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第363号 ~子供たちのために「やらなければならない努力」と「無駄(?)かもしれない努力」、でも両方大切だと思います。~
2018 / 08 / 09 ( Thu )

  「まごたちわやさしい」・・・。皆さんは、どこかで、この言葉をお聞きになった事はありませんか?
これは、健康的な身体づくりに欠かせないバランスの良い食品の覚え方で、「豆、ごま、卵、乳製品、わかめ、
野菜、魚、しいたけ、芋」が、その食品となります。また最近では、これらの食品は骨粗しょう症の予防にも効果があると
言われているそうです。
実は最近、私は、骨粗しょう症の検査で、今までの「要注意」から「危険域」の範囲内に入ってしまいました。
人一倍健康面には留意し、「栄養オタク」「筋トレオタク」を自負する私なのですが、お医者様いわく、
痩せている人は体重が軽い分、骨に負荷がかからないため、太っている人と比べ、
骨粗しょう症になるリスクが非常に高いそうです。

 栄養のバランスに考慮した「My弁当」を常に持参し、一日30品目以上の食材を摂り、
そして、1時間程度の筋トレを休むことなく毎日実践している私は、「障害のある子供より、絶対に長生きしてやるぞ~」という
強い(?)信念のもと、これまで日々努力を重ねてきたのですが、「痩せ体型」の私にとって、
思いもよらぬ大きな落とし穴が待っていました。
最近は、骨密度の数値を上げるため、カルシウムを多く含んだ乳製品の摂取量を増やしたり、
また、骨に負荷を与える運動にひたすら取り組む等、改善に向け奮闘しております。
そもそも、子供より長生きするなど到底無理な話なのですが、例え1日でもいい・・、健康で長生きしたいがため、
「無駄な努力」かもしれませんが、今後も続けていきたいと思います。

 さて、次は、子供たちのために「やらなければならない努力」のお話です。
昨今、新しい形の啓発活動として、全国各地の育成会が取り組んでいる「知的障害擬似体験・キャラバン隊活動」ですが、
5月15日(火)に当会館において、キャラバン隊立ち上げに向けての研修会を、たつの市育成会の「ぴーす&ピース」を
お招きし行いました。
「ぴーす&ピース」は、「たつの市手をつなぐ育成会」が中心となり結成されたキャラバン隊ですが、
会員だけでなく、たつの市の市役所や社会福祉協議会の職員さん、また、一般市民の方々がメンバーとなり、
市内の学校・民生委員・警察・企業等、様々な団体に向けて、疑似体験活動を通した啓発活動を精力的に行っています。

 更には、北は北海道から南は九州までの多くの育成会に出向き、キャラバン隊を結成するための講座も行い、現在では、
全国で約60程度の育成会が、この活動に取り組んでおります。
知的障害の特性を社会の人々に、どの様に伝えれば理解していただけるのでしょうか?
私たちも、これまで幾度となく様々な場所で啓発活動を実践してきましたが、言葉による説明、
いわゆる座学による語りかけだけでは、どうしても限界があります。しかし、この活動には障害特性について、
具体的で、且つ客観的な論理が組み込まれており、様々なプログラムを実際に体験することにより、障害特性についての
気づきや理解が生まれるのです。
プログラムの内容は、ロールプレイやグループワーク等、様々なメニューがありますが、どのキャラバン隊も、
メインには疑似体験活動を実施しているようです。

