第412号~全国手をつなぐ育成会連合会の役割、そして、お待たせしました!~
2022 / 07 / 20 ( Wed ) まず始めに、神戸市からのお知らせで、療育手帳カバーの配布についてです。
昨年度、神戸市とフェリシモが連携し製作された療育手帳カバーが希望者に配布されましたが、今年度、新たに4種類のデザインで製作され、7月下旬から募集が始まるそうです。詳しくは、8ページをご覧ください。お問い合わせについては、募集開始後、お電話にてお願いします。 次に、新緑福祉会から、グループホーム入居者募集のお知らせで、7ページに掲載しています。 「白川台ホーム」は、県営住宅を利用した女性専用のグループホームで、市営地下鉄名谷駅から市バス利用という、交通の便が非常に良い立地条件となっております。 「将来はグループホームに入居させたい」という想いがあっても、保護者が元気な間は、なかなか踏ん切りがつかず、自分が倒れ、どうしようもなくなってから、初めて、SOSを出すというケースもよく聞かれますが、空きがなかったら入居できません。一歩早めの決断が非常に重要となります。高齢化を迎えつつある保護者の皆さんは、一度お子さんとよく相談してみて下さい。 続いて、全国手をつなぐ育成会連合会関連で、第61回近畿知的障がい者福祉大会(通称:近畿大会)のお知らせです。案内については、9ページに掲載しています。 今年度は、奈良県育成会が担当で、昨年度(大阪府育成会担当)と同じ方式(ハイブリッド方式と、規模を縮小しての午後よりの開催)で行われます。 テーマは「医療」で、大変興味深い内容となっておりますが、昨年度と同じく、会として観光バスをチャーターしての参加はいたしませんので、希望者は、各自で現地に行っていただきますようお願いいたします。また、ネット環境が整っている方は、オンラインでの参加が可能です。 参加希望者は、どちらの場合も、事務局までお電話をお願いいたします。 近畿大会は以上の方法で執り行われますが、今年度、福井県で開催される全国大会については、コロナの感染拡大状況が見通せないことから、式典(会長表彰等)のみを行い、対面での参加者も、各育成会代表者1名と限定され、来賓については、ビデオメッセージでの参加となります。 なかなか収束の兆しが見えないコロナウイルスにより、今年度も、全国規模での対面方式での開催は困難と思われますが、しかし、オンラインの活用により、全ての正会員育成会はつながることが可能となり、昨今の総会や各種会議、研修会も、オンラインで実施されております。 そして、コロナ禍であっても、政策提言団体としての動きは活発に行われ、久保会長をはじめとする三役が、内閣府や厚労省等、国が設置する数多くの審議会等の構成員として参画し、会員の意見を集約した様々な発信をしております。 国の審議会等での議論等、最先端の中央情勢については、全育連から各育成会に発信されますが、その中から、ここで「成年後見制度」についての最新の動きをお知らせしたいと思います。 判断能力が不十分な人の財産管理や、契約代理、身上保護等を行う「成年後見制度」は、知的障害者にとって非常に重要な仕組みです。しかし、使い勝手が悪い上に、後見人への報酬が高額であるなどの理由により、利用は極めて低調なままです。 こうした状況を改善し、制度利用が進むよう、国では「成年後見制度利用促進法」に基づく「成年後見制度利用促進基本計画」を立て、5年を一期として、計画的に課題の改善を進めています。 久保会長も基本計画の策定を担う専門家会議に参画し、知的障害分野の課題と制度の改善策をこれまで積極的に発信してきました。 久保会長は、①後見制度を必要な時だけ使う仕組みに改める(一度制度を利用し、後見人が選任されれば止めることは出来ません) ②後見制度のお試し利用を制度化する(グループホームの体験事業のような観点で) ③後見人などを交代しやすくする・・等の提案をしてきました。 しかし、これらを改善するためには、民法の改正が必要で、実現は困難であると思われていましたが、専門家会議の中で、「民法を改正してでも制度を改善すべきである」という意見が多く寄せられ、民法を変えるための研究会が立ち上げられました。6月中旬に開始されております。今後の動向については、また、お知らせしたいと思います。 「成年後見制度」については、昨年度、全国の会員に向けてのアンケート調査を実施しました。当会でも数名の会員さんにお願いし協力いただきましたが、久保会長が専門家会議で発言された①から③については、まさに、アンケートで集約された私たち会員の「声」であり、その多くの「声」を国に届け、結果、人々の心を動かし、改善のための道筋を得ることができました。これこそが、10万人の会員を要する全国的な組織である「親の会」の底力であると思います。 今後、令和6年度の報酬改定に向け、様々な検討が為されるものと思いますが、また、新しい情報が入れば、本誌を通じてお知らせしたいと思います。 ちなみに、6月29日(水)に、全育連の総会が、オンラインで実施されました。今年度は、役員改選の年でしたが、久保会長をはじめ三役は続投となりました。私も引き続き、近畿ブロックの会長と、全育連の理事を務めさせていただくことになりました。これからも全国に向けて、いろいろ発信していきたいと思います。全育連の役員名簿は10~11ページをご覧ください。 最後です。コロナ禍により当会でも、本来行っている、人が集まる活動が、なかなか出来ない状況ではありますが、会員の皆さんが、今か今かと待ち望んでいる「えみのき」に続く重度・高齢化対応のグループホーム「第2えみのき(仮称)」建設に向けて、当会と、同施設の運営母体となる「新緑福祉会」の合同チームによる動きが開始されました。 平成29年、「えみのき(咲の樹)」建設後、会員の皆さんには、続く住まいの場としては、「えみのき」と同じ様な重度高齢化対応のグループホーム、或いは、知的障害に特化した特養を、国の動向に注視しながら建設したいという意向をお伝えし、いろいろと検討を重ねてまいりました。 新たな考え方となる知的障害に特化した特養については、介護保険適用の「65歳以上」という年齢制限をどうクリア―するかが一番の難関(会員子女で65歳以上の方は稀少のため)で、40~64歳でも介護保険が適用される「特定疾病」に、何とか知的障害者が該当しないか、各方面に投げかけてみましたが、「制度の壁」が重くのしかかり、どうしようもできませんでした。 そして、二つ目の課題としては、運営上の問題です。特養を安定的に運営するには、入所者の要介護度が4~5(寝たきり状態)でないと、収支が釣り合わないと言われております。 ところが、知的障害者の場合は、高齢者と違って要介護度が低くなる(軽くなる)傾向にあるため、赤字運営というリスクを背負う事になってしまいます。 以上の様な理由から、特養建設は断念せざるを得ず、「第2えみのき(仮称)」建設に踏み切ることになりました。今後の進捗状況については、本誌を通じてお知らせしたいと思います。 ご支援ご協力どうぞよろしくお願いいたします。 (会長 後藤久美子) スポンサーサイト
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