第425号~「障害者差別解消法」次年度から少し変わります。この法律について考えてみませんか~
2023 / 08 / 20 ( Sun ) 「障害者差別解消法」、皆さん、覚えていますか? この法律は、「全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しあう」という理念のもと、共生社会の実現を目指すため2016年4月1日に施行されましたが、2024年4月1日から一部改正され、「改正障害者差別解消法」として施行されます。 改正される個所は、現在、「努力義務」となっている民間事業者の「合理的配慮の提供」が、改正法では、行政等と同じく「法的義務化」、つまり「義務」となるのです。 それに先立って、神戸市では、来年度より義務化となる店舗(スーパー、レストラン、百貨店、ショッピングモール)等の合理的配慮の提供に関して、困ったことや、この様に配慮してもらえると助かる等の事例を募集しています。8ページに掲載しておりますので、まずは、ご覧下さい。 「障害者差別解消法」が施行されてから、早いもので7年経過しました。その成果について、障害者に対して行われた実態調査を見ると、「視覚」「聴覚」「肢体」「精神」「内部」等の障害をお持ちの方からは評価する声も多く聞かれ、合理的配慮についての好事例も多数発信されているようですが、こと「知的障害」に関しては、合理的配慮についての好事例を目にしたこともありませんし、同法施行後の成果についての調査でも、「社会は何も変わってない」「差別は存在するし、合理的配慮を受けたこともない、成果も感じられない」等の声が圧倒的に多いようです。 他の障害のある方々は、この法律をそれなりに評価しておられるにも関わらず、知的障害者は、法施行の意義も成果も感じられない・・、この様な温度差が生じるのは何故なのでしょうか? 法が施行された当初から言われていたことですが、「知的障害者の困りごとは周りから見えづらい」、他の障害の方と違い、「本人自らの意思表明が難しい」、また、保護者も「障壁(バリア)となっている困りごと除去」のための意思表明には消極的である等の原因が考えられます。 しかし、「何をしてほしいのか、何に困っているのか」を訴えなければ、周りの方は理解できませんし、これからも何も変わっていきません。知的障害者にとって、「障害者差別解消法」は、年月を経過しても、いつまで経っても、「絵にかいた餅」状態となってしまうのです。 今まで、色々な場面において、「障害があるということで困ったこと」、「この部分をこう改善、または手助けしてくれたら助かるのに」や「こうしてくれたから助かった」等、どんなことでも結構です。振り返ってみて、そんな経験があったという方は8ページの用紙に記入し、9月8日(金)までに、事務局まで、ファックス、または郵便でお寄せ下さい。 「合理的配慮」に関する好事例や要望を積極的に発信していくことが、同法が、知的障害者にとっての活きた法律となる一番の手立てとなります。ぜひ、皆さんの声をお聞かせください。 いつもよりコンパクトですが、今月号はここまでとさせていただきます。(会長 後藤久美子) スポンサーサイト
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