 楽しくワクワクしながら、正にゲーム感覚で参加できる擬似体験なのですが、幾つか具体的に紹介しますと、
知的障害者が持つ「抽象的な言葉での理解が困難である特性」については、参加者に「抽象的な言葉」を絵で
表していただきます。抽象的な言葉を絵で表現することの困難さを体感していただき、
具体的に伝えることの大切さを知っていただきます。
 また、「周りは見えずに興味のある物だけしか見えない」という知的障害者の視点
(一点集中、シングルフォーカスと言われています)を、ペットボトルを使った眼鏡を使用し体感していただきます。
また、コミュニケーションがうまく取れない障害特性については、寸劇を通して、
言葉が伝わらないもどかしさ困り感を参加者に体感していただき、身振りや絵・写真等の有効性の理解につなげます。
「障害者差別解消法」が施行されて、「合理的配慮」という考え方が、この法律の大きな柱となっておりますが、
合理的配慮を行おうにも、社会の人々は、知的障害の特性を知らないため、肢体・視覚障害の方々の様な合理的配慮による
好事例がなかなか聞こえてきません。 
それどころか、障害者施設を建設するとなると、必ずと言っていいほど、地元の反対運動が起こります。
時には、不審者と勘違いされることもあります。奇異な目で見られることは数知れません。
しかし、社会の人々が知的障害について知らないために、差別や偏見が生まれるのです。
「知らない」なら伝えなければなりません。伝える事により理解が生まれます。理解が生まれれば世の中も変わり、
障害のある本人たちにとって住みやすい社会になるのではないでしょうか。
「障害者差別解消法」は、地方自治体に対して、啓発活動の実施を義務付けております。また、「障害者総合支援法」では、
障害者の地域生活に関する啓発事業を、自治体が行う「地域生活支援事業」の必須事業として位置づけております。
「キャラバン隊」は、正に、自治体での施策の対象となり得る活動なのです。
行政や社協等の皆様のご協力を得ながら、この活動を進めてまいりたいと思います。
もうしばらくすると、立ち上げに向けての具体的な動きに入っていきますので、
その際には、どうぞ多大なるご協力・ご支援のほどよろしくお願いいたします。

 最後に研修会の予告です。8月10日(金)に、全国手をつなぐ育成会の機関紙「手をつなぐ」でお馴染みの又村あおいさん
(イケメンです)にお越しいただき、研修会を行います。(本誌5ページに案内予告を掲載しております。)
内容は、ずばり「お金」についてです。親なきあと、障害年金を受けながら地域で暮らしていくためには、どれだけ必要で、
どれだけ不足が出てくるのか。そして、どう蓄えて、どう残すのか等、いつも通り具体的に分かり易くお話いただきます。
詳しくは来月号でご案内します。             
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第362号~長い道のりでした。そして、誕生と共に散った一つの生命・・。~
2018 / 05 / 24 ( Thu )
             
 大型連休前後、久々に風邪をひいてしまいました。幼稚園を最後に一切熱を出した事がない強靭な肉体を持つ私は、今回も発熱には至りませんでしたが、鼻水だらけの連休を過ごしました。皆様も、くれぐれも健康にはご留意下さい。
さて、雷が鳴り響き、一時は、どしゃ降りとなった長田神社での地鎮祭とは打って変わり、新緑が香る好天に恵まれた4月26日(木)、しあわせの村内の研修館において「えみのき(咲の樹)」の竣工式が執り行われました。当日は、年度替わりの大変お忙しい中にも関わらず、神戸市保健福祉局の三木局長をはじめ、大勢のご来賓の皆様がお祝いに駆けつけて下さいました。
そして、竣工式終了後には内覧会を行いましたが、長年の悲願であった「住まいの場」を間近にし、
ご支援いただいた大勢の皆様への感謝と共に、皆で追い求めた「夢」が実現し、感無量でした。

思い起こせば、新緑福祉会にとって初めての入所施設「とこはの家」が誕生したのは、平成15年3月31日で、戦後からの長きにわたって続いていた「措置制度」の、正に、最終年度、最終日の開設でした。
そして、翌日、平成15年4月1日からは新たに「支援費制度」が導入され、新しい福祉の時代が始まりました。

そして、ちょうどこの頃から、国では「もう入所施設は造らない。施設から地域へ」という事が盛んに叫ばれるようになり、
「のぞみの園」をはじめとする大型コロニー施設では、「地域移行」の取り組みが始まりました。
しかし、重度障害者を抱える保護者にとっては、「親なきあと、いったい我が子はどうなるのだろう」と
不安にかられる毎日で、国の意向とは裏腹に「入所施設」建設への想いは強く、この間、
入所施設の待機者はどんどん膨らみました。また、行き場のない障害者はショートスティを長期間利用したり、
挙句のはてには、精神病院に入院する等、悲惨な状況であったと聞いております。
そんな時、「障害者総合支援法」成立の際の衆参両院の付帯決議において、「小規模入所施設」という言葉が
突如として浮上してきました。付帯決議とは、「法律は成立させるが、これについて検討して下さい」という議員さんから
の注文であり、その中身は、「障害者の重度化・高齢化や親なきあとを見据え、
地域での居住支援のあり方について検討して下さい」というもので、その居住にあたるのが、
ケアホームと一元化した後の「グループホーム(以下GH)」と「小規模入所施設」なのです。

