fc2ブログ
第423号~世界パラ陸上の大会ボランティア募集してますよ! そして、ふと目にしたコラムを見て、考えさせられ反省しました。~
2023 / 06 / 19 ( Mon )
 まず初めに、神戸市からのお知らせです。「ヘルプマーク」と「ヘルプカード」周知のための新しいポスター、チラシが出来ました。6~7ページをご覧ください。
「ヘルプマーク」については、一般の人々にも随分知られてきましたが、しかし、必要のない方の間で「これを持っていたら電車やバスで座れる」という噂が流れ、ネットで売買されているという何とも情けない話を耳にしたことがあります。
どういった方々がこのヘルプマークを持っているのか、大変分かり易いポスターとなっています。本来の趣旨等を社会の人々に、広く知っていただくきっかけになることと思います。
街の中で見かけたら、是非じっくりご覧になってみて下さい。

 次です。以前、この機関紙でも、お知らせしましたが、2024年5月17日(金)から26日(日)まで、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で開催される「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」の大会ボランティアを募集しています。詳細については8~9ページに掲載しています。
ボランティアの応募資格は、満18歳以上で最低3日以上の活動が出来る方ということです。滅多に味わうことが出来ない、世界大会ならではの貴重な体験ができるのではないかと思います。お知り合いの方に声掛けし、興味のある方がいらっしゃれば、ぜひ応募を進めてみて下さい。
大会の成功が、障害者理解の一助につながることを願い、協力出来る事が何かあれば、積極的に関わりたいと思います。皆で大会を盛り上げていきましょう!

 次です。最近、目にしたコラム(新聞や雑誌等に掲載される短い評論文)を読んで、随分考えさせられ、また反省をしました。ここで紹介したいと思います。
皆さんは、「タイパ」という言葉を知っていますか?これは、「タイムパフォーマンス」の略語で、効率よく時間を使うことを意味する和製英語です。
最近の若者は、如何なる時も、この「タイパ」という行為を意識しているそうで、例えば長い映画を早送りにして観る、何か別のことをしながら打ち合わせをするといった具合です。
昨今のTiktok(ティックトック:短い動画コンテンツ)の流行や、Twitter(ツイッター:短い文章)の普及も、この「タイパ」の考え方からきているのかもしれません。
若い人たちは、観たい動画や映画、読みたいマンガ等が無数にあって、しかし、全部を観たり読んだりする時間はない、それで、倍速にし、限られた時間内でたくさんの動画を見るそうです。
昨今の情報技術の進歩により、世の中の情報は限りなく増えました。そして、ネットを使えば、世界中のあらゆる情報が幾らでも手に入ります。そのせいか、いつの間にか、仕事や学習や生活のスピードも速くなり、例えば電車が1分遅れただけでもイライラしたり、パソコンの動きが遅いと我慢できなくなる、何とも、せわしない世の中になってしまいました。
ここまで読んで、妙に納得してしまいました。私自身にも当てはまることが多々あるのです。まるで鏡の中の自分を見ているように思いました。 

私も、電車が少し遅れただけでもイラッとしますし、月曜の朝、パソコンの立ち上がりが遅いと「おそい、急いでいるのに」と、いつもぼやいています。
また、スマホで毎日、Yahoo(ヤフー)ニュースを見ていますが、まず早送りで見てから、読む記事を選択しています。その他、信号が変わりそうな時は、いつも走っています。特に、帰りに多いです。何故なら、ここで走らなければ電車1本、乗り遅れてしまう、それがバスに乗り遅れることにもつながるからです。そして、圧巻は、スーパーで買い物を終えレジを打ってもらっている時、店員さんがレジ打ちを終えた品物を、素早くカゴから取って、順に袋詰めしていきます。レジを打っている間のわずかな待ち時間が、「もったいない」と感じるからです。
その他、エスカレーターもあまり利用しません。じっとしているのが耐えられなくて、隣にある階段を上り下りしている方が多いです。
考えてみると、正に私は、「タイパ」な人生を送っているなと思いつつ、次に書かれた文章に目を向けると、愕然としてしまいました。続きは、こんな内容です。

