第362号~長い道のりでした。そして、誕生と共に散った一つの生命・・。~
2018 / 05 / 24 ( Thu )
             
 大型連休前後、久々に風邪をひいてしまいました。幼稚園を最後に一切熱を出した事がない強靭な肉体を持つ私は、
今回も発熱には至りませんでしたが、鼻水だらけの連休を過ごしました。皆様も、くれぐれもお体にはご留意下さい。
 さて、雷が鳴り響き、一時、どしゃ降りとなった長田神社での地鎮祭とは打って変わり、新緑の香る好天に恵まれた
4月26日(木)、しあわせの村内の研修館において「えみのき(咲の樹)」の竣工式が執り行われました。
当日は、年度替わりの大変お忙しい中にも関わらず、神戸市保健福祉局の三木局長をはじめ、
大勢のご来賓の皆様がお祝いに駆けつけて下さいました。
そして、竣工式終了後には内覧会を行いましたが、長年の悲願であった「住まいの場」を間近にし、
ご支援いただいた大勢の皆様への感謝と共に、皆で追い求めた「夢」が実現し、感無量でした。

 思い起こせば、新緑福祉会にとって初めての入所施設「とこはの家」が誕生したのは、平成15年3月31日で、
戦後からの長きにわたって続いた「措置制度」の、正に、最終年度、最終日の開設でした。
そして、翌日、平成15年4月1日からは新たに「支援費制度」が導入され、新しい福祉の時代が始まりました。

 そして、ちょうどこの頃から、国では「もう入所施設は造らない。施設から地域へ」という事が盛んに叫ばれるようになり、
「のぞみの園」をはじめとする大型コロニー施設では、「地域移行」の取り組みが始まりました。
 しかし、重度障害者を抱える保護者にとっては、「親なきあと、いったい我が子はどうなるのだろう」と不安にかられる毎日で、
国の意向とは裏腹に「入所施設」建設への想いは強く、この間、入所施設の待機者はどんどん膨らみました。
 また、行き場のない障害者はショートスティを長期間利用したり、挙句のはてには、精神病院に入院する等、
悲惨な状況であったと聞いております。
そんな時、「障害者総合支援法」成立の際の衆参両院の付帯決議において、
「小規模入所施設」という言葉が突如として浮上してきました。
付帯決議とは、「法律は成立させるが、これについて検討して下さい」という議員さんからの注文であり、
その中身は、
「障害者の重度化・高齢化や親なきあとを見据え、地域での居住支援のあり方について検討して下さい」というもので、
その居住にあたるのが、ケアホームと一元化した後の「グループホーム(以下GH)」と「小規模入所施設」なのです。

小規模(30人程度)とは言え、久々の入所施設という言葉に私たちは驚愕しました。そして、「この機会を逃すとチャンスは
2度とこない、絶対に実現しよう」と新緑福祉会に働きかけ、建設に向これを機に、建設に向けての準備が始まりました。

 新緑福祉会の平田理事長と共に、連名で、久元市長へ要望書も提出しました。次年度の国家予算の説明会では、
私は、質問の時間に、居合わせた厚労省の課長と10分近くやり取りをし、
入所施設の必要性を延々と訴えました。(次年度から何故か質問の時間はなくなってしまいました)
 その他、色々な準備を進めておりましたが、国では、小規模入所施設は
障害者の地域生活を支えるための核となる施設とし、住まいの場についてはGHを位置付ける
という考えが示されました。そして、その後の「障害者総合支援法・3年後の見直し」において、
重度高齢障害者はGHで、軽度者は新サービスである「自立生活援助」等を利用し、
アパートでの一人暮らしをという具体的な方向性が打ち出されたのです。私たちは名称は何であれ、
現存する入所施設以上の機能を持った住まいの場を造ろう!を合言葉に、
育成会と新緑福祉会の担当者によるワーキングチームを結成し、準備を進めていきました。
 
 メンバーの方たちには、全国の先進事例として運営されている数か所のGHの視察に行っていただきました。
そして、何度も何度も集まって会議を開き、視察に基づいた検討が為されました。
 神戸市関係当局の皆様には、国庫補助の申請や土地の貸与等、その他、並々ならぬご支援ご配慮を頂戴しました。
その他にも、多くの方々のお力をお借りし、そして、私たちの夢が実現する事が出来ました。
ご支援ご協力いただいたすべての皆様には心より感謝申し上げます。

 しかし、これが最終目標ではありません。平田理事長と力を合わせ、必ずや、第2第3の住まいの場を実現させたいと思います。
どうか一層のご支援ご協力のほどよろしくお願いいたします。
そして・・・、「えみのき」竣工を見定めてから安心されたのでしょうか、
この日を誰よりも待ち望んでおられた新緑福祉会の元理事で、前・新緑福祉会後援会長の川口信弘氏が
竣工式翌日、息を引き取られました。
川口氏は、いつも入所施設建設を強く訴えられ、お会いする度、「どんな動きになっていますか」と
気にしておられましたが、同時に「頼みましたよ」と、私の背中を押して下さっている様に私には思われました。
大変、お世話になりました。合掌・・。


 最後に、お知らせです。まずは当会館2階で行っている短期入所事業「ほっとスティ」は、
3か月前からの予約となっておりますが、すぐに満室となり、お叱りを受けたこともあったのですが、
当事業を頻繁に利用されていた数名の方がGHに入居された関係で、多少の空きが出始めました。
本誌11ページに空き状況等、掲載しておりますので、ご利用下さればと思います。
 最近、突然に保護者が亡くなられたというケースが増えてきております。
外泊経験のない本人にとっては二重の痛手となります。親あるうちに、日頃から福祉サービスを利用する等、
出来るところから始めて下さい。
 そして、もう一つ、「旧優生保護法」について、全国育成会連合会の久保会長より声明文が出され、
8ページに掲載しております。これに関しては、又後日、機会があれば書かせていただきます。
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