小規模(30人程度)とは言え、久々の入所施設という言葉に私たちは驚愕しました。
そして、「この機会を逃すとチャンスは2度とこない、絶対に実現しよう」と新緑福祉会に働きかけ、
これを機に、建設に向けての準備が始まりました。
新緑福祉会の平田理事長と共に、連名で、久元市長へ要望書も提出しました。次年度の国家予算の説明会では、
私は、質問の時間に、居合わせた厚労省の課長さんと10分近くやり取りをし、入所施設の必要性を延々と訴えました。
(次年度から何故か質問の時間はなくなってしまいました)
その他、色々な準備を進めておりましたが、国では、小規模入所施設は障害者の地域生活を支えるための核となる施設とし、
住まいの場についてはGHを位置付けるという考えが示されました。
そして、その後の「障害者総合支援法・3年後の見直し」において、重度高齢障害者はGHで、
軽度者は新サービスである「自立生活援助」等を利用し、アパートでの一人暮らしをという具体的な方向性が
打ち出されたのです。
私たちは名称は何であれ、現存する入所施設以上の機能を持った住まいの場を造ろう!を合言葉に、
育成会と新緑福祉会の担当者によるワーキングチームを結成し、準備を進めていきました。
メンバーの方たちには、全国の先進事例として運営されている数か所のGHの視察に行っていただきました。
そして、何度も何度も集まって会議を開き、視察に基づいた検討が為されました。
神戸市関係当局の皆様には、国庫補助の申請や土地の貸与等、その他、並々ならぬご支援ご配慮を頂戴しました。
その他にも、多くの方々のお力をお借りし、そして、私たちの夢が実現する事が出来ました。
ご支援ご協力いただいた全ての皆様には、心より感謝申し上げます。

しかし、これが最終目標ではありません。平田理事長と力を合わせ、必ずや、第2第3の住まいの場を実現させたいと思います。どうか一層のご支援ご協力のほどよろしくお願いいたします。
そして・・・、「えみのき」竣工を見定めて、安心されたのでしょうか、この日を誰よりも待ち望んでおられた新緑福祉会の元理事で、前・新緑福祉会後援会長の川口信弘氏が竣工式の翌日に、永遠の眠りにつかれました。川口氏は、いつも入所施設建設を強く訴えられ、お会いする度、「現在、どんな動きになっていますか」と常に気にしておられました。その笑顔は「頼みましたよ」と、私の背中を押して下さっている様に私には思われました。大変お世話になりました。合掌・・・。

最後に、お知らせです。まずは当会館2階で行っている 、当事業を頻繁に利用されていた数名の方が、
最近、GHに入居された関係で、多少の空きが出始めました。
本誌11ページに空き状況等、掲載しておりますので、是非ご利用下さればと思います。
最近、突然に保護者が亡くなられるというケースが増えてきております。
外泊経験のない本人にとっては、二重の痛手となります。親あるうちに、日頃から福祉サービスを利用する等、
出来るところから始めて下さい。
そして、もう一つ、「旧優生保護法」について、全国育成会連合会の久保会長より声明文が出され、
8ページに掲載しております。これに関しては、又後日、機会があれば書かせていただきます。
20 : 04 : 54 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
第361号 ~UDフェアーで健康チェック。andお待たせしました!ついに完成です。
2018 / 04 / 28 ( Sat )
              
