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第384号~惨たらしい事件の全貌が明らかになりました。しかし、核心部分は不明です~
2020 / 03 / 19 ( Thu )

 先月号の「ひとりごと」で、「新型コロナウイルス」について、色々書きましたが、まさか、これほどまでに感染が
拡大するとは予想だにしませんでした。神戸でも感染者が少しづつ増えてきましたが、ライブハウス関連の感染は、
まだまだ拡大するのではないかと危惧されます。
例年なら、この時期(3月初旬)は東京をはじめ、あちこちで研修会や会議や行事が目白押しで、
超多忙な毎日を送っているのですが、次々に中止となり、今月号は珍しく、余裕を持っての執筆となっております。
しかし、どんなに忙しくとも、日頃の平穏な生活が一番です。一刻も早い終息を願い、手洗い・うがいの徹底に
努めたいと思います。

 さて、新型コロナウイルスの集団感染が確認された「ダイヤモンドプリンセス号」が停泊している横浜港近くの公園に、
横浜地裁で行われる裁判の傍聴希望者が連日詰め掛けました。傍聴席を求めて集まったのは、
何と延べ8000人にも達したそうです。2016年7月26日、相模原市の知的障害者支援施設「津久井やまゆり園」で
入所者19人を殺害し、26人に重軽傷を負わせたとして、殺人罪などに問われた元職員である被告の裁判員裁判が
始まったのです。

今月号と来月号は、この裁判について、また事件を振り返ってお話ししたいと思います。
1月6日、初公判の法廷で、被告は「皆様に深くお詫びします。」と述べた後、右手小指を噛むような仕草をし、
複数の刑務官に取り押さえられました。被告は、退廷を命じられましたが、法廷で小指を噛み切ろうとしたそうです。
被告いわく、「言葉だけの謝罪では納得できず、一番良い方法だと思った」とのことで、当日は未遂で終わりましたが、
何と翌日には実行したそうです。そのため、それ以降は、いつもミトンの手袋をさせられていたとか・・。
謝罪とは受け取れない、何とも意味不明の被告の言動で幕開けした裁判は、2月19日の結審まで、
16回、43日間にわたって行われました。

法廷では、知人らの証言や、供述調書の朗読が述べられ、被告の変貌ぶりや犯行に至るまでの言動が明らかになりました。
小学生時代の被告は、陽気で明るい性格だったそうですが、しかし、その当時から「障害者はいらない」という
内容の作文を書いたり、友人にそういった話をしたことがあるそうです。
中学時代は、喫煙に飲酒に万引き、都内の私立高校に進学後は停学になったこともあったそうです。そして大学に入ると、入れ墨、大麻、脱法ドラッグといった逸脱行為をするようになり、また、美容整形を繰り返し行っていたそうです。
2012年、津久井やまゆり園で働き始めた当初は、「入所者はかわいい、今の仕事は天職」と、
友人に言っていたそうですが、法廷でその質問をされると「仕事をやり易くするための方便」と述べました。
実際、事件を起こす1年前頃には、「意思疎通のとれない障害者は生きている資格がない」と多くの友人や同僚に
語っていたそうです。

この事件で一番辛くて残酷な犯行現場の状況については、その夜、「やまゆり園」で勤務していた職員の調書で
明らかにされました。
午前2時過ぎ、被告に結束バンドで拘束された女子職員は、利用者の女性が就寝中の部屋に連れて行かれ、
「こいつは話せるか?」と聞かれたそうです。ダウン症の女性で、話す事が困難なため、「しゃべれない」と答えると、
被告は、その女性の首付近を3回刺したそうです。
「しゃべれない人を狙っている」と気付いた職員は、被告に聞かれる度に、「しゃべれます」と答え続けたそうですが、
知っている入所者だったのか、顔を見るや否や「こいつ、しゃべれないじゃん」と言って次々刺していったそうです。
女性職員は「みんなしゃべれます」と、泣き叫びながら訴え、そして「心があるんだよ」と叫んで、
被告の行動を止めさせようとしたそうです。
彼女は、「被害にあった利用者に申し訳なくて、自分を責める日々が続いている」と語ったそうですが、
その悪夢の様な光景は、彼女の脳裏から消えることなく、これからもずっと苦しみ続けるのではないかと思います。
あまりにも悲し過ぎます。

 また、被告は、面識のあった男性職員を手すりに縛り付けた後、「あいつ、どこにいる?
『わーっ』と言って怒る奴、電車持ってる奴」と、入所者の特徴を挙げ、質問したそうです。
事業所の中を見渡せば、「パニックになり『わーっ』と叫んでいる」、「電車のおもちゃが好きで手放せない」、
A君やB君はどこにでもいます。そんなどこにでもいる彼らもまた標的にされたのです。背筋が凍り付くほどゾッとしました。
そして、バスが大好きで、バスの玩具をたくさん持っている我が子と重なってしまい、涙があふれそうにもなりました。
午前3時過ぎに被告は、地元の警察署に出頭しているそうですので、わずか1時間ほどの間に、就寝中の入所者を、
「痛い」も「やめて」も言えず、抵抗できない入所者の首や腹を刺し、そのうち19人もの尊い命を奪ったのです。
まさに地獄です。
この裁判は、市民から選ばれた裁判員裁判で行われ、3月16日に判決が言い渡される予定です。
被告の責任能力の有無が裁判の争点で、検察側は死刑を求刑、それに対して、弁護側は大麻精神病によるもので
無罪を主張、この機関紙が皆様のお手元に届く頃には結果が判明していると思いますが、来月号でも引き続き、
この事件について話したいと思います。

 最後に・・・。最終意見陳述で、被告は、どんな判決であっても控訴しないと述べたそうです。
つまり、「死刑」であってもそれに従うということです。法廷に立った犠牲者遺族や被害者家族は口をそろえて
「極刑を」と訴えました。大方の予想も「死刑」で、それは当然のことかもしれません。
しかし裁判では、障害当事者や家族・関係者が一番知りたかった犯行の理由や、そこに至る経緯や背景、
たとえば彼の生い立ちであったり、家庭環境や育ち方、そして、「やまゆり園」で、何を見て何を思い、
障害者の大量虐殺に至ったのか、肝心なところは何も解明されていません。
このままでは、その核心部分が闇に葬られ、何も対応出来ずに終わってしまいます。
彼が死刑になろうとも、決して本当の意味でのTHE ENDではないのです。 (会長 後藤久美子)
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