せっかちな世の中になってしまっていますが、理解力や判断力にハンディのある知的障害の人にとっては、この「速さ」がバリアー(障壁)になっていることが多々あります。
私たちは、障害のある子どもに対し、出来るだけ分かり易い言葉を使って話すことを心掛けていますが、いくらかみ砕いて理解しやすい言葉を使っても、話すスピードが速いと理解が追いつきません。また、次々に話題が変わっていくと、最初は理解出来ていても混乱してしまいます。合理的配慮という面から、「速さ」「タイパ」は考える必要があると思います。
そして、これは、知的障害者に限らず、一般の人でも同じで、じっくりと時間をかけなければ深い意味が分からない、また、本当のおもしろさが伝わらないこともある、時間をかけなければ築けない信頼や愛情もある。何もかも知ろうとすると、理解できないものもあり、本当の良さを見落とす場合があるということが書かれていました。
子供に対する接し方を考えた時、分かり易い言葉かけは意識しているものの、時間がない時は、ついつい早口で話してしまいます。また、一度に幾つもの話、いわゆる長文で話し、出来ていないと、「さっき、お母さんが言ったでしょう。聞いてなかったの?」と叱ってしまいます。

よく、外部の人に対して、「知的障害者との関りで注意していただく点」として、①ゆっくり話す ②一度に複数の話をしない・・と、偉そうに言っておきながら、当の私は息子を混乱させる言葉かけばかりをしていたのです。
家で家事をしている時も、私は「忙しい、忙しい」と四六時中言っているせいか、息子もよく「忙しい、忙しい」と言って家の中を走り回っていることがあります。このように子供との関りの中で、反省すべき点が多々あることに今更ながら気づいた次第です。「せっかち」な私ですが、もう少し、ゆったりした気持ちで息子に接していこうと大いに反省させられました。

しかし、考えてみると、この「ひとりごと」に関しては、決して「タイパ」ではないと思います。長い文章ですので、「要点をまとめて短くしたら」という一部の声も聞かれましたが、でも、短くしてしまったら、本当の気持ちが伝わらない、省略することにより、違った意味で取られてしまうこともあるかもしれないという様な想いから、頑固にこの形式を貫いています。
有難いことに、行政や関係機関の皆様、そして、多くの会員さんからは、「読んでいますよ」という温かいお言葉を頂戴しております。『せっかち』な私ではありますが、この「ひとりごと」については、「タイパ」では、決して手に入らないものを大事にしていきたいと思います。   
今後とも、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします    (会長 後藤久美子)
11 : 08 : 44 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
第422号~「2類相当」から「5類」へ・・。何がどう変わるのでしょうか?~
2023 / 05 / 19 ( Fri )
 初めに、5ページに、新緑福祉会が行っている「親子体験事業」のお知らせを掲載しています。これは、支援学校卒業後の進路選択の一助となるよう、新緑福祉会が運営する5事業所において、親子で一日体験していただく事業で、若年層の支援の一環として当会から助成金を拠出し、毎年実施していただいております。
対象は、支援学校高等部の子女と保護者で夏休み期間中に行われます。
それ以外の、既に卒業されている在宅の方については、夏休み以外の年間を通じて行っております。本人の体験実習や、保護者の事業所見学というのは決して珍しくもありませんが、本事業のように、親子で1日事業所体験が出来るというのは、全国的にも珍しく稀な取り組みとなっております。支援学校在学中の方や、在宅の方で、行き場を探しておられる方は、ぜひ一度体験されてみてはいかがでしょうか。

 次です。ゴールデンウイーク終了後の5月8日から、新型コロナの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に変更となりました。これに伴い、国内の医療体制や感染者の費用負担等がこれまでと大きく変わります。
マスメディアでもよく取り上げられているようですが、今後の感染状況の見通しと共に、具体的に何がどう変わるのか、5月8日現在でわかっていることをお話ししたいと思います。