1週間前の寒さはどこへ行ったのやら、暖かな日差しの下、3月18日(日)に、リサイクル
バザーでにぎわうしあわせの村内の体育館において、「第15回こうべユニバーサルデザインフェアー」(以下:UDフェアー)が開催されました。
UDフェアーとは、障害のある人が必要とする様々な最新の福祉機器等の展示と共に、一般の方に、それらの機器を実際に体感していただくことによって、障害ゆえの生きづらさを知っていただき、障害理解を深めるために行われている催しです。(キャラバン隊の擬似体験活動と相通じるものがありますね)

当日は13の法人が参加し、障害による生きづらさを軽減させるための最新の機器が展示されていましたが、一般の方向けに、介護予防のための身体能力測定装置や、血管年齢チェックに健骨度チェック等、元気で長生きするための健康に関するブースも設置され、健康志向の高い中、行列が出来ているコーナーもありました。
次回のUDフェアーも同時期に開催されることと思います。是非春の気配が漂うしあわせの村に足をお運びになり、様々な障害者が抱える生きづらさの体感と共に、元気で長生きするために、
ご自身の健康チェックをしてみて下さい。

そのUDフェアーの会場から目と鼻の先に位置する、私たちが待ち望んだ、重度高齢化対応の
グループホーム「えみのき(咲の樹)」がいよいよ完成です。
完成にあたり、4月26日(木)には竣工式が執り行われ、その後の一般見学会(本誌13ページに案内文記載)や入居予定者の体験を経て、グループホームの本格的な運営が始まります。
当施設はご存知の通り、20人(10+10)のグループホームと、10床のショートスティ、加えて、
指定特定相談事業所も兼ね備えており、かつて「障害者総合支援法」の成立の際の付帯決議で突如として登場し、
一時、話題の的であった「小規模入所施設」や、また、障害者が住み慣れた地域で暮らしていくために
、国が推奨している「地域生活支援拠点」をも彷彿させる施設であり、今、全国の育成会の間でも大きな注目を集めております。
グループホームの募集にあたっては、20人の定員に対して、84名もの方からの応募があり、
第2第3の住まいの場の必要性を強く感じております。

この度、「えみのき(咲の樹)」は無事完成し安堵しておりますが、これは決してゴールではなく、
むしろスタートです。「えみのき号」の船出を見送った私たちは、早急に「第2えみのき号」の
船出の準備をせねばなりません。新緑福祉会と育成会はもちろん、関連4団体、そして会員の
皆さんが一丸となり、二つ目の「夢」の実現に向け共に頑張りましょう。ご協力どうぞよろしく
お願いいたします。
そして、最後のお話ですが・・親なきあとに向けての対策には、ハード面とソフト面があります。
住まいの場の創設は前者のハード面となりますが、後者のソフト面についても、今後、重点的に
取り組んでいかねばなりません。
それは、知的障害についての理解を得るための啓発活動です。
親なきあとに向けての住まいの場の整備はもちろん急務ですが、しかし、グループホームをはじめ、
何か障害者関連の施設を建設したくとも、必ずと言っていいほど地元の反対という大きな壁が立ちふさがり、
計画を立て準備したにも関わらず、反対の声が収まらず、断念せざるを得なかったというケースも珍しくありません。
今回の「えみのき」は、しあわせの村という立地条件であったため、さすがに反対はありませんでしたが、
今後は、そういったことも視野に入れ取り組まなければなりません。
飛び跳ねたり、一人でブツブツ喋ったり、奇声をあげたり、
人をじっと見たり・・・どれも一般の方から見ると奇異な行動に映り、
「何をするかわからない」という先入観を持たれるのかもしれません。
 しかし、奇異に思うその行動一つ一つに、実は理由があるということ・・つまり障害特性を、
社会の人々に正しく伝えていくこと、それは、私たち親の責務であると思います。
「障害者差別解消法」が施行されても、相変わらず、あちこちから差別事例が聞こえてきます。
「合理的配慮の提供」が義務付けられても、目に見える障害と違って、知的障害者からはその成果が聞こえてきません。
それは社会の人々が障害について知らない、正しく理解されていないからであり、
またそのことが差別や偏見につながるのです。
 
