第388号~「収束」ではなく、「終息」する日まで・・。そして、なぜ岩手だけ?~
2020 / 07 / 15 ( Wed ) 「線状降水帯」・・・。かつて聞いたことのないこの言葉を、最近、梅雨のこの時期になると再三聞くようになりました。
これは、積乱雲が連続発生して、同じ場所に大量の雨を降らすそうですが、九州地方をはじめ、岐阜・長野でも発生し、 各地に大雨特別警報が発令されました。 川は氾濫し堤防が決壊、家屋は浸水し車だけでなくショベルカーまでが流され、そして、多くの方が亡くなられました。 この豪雨は、まだ暫くは続くそうで、どこで災害が起こるやもしれません。新型コロナウイルス「感染予防」と「避難」・・、 難しい局面に立たされる被災地ですが、これ以上、被害が拡大しないことと、何より一刻も早い梅雨明けを願うばかりです。 各地を襲っている今回の豪雨は、激甚災害の指定が見込まれていることから、 全国手をつなぐ育成会連合会では、義援金等の募集をしております。本人を含む全国の仲間たちが大きな被害に 見舞われていると思います。10ページに記載しておりますので、ご協力のほどお願いいたします。 さて、今月号は、まずは、以前にもお知らせいたしました全国手をつなぐ育成会連合会が取り組んでいる保険 「手をつなぐ暮らしのおたすけプラン」について再度、お話したいと思います。 これは、障害のある本人を支える支援者が病気やけがで働けなくなった時の収入をサポートしてくれる保険です。 例えば、親に万一のことがあった場合は、生命保険でカバーできます。 入院する時は、医療保険で入院・手術費用は大丈夫、では、日々の生活費はどうするのか? この保険は、そういった場合に対応してくれるもので、本人を支える会員やご兄弟等は団体割引にて 加入できることになっております。 早急に始める予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、保険期間・募集期間を延期することとなりました。 変更された期間が掲載されたパンフレットを6~7ページに添付いたしております。 また8~9ページの新パンフレットは、この保険の内容について大変分かり易く記されておりますので、 ご覧いただければ幸いです。 次の話題は、やはりコロナです。7月に入って、東京の新規感染者数が6日連続3桁になり、そして、昨日には 過去最高の224人という驚くべき数字となりました(7月10日現在)。 近隣県でも感染者は増え続け、埼玉では48人の感染者が出ました。全国あちこちで感染者が確認され、 大阪でも30人、京都や兵庫を含む近畿圏でも新規感染者が増えている状況です。 しかし、政府は、「夜の街」関連の従業員を集中的に検査した結果であること、また感染者の7~8割は30代以下が占め、 重症になるリスクは非常に少なく医療提供体制も逼迫していない、 そして、以前と比べPCR検査もスムーズに受ける事ができ、緊急事態宣言を発出する状態ではないとの見解で、 7月10日からは、予定通り、イベントの開催制限が緩和され、現在、無観客で行われているプロ野球等の試合が、 制限はあるものの、観客を伴って行われます。感染拡大に拍車がかからないか不安に思います。 新型コロナウイルス感染症拡大で、日本の経済界はリーマンショック以上の大きな打撃を受けました。 飲食店はもちろん、大手の名立たる企業でも倒産の危機に追い込まれました。 経済を早急に廻していかなければならないのも事実です。しかし、特に若い人の中には、政府の見解を聞いて、 「自分は感染しても軽症で済むし、医療体制も逼迫していない。入院してもすぐに回復するだろう」という安易な気持ちで、 ウイルスに対する危機感を持たず、「感染させる」リスクを背負いながら、日常生活を送っている人も結構おられるのでは ないかと思います。 また最近の傾向として、「市中感染」、いわゆる感染経路不明者も多く報告され、そして中高年の感染者も じわじわ増えているそうです。感染者が増加すると、友人との会食や家庭内においても感染が拡がる可能性があります。 そして、東京での感染拡大は、地方にも悪影響を及ぼします。政府や東京都は、感染防止策を強化し、 第2波到来は絶対避けて欲しいと思います。 緊急事態宣言後、多くの国民が外出を自粛したため、コロナウイルスは、一旦「収束」しつつありました。 しかし決して「終息」した訳ではありません。辞書によると、「収束」とは、「おさまりがつくこと」、そして「終息」とは、 「終わること。絶えること」です。 コロナウイルスが「終息」を迎えるまで、私たち各々が「感染しない・させない」の気持ちを強く持ち、「新しい生活様式」に沿って日々暮らしていくことこそが、その「終息」の日を早める事にもつながるのではないかと思います。 最後に、コロナ関連で、非常に興味深い記事を見つけましたので、紹介させていただきます。 岩手県は、全国で唯一、未だに(7月10日現在)コロナウイルス感染者がゼロです。「なぜ岩手県だけ?」と、 日本国民の多くが疑問に思っているでしょうが、その謎を解くべき記事が、全国事業所協議会機関紙に掲載されていました。 執筆者は、(社福)岩手県手をつなぐ育成会の常務理事・事務局長である石川氏で、「私の個人的分析です」と前置きされた上で、その皆が知りたい「なぜ?」の部分の解説が以下の通り記されていました。 ①岩手県は、全国43県の中では、一番面積が広い。 ②しかし、人口密度は全都道府県で2番目に低い。(密集していない) ③繁華街と言われる盛岡市内中心部(合併前の地域)の人口は、20万人程度、 市町村が合併し、現在では約30万人となっているものの、繁華街においても、密集度は、都会に比べると非常に低い。 ④通勤時の密集・密閉が非常に低い。ほとんどの労働者はマイカー通勤で、バス・電車通勤は一部の人達のみ、密集度も低い。 (あまり混まない) ⑤空港は、県庁所在地の盛岡市から、車で45分離れた花巻市(人口9万5千弱)にあり、他県からの人々の出入りは、 非常に低い。 ⑥そもそも、冬や寒い時期(12月~3月)は、あまり出歩かない。 ということです。鋭い分析であると思います。しかし、きっとこれだけではないと思います。 例えば「県民性」や、「岩手県」という土壌、はたまた県民が好む「食べ物」にあるのか、何が功を奏したのかは分かりませんが、 コロナウイルス終息後、大学の先生方は、今後の疫病対策に役立てるため、是非とも研究していただきたいと思います。 (会長 後藤久美子) スポンサーサイト
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