まず、①感染した時の検査費用は?・・発熱等の症状がある場合、今まで無料で受けていた抗原検査やPCR検査も自己負担となり、2000円台から3000円台の費用が必要になります。
一方で、重症化リスクの高い人が多い障害者施設等で、感染者が出た際の検査を都道府県が行う場合は、「行政検査」として無料となります。

②外来診療の窓口負担は?・・今までは無料でしたが自己負担となります。
例えば解熱剤を例にとると、コロナの治療薬の「ラゲブリオ」を処方された場合、検査料も含め、最大4170円の負担となります。これは、インフルエンザの治療薬「タミフル」処方の場合の検査料を含む最大4450円と、ほぼ同じ程度の額となります。
また窓口負担1割の方の場合も、コロナとインフルエンザを比べると大差がないようです。

③入院費用は・・医療費や食事代は自己負担となります。ただ、急激な負担の増加を避けるため、まずは、9月末までは、「高額療養費制度」の自己負担限度額から2万円を減額する措置を講じるとしています。
厚労省の試算では、75歳以上で住民税を課税し、年収が383万円までの人は入院治療費3万7600円と食事代1万3800円の負担が生じることになります。しかし、10月以降、補助が無くなれば、入院治療費は5万7600円となります。(食事代は変わらず)

④治療薬の費用は?・・高額なコロナの治療薬「ラゲブリオ」は、9月末までは②に記載の通りの額となりますが、もし、10月以降、公費負担が無くなれば、最大で3万2470円になります。

⑤感染者や濃厚接触者の外出自粛は?・・法律に基づいた外出自粛要請はなくなり、個人の判断に委ねられます。しかし、厚労省は、発症日の翌日から5日間は外出を控える事、5日目にも症状がある場合は、症状が軽快してから24時間程度は外出を控える事を推奨しています。
その上で、10日間が経過するまではウイルスを排出する可能性があることから、不織布のマスクの着用や、高齢者等との接触は控えること等、周囲の人への配慮を求めています。
そして、10日間過ぎた後も、せきやくしゃみが続く場合は、症状が治まるまでマスクを着用し、他の人に感染させない「せきエチケット」を心掛けるようにと呼びかけています。
また、濃厚接触者にも、法律に基づく外出自粛は求められなくなりますが、医療機関や高齢者施設等で、クラスターが発生した場合、濃厚接触者かどうか判断した上で、行動制限への協力を求める可能性があるとしています。

⑥宿泊療養施設は?・・感染した人の隔離や療養のために自治体が確保していたホテルなどの宿泊療養施設は、原則終了となります。

⑦ワクチン接種は・・現在行われている無料での接種は、2024年3月まで継続されます。
重症化リスクの高い人【ⅰ65歳以上、ⅱ基礎疾患のある人(知的障害者含む)、ⅲ医療従事者(障害者施設従事者含む)】には、5月からと9月からの年2回の接種を行い、重症化リスクが高くない人は、9月からの1回のみの接種が受けられます。

⑧5月8日からの感染対策は?アクリル板は?・・個人や事業者の判断に委ねられることになります。ただ、厚労省は判断の参考として、今後も有効だと考えられる基本的な感染対策を示しています。具体的には、手洗いなどの手指衛生と換気は有効となり、「3密」の回避や距離の確保については、流行期の重症化リスクの高い人にとって有効だとしています。
一方、事業者等が行っている入場時の検温や、消毒液・アクリル板の設置については、効果やコスト等を踏まえて判断してほしいとしています。

⑨感染者数の把握は?・・以前のような「全数把握」は無くなり、季節性インフルエンザと同じように、全国約5000カ所の指定された「定点医療機関」から、週1回、感染者数の報告を行う「定点把握」となります。また、死亡者数の毎日の発表も無くなり、2か月後に総数が発表され、約5か月後には詳細な死因等が報告されるようになります。