 そんな中、今、全国手をつなぐ育成会では「知的障害擬似体験・キャラバン隊活動」に多くの育成会が取り組んでおります。
去る1月30日(火)、育成会会館において、近畿各地で活動するキャラバン隊をお招きし、
色々なパフォーマンスを披露いただきましたが、次はいよいよ私たち神戸の出番です。
本誌11ページに記載の通り5月15日(火)に当会館において、立ち上げに向けての研修会を行います。

 当日は、本活動に行政・市社協・市民の皆様をも巻き込んで、学校・民生委員・警察・企業等で幅広く活動し、
また全国各地の育成会では立ち上げ講座も実施されている兵庫県のたつの市育成会「ぴーす&ピース」の皆さんに
お越しいただき、ご指導いただきます。実によく考えられている色々なメニューを是非ご覧下さい。
大勢の皆様のお越しをお待ちしております。
「人前で話すのは苦手」な方には、活動で使用する小道具作りや、当日の資料配布や回収といったお仕事もあります。
皆で役割分担をして取り組むことに意義があり、その熱意が周りの人の心を変えていくのではないかと思います。

 障害者差別解消法には、「国及び地方公共団体は差別の解消を図るため必要な啓発活動を行うものとする」という文言があり、まさに障害理解のための啓発活動は、自治体の必須事業として義務付けられているのです。
今年度、キャラバン隊を立ち上げ、神戸市行政・市社協の皆さんをも巻き込んで、活動していきたいと思います。
大勢の皆様のご協力をお願いいたします。
16 : 04 : 14 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
第360号~~平成30年4月・・障害福祉にとって大きな節目となります~
2018 / 04 / 04 ( Wed )

 冬季五輪としては、史上最高の13個のメダルを獲得したピョンチャン大会の興奮も冷めやらぬ中、3月9日からは、
いよいよパラリンピックの開幕です。
この機関紙が皆様のお手元に届く頃には大会も終了していますが、日本選手団の活躍(健闘)と共に、
何よりも、温かい声援に包まれた大会になることを切に願います。
さて、障害福祉の歴史において大きな意味合いがあり、「キーワード」となると思われる「平成30年4月」が、
いよいよ近づいてまいりました。
平成30年4月からは、今年度議論された報酬改定のもと、
3年後の見直し法案が施行され、新たなサービスや制度が始まるのです。
「難しい話しはやめて」という声が、あちこちから聞こえてきそうですが、今回の改革は、今後の本人たちの生活全般に、
大きく関わってくるものばかりとなりますので、現地点での「障害福祉の動向」について、出来る限り分かり易く、
そして、厚労省の説明会では聞くことが出来ない「裏話」や、また課題等も含めて語りたいと思います。どうかお付き合い下さい。


 まず、今年度「報酬改定」という言葉を度々聞かれたことと思いますが、簡単に言いますと、
福祉サービス等に係る報酬ということで、事業所に支払われるものであり、介護・障害とも3年に一度改定されます。
改定率の増減によっては、サービスの向上・低下にもつながりますので、ニーザーである私たちにとって、
大変身近な問題となります。
社会保障費抑制の中で、今回、障害福祉はマイナス改定になると危惧されておりましたが、
全国手をつなぐ育成会の久保会長が中心となり、障害種別を超えた25団体が連携し、声を上げた結果、
プラス0.47%改定となりました。
「たった、それだけ?」と思われるかもしれませんが、上積みされた報酬額は、実に60億円に上るそうです。

 次に「3年後の見直し」についてです。平成25年4月に施行された「障害者総合支援法」ですが、
施行後、3年を目途に見直しが行われることとなっており、昨年、新たな制度やサービスが創設されました。
一部、先行して行われたものもありましたが、殆どが報酬改定に合わせた平成30年4月から始まります。
では、私たちに身近に関係するものをいくつか紹介してまいります。

 まずは、障害者の重度化・高齢化に対応できるグループホーム(以下GH)の新たな類型として「日中サービス支援型GH」が
創設されます。これは、1つの建物への入居が20人まで認められたGHで、
地域における重度障害者の緊急一時的な宿泊の場を提供するため、短期入所の併設も必置とされております。
そして従来のグループホームより手厚い世話人の配置(割合は利用者の支援区分による)と共に、
夜間・深夜の時間帯や昼間についても、1名以上が従事することとなっており、今後は、病気をしたり加齢によって仮に、
日中活動の場に通えなくなっても利用が可能となります。
まさに入所施設の機能を兼ね備えた新しい形のGHが誕生することになります。

