第348号 ~「親あるうちに」取り組むべき事 パートⅠ 第三者に託す準備を!~
2017 / 04 / 01 ( Sat )


  先日、当会における平成29年度の事業活動案等を提案した予算総会も無事終了し、新たな年度に実施する活動に向けての様々な準備が始まりました。
全国津々浦々、どの育成会でも現在、親子の高齢化が急激に進み、その対策が急がれる昨今ですが、当会では、「取り組もう!親なきあとは親あるうちに」のスローガンのもと、親が元気なうちに、親なきあとの課題解決に向け、出来るところから順に取り組んでまいりたいとの想いで活動を展開しております。

 「親なきあと」に向け、まず取り組まねばならない事の一つに成年後見制度の利用があげられますが、制度の内容や手続きが煩雑でわかりにくく、特に知的障害者の場合、高齢者と異なり利用期間が長期化するため、制度利用はあまり進んでいないというのが現状です。
しかし、親が認知症になる前に、また疾病等により支援出来なくなる前に、親が心身共に元気な「今」のうちに、第三者に託すための準備は必ず必要です。

 そのためには、「成年後見制度」についてのメリット・デメリットを充分に理解し、親なきあとに向けて、本人にとっての最善の道筋を構築しておくことが大変重要になってまいります。そこで来年度は、同制度を様々な角度から捉えた取り組みを幾つか実施いたします。
 その手始めとして、本誌13ページに記載しておりますが、「成年後見制度」についてのミニ知識をこれから本誌において、毎月シリーズでお届けします。

 また、16ページでもご案内の通り、同制度の研修会を、急なことではありますが、4月と5月に2回にわたり開催いたします。
 先般、同制度についての研修会を、神戸市より推薦団体として委任されている「知的障害者相談員」と「ワーキングサポート」(子女が一般就労の保護者を支える活動)の方々を対象に、石古恵子所長(神戸市成年後見支援センター)をお招きし実施いたしました。石古所長のお話は、制度概要について淡々と語る、よくある研修会ではなく、私たちが疑問に思っている事や知りたい事等を中心に、スライドを使って分かり易くお話し下さり大変好評でした。そういった内容の研修会を再度開催し、会員の皆さんに制度について、しっかりと予習、或いは復習していただいた上で、6月から開始する「成年後見相談活動」につなげていきたいと思います。
 この相談会の詳細については本誌12ページに掲載しておりますが、弁護士や司法書士等専門職の方に相談し助言をいただきます。内容については、障害のある本人のことだけではなく、例えば、保護者の任意後見についての相談でも結構ですし、その他、疑問に思っているどんな些細なことでも、お気軽にご相談いただければと思います。
 親が元気な「今」しかありません。本人の未来予想図を真剣に考えておきましょう。研修会の多くの参加と共に、相談会のご利用をお待ちしております。

 成年後見制度は、介護保険制度と共に平成12年に創設されました。判断能力が不十分な認知症や知的障害、精神障害の方たちにとって重要な制度ではありますが、冒頭で申し上げた通り利用に結びついていないケースが多いのが現状です。
けれども急激に高齢化が進んでいる我が国において、また障害者の「親なきあと」の支援を考えた時、同制度の利用促進は重要な課題となっております。そこで、広く国民に、制度利用の促進を図るため、平成28年4月、「成年後見制度利用促進法」が議員立法で成立し、同年5月に施行されました。
しかし、制度が抱える幾多の問題点も未整理なままでの利用促進ということで、法が成立する直前になって、一部の野党やマスコミから「まず制度の改革が必要ではないか」との声があがり、2年という限られた期間ではありますが、内閣総理大臣を長とする「成年後見制度利用促進会議」や有識者で構成される「成年後見制度利用促進委員会」(全国手をつなぐ育成会連合会の久保会長も委員として参加)が設置されることになり、今年度、利用促進に向けた諸課題についての議論がなされました。そして本年29年1月に委員会意見の取りまとめが発表されました。

 その中から幾つかの意見を抜粋すると、まずは、利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善策として①財産管理のみならず、意思決定支援や身上保護を重視、②本人の意思・身上に配慮できる適切な後見人の選任や後見人の交代を柔軟に行える環境整備の構築、③後見人等による横領等の不正防止を徹底、④成年被後見人の欠格条項(選挙権は回復したが公務員や理事の資格喪失等、未だ200程度の制限あり)の見直し、⑤後見人のみが支援するのではなく、様々な機関が連携してチームによる支援を展開する等々、ここには書ききれませんが、多くの意見が乱れ飛んだようです。

 これらの資料を目通しして感じた事は、⑤のチーム支援等、マンパワー不足の中で本当に実現できるのかという事や、意思決定支援や身上保護の重視は、専門職の報酬増ということになりかねません。また複数の後見案件をかかえている専門職の方に意思決定支援や身上保護の重視を訴えると「知的障害者の後見は大変だ」という認識を持たれ、利用促進どころか、むしろ後退につながるのではないかと危惧されます。そして、一番のネックは報酬等の費用面にあり、同制度が個別給付として障害福祉サービスに組み込まれたり、抜本的な改革がなされなければ制度促進はなかなか望めないと思います。その他、色々問題は尽きませんが、そのあたりも含めて一緒に勉強していきましょう。  
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