第354号~疑似体験活動、勉強してきます。 そして、お待たせしました!~
2017 / 10 / 04 ( Wed )
              
当会の7月末に行われた60周年記念事業に引き続き、8月末には、㈱いくせいの30周年記念式典が実施されました(詳細については、8ページに掲載)。
当日は、久元市長をはじめとする多くのご来賓に加え、福祉就労社員や支援社員に保護者等、総勢400数十名が一堂に会しました。若くて元気で、これからの(株)いくせいを背負っていく本人たちとは別に、30年の歳月を経て、高齢化が忍び寄っている本人の存在も痛切に感じました。華やかな舞台とは裏腹な現実を垣間見たような気がしますが、「親なきあと」に向けた対策が急がれることを改めて痛感いたしました。

さて、その対策の一つにもなるかと思いますが、9月23日(土)~24日(日)、「キャラバン隊・全国サミット」と称する、「知的障害疑似体験」活動が札幌市で行われる全国大会(全国手をつなぐ連合会主催)の特別分科会で実施されます。詳細については来月号の本誌で報告させていただきますが、これは、このコーナーでも度々紹介している知的障害についての理解を深めるための啓発活動で、今、全国の育成会で注目されております。

当会でも、従前から「知的障害とは○○」という様なスライドを作成し、啓発活動は行っておりましたが、座学による、言ってみれば、こちらからの一方的な語りかけとなり、果たして、どれだけ聞き手に伝わっていたのかは疑問でした。
しかしこの活動では、参加者にはワークショップ等により知的障害の特性や、また、その時の本人の気持ちも体験していただき、楽しく分かり易く、まるでゲーム感覚で、知的障害についての理解を深めるためのものです。
「障害者差別解消法」が施行され、「不当な差別的取扱い」の禁止と、「合理的配慮」の提供が求められております。しかし、立派な法律が施行され、上記のように訴えても、肝心の「障害特性」を社会の人々に理解していただかなければ、差別も無くならないし、合理的配慮も望めません。
 昨今、多くの自治体では、「障害を理由とする差別に関する相談窓口」が設置され、相談事例や合理的配慮事例が報告されていますが、そのほとんどが身体障害者に関する事例で、知的障害に関するものは中々聞こえてきません。
せっかくの法律も知的障害者の場合、現段階では、あまり機能しておらず、「絵に描いた餅」に終わってしまっていると思えてなりません。

 この法律を機能させるためには、まずは周りの方々に知的障害の特性を理解していただくことが先決で、地盤をしっかり固めてこそ、活きた法律となるのです。それを如実に物語る、ある差別事例を聞いて下さい。


 数年前、比較的軽度な成年が、通勤電車の帰りに経験した出来事です。
電車の中で、ぐずって泣き出した赤ちゃんがいました。小学生の頃、「赤ちゃんを買って下さい」と母親におねだりをするほど日頃から赤ちゃんが大好きな彼が、「ヨシヨシ」とあやすつもりで赤ちゃんに触れたのですが、赤ちゃんは、よけいに泣いてしまいました。
 びっくりした彼は、赤ちゃんの手を少し引っ張ってしまい、更に赤ちゃんを泣かせる結果になってしまいました。
 赤ちゃんと一緒にいたお父さんに怒鳴られ、怖くなった彼は、どうしていいか分からず、その場から走って逃げ去ります。お父さんは電車の中、彼を追いかけて捕まえ、最寄駅で引きづりおろし、彼は駅長室に連れて行きました。
 その後、近くの派出所で保護された彼を、連絡をもらった母親が、不安な面持ちで迎えに行きました。

 彼に接した派出所のお巡りさんは、幸運にも、大変理解のある方で、「彼と話してわかったが、彼は決して悪気はなく、単に赤ちゃんが好きだったから。」と到着した母親に話して下さり、母親は随分と救われたそうです。
ただ、彼が迷惑をかけてしまったことは事実ですので、帰宅後、赤ちゃんのお宅にお詫びの電話をしましたが、赤ちゃんの母親は、「なぜ、知的障害者を一人で外出させるのですか。知的障害者って何をするか分からないでしょう。付き添ったらどうですか。何かあってからでは遅いんだすよ。」と、きつく言い放ったそうです。

「知的障害=何をするか分からない」明らかに「障害者差別解消法」がうたう「障害を理由とする差別」にも感じられます。しかし、このことを相談窓口に伝えて、手の施しようもありません。知的障害について、周りの方々に理解していただくしかないのです。
この事例では、彼が比較的軽度の障害で、自分の想いを言葉で伝えることが可能であったため、お巡りさんの理解を得ることができました。けれども、本人が十分に会話出来なかったり、仮にパニックを起こした場合は、理解を得ることは非常に困難で、本人も母親も大変つらい想いをしたことと思います。

 知的障害者は外見上から障害特性が分かりづらいため、必要な配慮も得られにくく、また、突拍子もない行動をするため、差別・偏見につながる事も多々あります。そんな時、周囲に理解者がいれば、きっと、もっともっと生きやすい社会になると思います。この活動は正に「共生社会」をつくるための第一歩なのです。


「親あるうちに」ひとりでも多くの理解者を得るため、これからの育成会の「命題」として、この活動に取り組みたいと思いますので、早速、年が明けた1月30日(火)には、育成会会館にキャラバン隊として活動する育成会をお呼びし、実際の活動を見ていただきます。近日中に本誌でご案内いたしますので、大勢の参加をよろしくお願いいたします。


最後に・・・・・皆さん、お待たせいたしました! しあわせ村内に建設する「重度・高齢化対応」のグループホームの入居者募集要項を4ページに掲載しております。よくお読みの上、興味のある方は、ぜひ説明会にお越しください。          
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