次に、65歳問題に関係する「共生型サービス」についてです。
障害福祉サービスと同等の介護保険サービスがある場合は、介護保険優先の原理のもと、
65歳になれば介護保険に移行することとなっていますが、慣れ親しんだ事業所を変わることや、
また1割負担を伴うという課題がこれまで指摘されていました。
そこで、居宅介護・重度訪問介護、生活介護、短期入所等のサービス(GHについては、介護は認知症のみのため入っておらず)を行っている障害福祉サービス事業所が介護サービスを併設出来る仕組み(その逆もあり)を導入することにより、
引き続き同じ事業所に通所することが可能となります。しかし事業所は同じでも、介護保険利用のため要介護認定が必要ですが、知的障害の場合は要介護度が軽くなることが多く、サービス量の低下も考えられます。
また逆のケースについては、介護保険の事業所がどれだけ障害を理解できるのかということが懸念されますし、あろうことか、
「障害者を抱え込むことで経営が安定する」等の話題も出ているそうです。
更には、近い将来の介護+障害の一元化に向けての第一歩では?という声も聞かれます。

 そして、1割負担については、一定の高齢障害者に対し、軽減(償還)出来る仕組みが設けられますが、対象者は65歳に達する日以前の5年間にわたって上記のサービスを利用し、支援区分が2以上の低所得者となっております。
その他、短期入所の長期間利用について、かなりの制限が設けられ、連続利用は30日で、1日空けての継続利用は可能とするが、年間利用上限は180日程度となる見込みです。ロングスティへの歯止めに対する策とも思われます。

そして、懸念されている人材不足については、事業所で勤続年数10年以上の介護福祉士(障害福祉人材も)に対し、
月額平均8万円相当の処遇改善を1000億円投じて2019年10月(消費税率引き上げ後)から実施するそうです。
最後に、障害者団体からの反対により食事提供加算の廃止を撤回した厚労省ですが、
廃止による310億円はGH等に充てられる予定だったそうです。

その他、重度訪問介護の対象先の拡大や、自立生活援助等、まだまだお伝えしたい事は山ほどありますが、
またの機会とさせていただきます。
平成30年4月、平成の大改革とも言うべき新しい障害福祉の幕開けです。本人たちにとって、
より良き制度・サービスとなるよう、次回33年度の改正に向け、声を上げていきたいと思います。   
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第359号~キャラバン隊、大盛況でした! そして、大ヒット曲“糸”起用の訳は?~
2018 / 02 / 25 ( Sun )

  例年の冬にはあまり聞き慣れない“数十年に一度の寒波”そして“記録的な大雪”と、今期は、こういった言葉をいったい何度耳にしたことでしょうか。各地で被害が続出し市民生活にも影響を及ぼしているようですが、本誌が皆様のお手元に届く頃には、春の気配が感じられる日々であることを祈りつつ、今月も『ひとりごと』をしたためたいと思います。

 まずは、1月30日(火)開催のキャラバン隊の研修会、無事終了しました。当日は近畿各地からの育成会会員はもちろんですが、神戸市障害福祉・支援
課をはじめ、神戸市社会福祉協議会、障害者地域生活支援センター等の方々も大勢お越しいただき、実に150名を超える参加者が会場を埋め尽くしました。 
今年度、札幌で開催された全国大会の特別分科会でも同じ内容で行われましたが、嬉しいことに、その参加者を遥かに上回るものとなりました。

