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第355号 ~伝えれば必ず伝わる!伝える(知らない人に知ってってもらう)必要性~
2017 / 10 / 30 ( Mon )

  昨今、出先でお会いする様々な方々から「『会長のひとりごと』読んでますよ」と云うお言葉を挨拶がわりにお聞きしたり、更には、「毎月、楽しみにしてますよ」という最上級の褒め言葉まで頂戴し、感謝の念でいっぱいです。とは言え、毎月の執筆ゆえに、常に、締切りに迫られている感はぬぐえませんが、皆様の温かいお言葉は、原稿を書く上での大きな励みとなっております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
 
 さて今回は、先月号でお約束した札幌市で開催された全国手をつなぐ育成会連合会全国大会の特別分科会で行われた「知的障害 疑似体験活動」についてお話しさせていただきます。

この活動については、再三にわたり紹介させていただいておりますが、車いす体験やアイマスク体験のごとく、参加者に実際に体験していただくことにより、知的障害の特性を理解していただくためのものです。
特別分科会の内容については、その他の分科会報告と共に〇ページから記載しておりますので、そちらでご覧いただきたいと思いますが、ここではキャラバン隊の活動の中身について、お話しさせていただきます。

 依頼先から与えられた時間により内容は異なりますが、主に柱となっているのは、①障害特性の説明、②寸劇、③疑似体験、④ワークショップ、⑤体験談・親の気持ち等で、それぞれのキャラバン隊の創意工夫により様々なメニューが実践されております。そして、どのメニューについても大変分かり易く精査されており、新たなプログラムもどんどん開発されているそうです。
最初から順に紹介しますと、まず、①については、パワーポイントや紙芝居を使っての障害特性の説明ですが、従前との違いは、困難を抱えている部分や生きづらさ等を具体的な例をあげて分かり易く説明がなされているところです。
例えば、障害特性の一つでもある「感覚過敏」については「視覚:まぶしさ、蛍光灯のちらつき」「聴覚:音や声、赤ちゃんの泣き声」「触覚:急に触られる、洋服のタグ」「嗅覚:柔軟剤、化粧品の匂い」等があり、これらは多かれ少なかれ私たちにも思い当たる節はありますが、知的障害の場合、これらに対し過敏に反応する場合があることを伝えます。

②寸劇は知的障害が抱える様々な特性を寸劇(ロールプレイ)で実演します。
例えば、たくさんのことを一度に言われると理解できないこと、内容を理解せずオウム返しで言葉を発してしまうこと、絵や写真やジェスチャー活用による言葉かけの有効性、また、言葉がわからない、伝わらないことのもどかしさ等を寸劇を通して伝えます。シチュエーションも学校バージョンや役所バージョン等、豊富なメニューが揃っています。

③疑似体験は知的障害の特性を参加者に実際に体験していただくもので、正に、この活動のメーンであり、多くのキャラバン隊が取り組んでいます。
ゲーム感覚で参加できるその方法は誌面の都合もあり、また当日のお楽しみということで敢えてここでは語りませんが、伝えるべきメッセージは、作業に時間がかかる特性がある、その際、周囲の声掛けや関わり方によって、本人が傷ついたり反対に自信を持てたりする、抽象的な概念は苦手、見たいものしか見えていない(周りは見えていない)等々、その他、様々な障害特性を実際に参加者に体験していただくことによって、障害理解を深めます。

④ワークショップは、問題を提議し、どのようにすれば良いかをグループで話し合ってもらうことにより、気づきや思いやりの心を促すことにつなげます。

⑤体験談・親の気持ちは、障害特性や関わり方のコツを知ってもらうと共に、子供たちは不安の中でも一生懸命頑張っていることを伝えます。また、スライドに子どもたちの写真や動画を写し、障害のある人の気持ちも伝えます。
全国で36の育成会が、以上の様な活動を実践しています。訪問先は教育現場(小学校から大学まで)や、医療現場、警察・消防署、自治会、商店会、幼稚園、福祉施設、行政等、多岐に及び、公演後に寄せられたたくさんの感想からは、何かが変わってきている・・・そう、着実な一歩が感じ取れました。

「障害者差別解消法」が施行されても、知的障害関係者からは、その成果が一向に聞こえてきません。法律が整備されても、周囲の人々の「想い」が変わらなければ法律は機能しないのです。そして「想い」を持った人を増やすこと、それをやっていくのは、当事者である私たち・親しかいないのです。

 先月、内閣府が行った全国18歳以上の男女3000人を対象とした「障害者に関する世論調査」によりますと、障害者への差別や偏見があると答えた人は、実に80%以上にも上ったそうです。その数字を見て驚愕しましたが、それは、何と言っても障害特性に対する無理解が起因していると思われます。「知的障害のことを理解してくれない」と愚痴っているだけでは、社会の人々に何も伝わらないし何も変わりません。一つずつ種をまいて育てていく努力が必要です。

「障害者差別解消法」では、障害への理解・啓発事業を自治体の必須事業と位置付けております。行政の方も巻き込んだ「神戸のキャラバン隊」を立ち上げ、親あるうちに、一人でも多くの理解者を増やしていきましょう。
すぐには変わりません。しかし「伝えれば必ず伝わります」

年が明けた1月30日(火)は、育成会会館でキャラバン隊の実演を是非ご覧ください。                
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