その他、コロナに罹患し発熱した際、以前は限られた医療機関のみの対応でしたが、5類移行後は、対応医療機関を拡大するとされています。ただ、神戸市のコロナ対応の医療機関を見ると、「かかりつけ患者に限る」という病院も多くあるようです。いずれにしても予約が必須であり、また、受け入れ可能な人数の上限もあるようですので、必ず前もって電話することが必要です。

今後の感染状況については、上記⑨にある通り、週1回の「定点把握」となるため、正確な感染状況の把握はできなくなります。加えて、5類に移行したことにより危機感が薄れ、再び大きな流行を招く可能性もあります。また検査や受診時、費用が発生することから、検査控えや受診控えが起こり、感染拡大につながることも懸念されます。何がよくて、何をもう少し頑張らなければならないのか、「ウイズコロナ」や、その後の「アフターコロナ」に向けての検証が必要です。日常生活を取り戻すためには、出来得る限りの対策を各々で講じることが重要であり、そういった行動が感染拡大の抑制につながるのではないかと考えます。

最後に・・、5月31日(水)に決算総会を行います。今回も、来賓をお呼びするのは控え、各支部からは3名以内の会員さんの出席をお願いしております。その他の会員さんは、書面決議書(はがき)の送付をよろしくお願いいたします。少しづつ、コロナ前の総会に近づけていき、そして今年度は、研修会も開催したいと考えております。乞うご期待を! (会長 後藤久美子)
10 : 21 : 39 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
第421号~新型コロナワクチンの春夏接種がはじまりますよ! そして、全国手をつなぐ育成会連合会の人事が大きく変わります。~
2023 / 04 / 19 ( Wed )
 初めに、2023年度の新型コロナワクチン接種が始まります。神戸市が発表した資料を5~10ページに掲載していますので、ご覧下さい。
今回のワクチン接種の概要を要約してお伝えします。
まず、対象者は、①65歳以上の高齢者 ②基礎疾患がある方(知的障害は含まれますが18歳以上が対象です) ③医療従事者等(障害者施設等の従事者も含まれます)で、上記の方は春夏と秋冬の年2回の接種が受けられます。
なお①②③以外の方は、秋冬に行われる年1回の接種のみ受けられます。
春夏接種は、5月8日から8月31日まで実施の予定で、接種対象者には、今月4月20日以降、順次、接種券がご自宅に送付されます。ただし、①の方は無条件に接種券は送付されますが、②③の方については、接種券が届かない人もいますので、ご注意下さい。

②③の方で接種券が届くのは4回目接種の時に接種券の申請をした人です。申請をしていない人には接種券は届かないので、春夏接種を受ける場合は、ご自身での申請が必要になります。
接種券の申請をしたかどうか、覚えていないという方も大勢おられると思いますが、申請の有無も含めた接種券についての問い合わせは、神戸市新型コロナワクチンコールセンター(7ページに記載)までお電話してみて下さい。その際、接種券番号や前回の接種年月日等、必要になりますので、お手元にワクチン接種証明書等を用意して、お電話されるのが良いかと思います。
予約については、6~7ページに詳しく掲載されていますが、春夏接種の接種券(これまでの水色から桜色に変わっています。水色をお持ちの方は5月7日までしか使えません)が届いた日から行えます。
方法としては、これまでと同じように、①かかりつけ医 ②インターネット ③お助け隊 ④神戸市新型コロナワクチン接種コールセンターのうちのいずれかで行って下さい。

また、集団接種会場も市内で5カ所設置(8ページ参照)されていますし、障害者施設での集団接種も行われます(8ページ参照)。そして、今回も、一般の集団接種会場での接種が困難である知的障害者のための接種会場(9ページ参照)も設けられております。
マスク着用は個人の判断となりました。また、感染症法上の位置づけが、結核等と同等の「2類相当」であった新型コロナウイルスも、ゴールデンウィーク以降は、季節性インフルエンザと同じく「5類」に変更となります。しかし、決してコロナウイルスが終息した訳ではありません。  
少しづつ日常生活に戻りつつある今こそ、出来得る限りの防御策は、より重要になってくると思います。私は障害のある息子と共に、春夏、そして秋冬の2回接種を受けたいと思っています。


