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第424号~全国手をつなぐ育成会連合会の新会長が誕生しました! そして、エレベーター設置か否かで名古屋の街が揺れてます。~
2023 / 07 / 20 ( Thu )
 まず初めに、全国手をつなぐ育成会連合会(以下:全育連)の会長として、長年ご尽力下さった久保厚子会長が、この度、会長職を退任されました。
新会長の選任については理事会での互選となっておりますが、去る6月29日(木)に開催された理事会において、全育連の副会長で、東京都育成会理事長の佐々木桃子さんが選任されました。佐々木さんは、引き続き行われた総会において承認され、正式に全育連の会長になりました。そして、久保・前会長については、理事会での承認と、新会長の指名により「顧問」として就任されることになりました。
振り返ると、久保・前会長は、全育連の前身である「社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会」(以下:全育成)の時代から会長を務めてこられました。

その後、社会福祉法人の制度改革に伴い、会の実情に合っていなかった「法人格」を返上し、また長年にわたる労働争議も決着させ、そして、新たに一般社団法人格の取得、加えて、東京事務所の開設と、「全育成」から「全育連」への激動の時代を、トップとして常に私たちを牽引して下さいました。
佐々木・新会長は、そんな久保・前会長を「第1副会長」として支え、苦楽を共にしてこられました。また、東京都育成会の理事長という立場から、国・行政や、中央の関係機関の方たちとも精通しておられ、正に、新会長として適任である方だと思います。
全国の育成会では、昨今、会員減少や保護者の高齢化等、課題は山積しておりますが、新体制のもと、私達会員は心を一つにし、全育連の灯を消すことなく、盛り上げていきたいと思います。

 次です。地下鉄新長田駅では、老朽化に伴うエレベーターの更新工事が行われ、改札階とホーム階を結ぶエレベーターが利用できなくなるそうです。
停止期間は令和5年7月20日(始発)から、10月18日(終電)までとなっております。詳しくは、8ページをご覧下さい。

 次です。そのエレベーターを「つける、つけない」で、名古屋の街は喧々諤々としています。
報道等で、ご存じの方もおられるかと思いますが、名古屋市が復元を目指す名古屋城木造天守のバリアフリー化をめぐり、市が主催した市民討論会の席で、エレベーター設置を求める身体障害のある男性に対し、他の参加者からの差別的発言があり、波紋が広がっています。
「史実に忠実な名古屋城の復元を目指す」という名古屋市の構想案では、天守閣最上階までのエレベーターは設置せずに、地階(天守閣の石垣内部)から1階まで、車いす利用者と介助者が利用できる小型昇降機を導入するというものです。
これに対し、車いすの男性は、「名古屋城や大阪城はエレベーターで上がることができる。今まであったものを失くしてしまうのは、障害者が排除されているようにしか思えない」と、最上階までのエレベーター設置を訴えました。

これに対し、エレベーター不要の参加者からは、「市長がつくりたいのは、エレベーターも電気もない時代のものを再構築するという話だ。図々しい、我慢せい」との発言があり、そして、次に発言した男性は、身体障害を侮辱する差別用語を使った上で、「平等とわがままを一緒にするな。エレベーターは必要ない」と言ったそうです。しかも、この二人の男性が発言した後には、会場の一部から拍手が沸き起こったそうです。
この討論会には、当然のことながら、河村市長はもちろん、市職員も参加していたそうですが、誰一人として発言者に対して、差別発言の制止や注意をしなかったそうです。
しかし、その2日後の定例会見で、市長は「差別的な発言については自分は聞こえてなかった、市民が自由に発言する場なので自由に発言するのが原則と思うが、差別発言があったとすれば、発言には充分お気をつけ下さいと言うべきだった。申し訳なかった」と陳謝したそうです。

その後、市役所前で、障害者団体による抗議集会が開かれたり、また市議会からも「討論会は、障害者へのいじめの場所になっていた」と、市の対応への批判が相次いでいることから、市では、バリアフリー化案(エレベーター設置の有無)の最終決定を見送って、まずは差別発言問題への対応を優先することとなり、外部有識者を含む、庁内のチームを立ち上げ検証することが表明されました。結論が出るまでには1年程度かかるそうです。

そもそも、この問題が勃発したのは、河村市長が「観光の目玉」として、現在のコンクリート天守を取り壊して、1945年に空襲で燃えた「国宝」名古屋城を木造で再建しようと言い始めた10年前からです。当初は多くの支持を受けていたそうですが、石垣の劣化をはじめ、様々な課題も多く、また、それ以前の問題として、「観光客を入れる」のであるならば、当然のことながら、耐震・耐火性が求められ、安全性は絶対条件となります。従って、市長の言う「江戸時代のままの再現」は、実は不可能だったのです。
そこで、名古屋市が考え出したのは、「ハイブリッド」構造の木造建物で、補強を加え、燃えにくい工夫もし、スプリンクラーや、史実には存在しない階段を非常用に追加し、電気も引くというもので、決して江戸時代のままの「完全復元」ではなかったのです。
しかし、こういった根本的な構造上の問題を市民には知らせず、ただエレベーターをどうするかという質問に固執し過ぎたため、まるで「エレベーターのみが復元を妨げるものだ」と思い込んだ市民から、「障害者は我慢しろ」などという差別発言が出たり、また、それを正論であるかの如く擁護する人が出てきたのではないかと思います。

市長が望む「観光施設」として新たに造られるからには、バリアフリーは世界の常識です。
どういう城を造るべきなのか、或いは、莫大な費用を要する木造再建が本当に必要であるのか、この度の差別発言の検証に、1年近く費やすということですので、この間に、市民の皆さんは、じっくり考えていただきたいと思います。

最後にお知らせが三つあります。①当会会員が株主となり設立した「株式会社いくせい」が、会社説明会を行います。会員さんの中で、「働きたいけど、一般企業は心配」と言う方、また、在宅で活動の場を探しているという方、一度参加されてみてはいかがですか? 詳しくは6ページをご覧ください。 ②以前から、全国手をつなぐ育成会連合会が行っている保険のお知らせを7ページに掲載しています。加入者が多くなるほど、保険料はお安くなります。ご一考のほどを! ③お待たせしました。兼ねてより準備をしてまいりました重度高齢化対応のグループホーム「仮称:第2えみのき」ですが、この度、国庫補助金の内示がありました。建設に向け、具体的な動きに入りたいと思います。ご支援ご協力をお願いいたします。     (会長 後藤久美子)
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