 今回の研修会は、今までなかった知的障害者の擬似体験活動ということで、斬新で画期的な取組みのため、会内外から注目を浴びましたが、研修会を実施した一番の成果は、近畿各地の会員がキャラバン隊の必要性を認識し、立ち上げに向けて意欲を示してくれたことに尽きると思います。
当日、お越しいただいた全国手をつなぐ育成会連合会の久保会長には、キャラバン隊活動のモデルとなる冊子の作成や、養成講座の開催等、立ち上げに向けての具体的な方策もお願いしました。この活動が、全国手をつなぐ育成会の一大プロジェクトとなる日も、そう遠くはないと思います。当会としては来年度の立ち上げに向けて研修会等を開催し準備を進めたいと思います。親あるうちに1人でも多くの理解者を得るため共に頑張りましょう!ご協力のほどよろしくお願いいたします。なお、当日の報告については4ページから6ページに掲載しておりますので、ぜひお読み下さい。

 年が明けて、大きな行事が続くのですが、この研修会の前の1月27日(土)に松端会長が束ねる神戸市知的障害者施設連盟と共催の「ふれあいステージ」を行いました。19回目を迎える今回は、KSCアロハハワイアンズと神戸龍谷中学校・高等学校吹奏楽部の皆さんにお越しいただきました。

 吹奏楽部の演奏で、中島みゆきさんの大ヒット曲「糸」を聞きましたが、演奏の前に司会をされていた学生が、「糸」の歌詞を朗読し、「この曲は、人と人とのめぐり逢いの歌です」との紹介がありました。
この曲は1992年に発表されましたが、その後、様々なアーティストがカバーし、またCMにも起用され、25年経た今でも、カラオケや結婚式でよく歌われているロングセラーですが、しかし皆さんご存知でしょうか?この大ヒット曲「糸」は1998年に放映された知的障害者への虐待を描いたドラマ「聖者の行進」の主題歌でもあったのです。

 このドラマは、実際に起こった「水戸アカス事件」を基に野島伸二氏が脚本を手がけましたが、暴力・性的虐待の場面がすさまじく、視聴者からは苦情が殺到し、スポンサーが降板する事態にもなったそうです。けれども平均視聴率は20%を超えていたそうですので、社会的にも注目されていたドラマであったことには間違いないと思います。
当初、私もこのドラマを見ていたのですが、余りにも惨たらしい暴力シーンの連続に、恐怖、悲しみ、怒りと様々な感情が押し寄せ、それらの場面が当時17歳の障害のある息子の姿と重なってしまい、見ることは出来ませんでした。
「水戸アカス事件」とは、1995年、茨城県水戸市にある段ボール加工会社の「アカス紙器」で実際に起こった出来事です。

 この会社では、積極的に知的障害者が雇用され、社長は地元では名士として尊敬されていました。しかし、障害者雇用による国からの助成金を受け取りながら賃金を支払わず、詐欺容疑で逮捕されました。そして捜査過程において、長年にわたり、従業員である知的障害者を虐待していたことが発覚したのです。
当時の記事を読むと、角材やバットで全身を殴ったり、角材をはさんだ膝の上に漬物石を置いて長時間座らせるなど、まるで拷問の様な行為が繰り返されていました。食事は満足に与えられず、そして、女性には頻繁に強姦が行われていたそうで、彼らは長きにわたり地獄の様な苦しみを味わっていたのです。
この件に関する捜査は開始されましたが、被害を受けた日時や状況を正確に証言出来る被害者(障害者)は少なく、腹立たしいことに、詐欺以外のほとんどの事件は立証されずに不起訴となってしまったのです。
「あなたは、本当に、障害者を同じ人間として接することができますか」という差別的にも聞こえる「問い」を投げかけた脚本の野島氏ではありますが、彼は、純粋な心を持つ知的障害者を題名の「聖者」になぞらえて、「聖者の行進」というタイトルをつけたそうです。
 そして番組の主題歌として、恋人同士の出会いが謳われていると感じられる「糸」を起用したのは何故なのでしょうか?
「糸」編に「半」と書けば、「絆」になります。「縁」も糸編です。「糸」とは、つながりを現す文字であり、野島氏は人と人との「つながり」の大切さを訴えたかったのかもしれません。(実際は、聞いてみないとわかりませんが・・)
人と人とのつながりが薄れている現代ですが、人々は、やはり、そういったつながりを求め、25年経た今でもこの曲を歌い続けているのではないかと思います。これからカラオケで「糸」を歌う時、悲しい事件があったこと、そして、つながることの大切さを思い出して下さい。   
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