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第423号~世界パラ陸上の大会ボランティア募集してますよ! そして、ふと目にしたコラムを見て、考えさせられ反省しました。~
2023 / 06 / 19 ( Mon )
 まず初めに、神戸市からのお知らせです。「ヘルプマーク」と「ヘルプカード」周知のための新しいポスター、チラシが出来ました。6~7ページをご覧ください。
「ヘルプマーク」については、一般の人々にも随分知られてきましたが、しかし、必要のない方の間で「これを持っていたら電車やバスで座れる」という噂が流れ、ネットで売買されているという何とも情けない話を耳にしたことがあります。
どういった方々がこのヘルプマークを持っているのか、大変分かり易いポスターとなっています。本来の趣旨等を社会の人々に、広く知っていただくきっかけになることと思います。
街の中で見かけたら、是非じっくりご覧になってみて下さい。

 次です。以前、この機関紙でも、お知らせしましたが、2024年5月17日(金)から26日(日)まで、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で開催される「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」の大会ボランティアを募集しています。詳細については8~9ページに掲載しています。
ボランティアの応募資格は、満18歳以上で最低3日以上の活動が出来る方ということです。滅多に味わうことが出来ない、世界大会ならではの貴重な体験ができるのではないかと思います。お知り合いの方に声掛けし、興味のある方がいらっしゃれば、ぜひ応募を進めてみて下さい。
大会の成功が、障害者理解の一助につながることを願い、協力出来る事が何かあれば、積極的に関わりたいと思います。皆で大会を盛り上げていきましょう!

 次です。最近、目にしたコラム(新聞や雑誌等に掲載される短い評論文)を読んで、随分考えさせられ、また反省をしました。ここで紹介したいと思います。
皆さんは、「タイパ」という言葉を知っていますか?これは、「タイムパフォーマンス」の略語で、効率よく時間を使うことを意味する和製英語です。
最近の若者は、如何なる時も、この「タイパ」という行為を意識しているそうで、例えば長い映画を早送りにして観る、何か別のことをしながら打ち合わせをするといった具合です。
昨今のTiktok(ティックトック:短い動画コンテンツ)の流行や、Twitter(ツイッター:短い文章)の普及も、この「タイパ」の考え方からきているのかもしれません。
若い人たちは、観たい動画や映画、読みたいマンガ等が無数にあって、しかし、全部を観たり読んだりする時間はない、それで、倍速にし、限られた時間内でたくさんの動画を見るそうです。
昨今の情報技術の進歩により、世の中の情報は限りなく増えました。そして、ネットを使えば、世界中のあらゆる情報が幾らでも手に入ります。そのせいか、いつの間にか、仕事や学習や生活のスピードも速くなり、例えば電車が1分遅れただけでもイライラしたり、パソコンの動きが遅いと我慢できなくなる、何とも、せわしない世の中になってしまいました。
ここまで読んで、妙に納得してしまいました。私自身にも当てはまることが多々あるのです。まるで鏡の中の自分を見ているように思いました。 

私も、電車が少し遅れただけでもイラッとしますし、月曜の朝、パソコンの立ち上がりが遅いと「おそい、急いでいるのに」と、いつもぼやいています。
また、スマホで毎日、Yahoo(ヤフー)ニュースを見ていますが、まず早送りで見てから、読む記事を選択しています。その他、信号が変わりそうな時は、いつも走っています。特に、帰りに多いです。何故なら、ここで走らなければ電車1本、乗り遅れてしまう、それがバスに乗り遅れることにもつながるからです。そして、圧巻は、スーパーで買い物を終えレジを打ってもらっている時、店員さんがレジ打ちを終えた品物を、素早くカゴから取って、順に袋詰めしていきます。レジを打っている間のわずかな待ち時間が、「もったいない」と感じるからです。
その他、エスカレーターもあまり利用しません。じっとしているのが耐えられなくて、隣にある階段を上り下りしている方が多いです。
考えてみると、正に私は、「タイパ」な人生を送っているなと思いつつ、次に書かれた文章に目を向けると、愕然としてしまいました。続きは、こんな内容です。

せっかちな世の中になってしまっていますが、理解力や判断力にハンディのある知的障害の人にとっては、この「速さ」がバリアー(障壁)になっていることが多々あります。
私たちは、障害のある子どもに対し、出来るだけ分かり易い言葉を使って話すことを心掛けていますが、いくらかみ砕いて理解しやすい言葉を使っても、話すスピードが速いと理解が追いつきません。また、次々に話題が変わっていくと、最初は理解出来ていても混乱してしまいます。合理的配慮という面から、「速さ」「タイパ」は考える必要があると思います。
そして、これは、知的障害者に限らず、一般の人でも同じで、じっくりと時間をかけなければ深い意味が分からない、また、本当のおもしろさが伝わらないこともある、時間をかけなければ築けない信頼や愛情もある。何もかも知ろうとすると、理解できないものもあり、本当の良さを見落とす場合があるということが書かれていました。
子供に対する接し方を考えた時、分かり易い言葉かけは意識しているものの、時間がない時は、ついつい早口で話してしまいます。また、一度に幾つもの話、いわゆる長文で話し、出来ていないと、「さっき、お母さんが言ったでしょう。聞いてなかったの?」と叱ってしまいます。

よく、外部の人に対して、「知的障害者との関りで注意していただく点」として、①ゆっくり話す ②一度に複数の話をしない・・と、偉そうに言っておきながら、当の私は息子を混乱させる言葉かけばかりをしていたのです。
家で家事をしている時も、私は「忙しい、忙しい」と四六時中言っているせいか、息子もよく「忙しい、忙しい」と言って家の中を走り回っていることがあります。このように子供との関りの中で、反省すべき点が多々あることに今更ながら気づいた次第です。「せっかち」な私ですが、もう少し、ゆったりした気持ちで息子に接していこうと大いに反省させられました。

しかし、考えてみると、この「ひとりごと」に関しては、決して「タイパ」ではないと思います。長い文章ですので、「要点をまとめて短くしたら」という一部の声も聞かれましたが、でも、短くしてしまったら、本当の気持ちが伝わらない、省略することにより、違った意味で取られてしまうこともあるかもしれないという様な想いから、頑固にこの形式を貫いています。
有難いことに、行政や関係機関の皆様、そして、多くの会員さんからは、「読んでいますよ」という温かいお言葉を頂戴しております。『せっかち』な私ではありますが、この「ひとりごと」については、「タイパ」では、決して手に入らないものを大事にしていきたいと思います。   
今後とも、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします    (会長 後藤久美子)
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