機関の待合室等において、本ポスターが掲出されることになったのです。感謝・感激です。 私は、病院に行くことは滅多にないので、まだ実物を見たことはないのですが、知的障害者への理解のきっかけになれば素晴らしいなと大変嬉しく思います。 次です。先月号でもお知らせした「福祉パス」の更新の案内が始まりました。5月13日~25日にかけて順次発送されるそうです。対象は、有効期限が本年12月末の方です。ピンクの封筒がご自宅に届いたら、更新申請書の記入例を参考にして速やかに手続きをして下さい。 次です。先月号で、全国手をつなぐ育成会連合会(以下:全育連)が発行の機関紙「手をつなぐ」についてお話ししましたが、今月号では、全育連が発行している書籍の一覧表を7ページに掲載しています。「障害福祉サービス」についてや、「知的障害者の高齢化」について、また本人向けの料理の本等、多岐にわたる内容が揃っております。そして、どの書籍についても大変分かり易く書かれており、中には、支援学校の教材として扱われているものもあります。 申し込み・お問合せは、育成会事務局までお願いします。 次です。「ただいま在宅中で、日中活動の場を探している」という方はおられませんか? 9ページに新緑福祉会が行っている「親子体験事業」のお知らせを掲載していますので、ご覧下さい。これは、新緑福祉会が運営する5事業所において、親子で1日体験していただき、日中活動の場選択の一環にしていただくための事業で、当会より助成金を拠出し、毎年、実施していただいております。 支援学校高等部の子女と保護者は夏休み期間中、それ以外の方は、夏休み以外の年間を通じて行われています。本人の実習体験や保護者の事業所見学というのは、特段珍しくありませんが、本事業のように事業所で親子で一日体験できるというのは、全国的にも珍しく稀な取り組みです。 支援学校在学中の方、また在宅の方は一度体験されてみてはいかがでしょうか。 次です。5月31日(火)、決算総会を行いますが、今回も、会員さんの出席はお控えいただき、書面決議書(はがき)の送付をお願いいたしております。 最近(5月6日現在)は、コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にあるようですが、まだまだ先行きの予測は困難ですし、また、従前より、知的障害と新型コロナ重症化の関係性が示唆されるデータもイギリスにて示されている状況を鑑み、今年度も、多くの人が、対面にて集まる様々な行事の実施は難しいものと思われます。 ただ、各支部においては、「自粛」を大前提とした上で、感染状況を見据えながら、近隣のみで集まるという機会を持つことも考慮して頂けたらと思います。しかし、その際には来賓はお呼びせず、また、参加される方は、自己責任でお願いいたします。 最後に、「津久井やまゆり園」で入所者ら45人を殺傷したなどの罪で死刑が確定した植松死刑囚が横浜地方裁判所に再審(裁判のやり直し)を請求しました。一昨年、横浜地裁で死刑判決が言い渡され、弁護人が控訴したものの、本人が取り下げ、死刑が確定しました。2年も経った今になって、何故この様な行動に出たのでしょうか。横浜地裁は今後、再審の開始を認めるかどうか判断することになるそうですが、今後の動向に注視したいと思います。 (会長 後藤久美子) スポンサーサイト
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