第351号~ドキドキワクワク 楽しみながら知的障害疑似体験を! 障害理解に向けて~
2017 / 09 / 04 ( Mon )
            
 任期満了に伴う新役員の承認を上程した平成28年度の決算総会も、先月末に無事終了し、新執行部による活動がスタートいたしました。
 今年度は結成60周年記念大会に、重度高齢化対応のグループホーム建設と、育成会の歴史の1ページを飾るにふさわしい大きな事業を行います。
 そして、当会のスローガンである「取り組もう!親なきあとは親あるうちに」に沿った二つの新しい活動も始めます。
まず、一つ目は「成年後見相談活動」です。弁護士や司法書士等の専門の先生方に育成会会館にお越しいただき、成年後見関連の相談に乗っていただきます。制度利用は考えずとも親なきあとに向けて何をしていけばいいのか等、お気軽に相談していただけたらと思います。詳しくは本誌11ページに、ご案内を掲載しておりますのでご覧下さい。

そしてもう一つが、以前に少し紹介させていただきましたが、知的障害理解のための啓発活動である「キャラバン隊」の結成です。

昨年4月に「障害者差別解消法」がスタートしましたが、残念ながら、その理念は一般社会には浸透しておらず、差別的事案も全国各地から聞こえてまいります。グループホーム建設を地元の反対運動で断念したケースや、極み付けは昨年7月の相模原の事件で、障害者を蔑視した容疑者の考えに同調する書き込みがネット上で多く見られ、私たちは大きな衝撃を受けました。
なぜ、人は人を差別するのでしょうか。
障害者差別を考えると、理由はいろいろあると思いますが、「よく知らないから、理解していないから」ということが要因の一つにあり、社会の人々に知的障害について正しく知っていただくことが重要となります。
もちろん以前より、「知的障害とは○○」というようなパンフレットやスライドを作成し、様々な形で啓発活動を行ってまいりました。しかし、従来のやり方は、単に聞いていただくだけで、言うなれば、こちらからの一方的な投げかけに留まり、果たしてどれだけの人々に伝わっていたのか、或いは、どれだけ障害理解に結びついたのかは疑問です。

そこで、今、全国手をつなぐ育成会連合会では、「知的障害疑似体験」というワークショップを通して、障害特性や本人の気持ちを体験していただき理解を広める「キャラバン隊」活動の活性化に重点を置いております。
既に大学や警察署、行政、市社協、民生委員、PTA、教育委員会、自治会等、様々な場所に出向いて実践している育成会もあり、中には行政・市社協・一般市民の方をも巻き込んで、共に、この活動に取り組んでいる育成会もあります。
誌面ゆえに、実際に行うプログラムの内容までは詳しく記されませんが、知的障害者が抱える様々な障害特性を、例えば、一度にたくさんの指示を出されると混乱する、複雑な内容は理解しづらい、あいまいな表現や抽象的な概念の理解が苦手である、周りは見えず興味のあることしか目に入らない、意味が分からずともオーム返しで答えてしまう等、ワークを通して参加者自身に、実際に体験していただきます。

身体障害と違って知的障害は、障害特性が一見して伝わりにくく、また行動も理解されにくい障害ですので、「知的障害疑似体験」というワークショップは障害特性や感覚、そして、その時本人が抱えている気持ちまで、実際に参加者に体験していただくことが可能で、障害理解につなげていくための有効なツールになると思われます。しかも、このワークは簡単で誰でも参加しやすく、ゲーム感覚で楽しめるという利点を持っています。

 今年度、当会は、近畿手をつなぐ育成会連絡協議会で行う「リーダー養成研修会」の当番にあたっておりますが、この「キャラバン隊」活動に取り組んでいる幾つかの育成会を招いて、プレゼンテーションをしていただこうと考えております。時期については、年が明けて1月末か2月初旬頃になるかと思います。
この「キャラバン隊」活動は、北は北海道から南は福岡県まで、全国あちこちの育成会で実践されておりますが、その中でも先駆的に、また幅広く活動しておられるのが、兵庫県のたつの市育成会の「ぴーす&ピース」です。取り組むきっかけとなったのは数年前、下校中のバスの中で起こったある事件です。

地元の高校生が、乗り合わせた知的障害者を席に座らせないため、嫌がらせをしました。
知的障害者は困ってしまいパニックを起こしましたが、その様子を高校生はスマホの動画で撮影し、何とネット配信をしたそうです。
たつの市の育成会では事の重大さを見過ごす訳にはいかず、高校に意見書を提出、そして会長は高校へ出向き知的障害についての特別授業を行ったそうです。皮肉なことに、生徒の皆さんは熱心に聞いてくれたそうです。
こんな事件が起こった一番の原因は何だろう?それは「知的障害」というものを知らなかったからだ。では「知的障害」のことを出来るだけ多くの人に知ってもらおう、そして同じ知ってもらうなら「楽しく理解してほしい」「体験を通して分かり易く理解してもらおう」ということで「知的障害者疑似体験活動」がスタートしたそうです。

差別のない本当の意味での「共生社会」を実現するためには、知的障害について正しく理解していただくことが不可欠です。
研修会には、大勢の参加をよろしくお願いいたします。
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