 次です。令和5年度の神戸市福祉局の予算(主に障害関連)の概要を4ページに掲載していますので、ご覧下さい。当会より、神戸市に対する要望事項に、いつも挙がっている「障害福祉サービスの人材確保」や「グループホーム整備」、その他、計画相談、就労支援、障害児支援等に予算が計上されております。
そして、今年度も令和6年度の神戸市予算編成に向けた要望書を提出したいと思います。11ページに案内文を、14ページに要望事項を記入する用紙を添付しております。皆様からの要望をお待ちしております。
もう一つ、ご案内です。こうべ障害者音楽フェア「2023ジョイフルコンサート」の出演者を募集しております。13ページをご覧ください。
このコンサートは、毎年、神戸新聞松方ホールにて行われていますので、ご存じの方も大勢おられることと思います。「我こそは」と思われる方は、ぜひ一度チャレンジしてみて下さい。
次です。本日のメインとなりますが、令和5年度・今年度、全国手をつなぐ育成会連合会(以下:全育連)の人事が大きく変わります。

 まずは、田中正博専務理事が、令和5年3月31日をもって、全育連を退職し、4月1日付で、加藤厚生労働大臣より、「独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園」の理事長に任命されました。
施設の正式名称は、長ったらしいですが、「のぞみの園」と言えば、これまで、「知的障害者の高齢化」や、「強度行動障害」の研修会等で、講師の方が、度々、当会にお越し下さったことがあるので、ご存じの方も大勢おられると思います。要するに、「のぞみの園」は、知的障害分野で唯一の国立の総合的な施設であり、田中さんは、そこの理事長・トップとなりました。正に、日本の障害福祉を牽引していく最前線の人となったのです。
田中さんの障害福祉のルーツは、40年前となりますが、後に、「レスパイトサービス」と呼ばれるようになった「一時預かりの事業所」を立ち上げたのが始まりだそうです。そして、それだけにはとどまらず、今では全国に普及している「放課後等ディサービス」の先がけともなった「放課後対応の事業」も行いました。その後、「行動援護」の創設・研修、知的障害への「重度訪問介護」の展開、

また、「地域生活支援拠点」の国への提案等、実に、様々な制度・サービスの創設に関わってこられました。
全育連には、東日本大震災が起こった2011年10月より関わって下さり手腕を奮っていただきました。振り返りますと、社会福祉法人格の返上や、労働争議、そして、一般社団法人格取得と波乱万丈であった組織の中で、久保会長を常に支え、ある時は矢面にも立ち、その職務を全ういただきました。感謝・感謝です。全育連からは離れてしまうことになり、大きな痛手となりますが、知的障害分野での福祉の推進に寄与して下さることと信じております。
私は、全育連では、近畿ブロックの会長と全国の理事も務めております関係で、田中さんとは親しくお付き合いさせていただきました。これからも要望・困りごとがあった時には、田中さんを頼っていこうと思っています。
もう一つ、全育連の人事で皆さんにお伝えしなければならないのが、今年度6月開催の理事会において、長年、全育連のトップとしてご尽力下さった久保厚子会長が会長職を退任され、そして、新会長が誕生します。この件については、6月の理事会終了後に、本誌において詳しくお伝えしたいと思います。

最後に・・。新型コロナウイルスの影響で、当会では長きにわたって様々な事業や活動を自粛してきましたが、今年度は、少しづつ集まる機会を増やしていきたいと考えています。
ただコロナについては、4月6日現在、下げ止まり傾向であり、今後、大型連休後やお盆休みの後は、増加が見込まれるであろうとも言われております。感染を防ぐための対策は以前と同じように行いつつ、少しづつ行事を実施していきたいと思います。    (会長 後藤久美子)
18 : 29 : 14 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
第420号~役員改選です。自薦他薦は問いません。 そして、国連勧告による入所施設の廃止について考えたいと思います。~
2023 / 03 / 31 ( Fri )
 まず初めに、役員改選のお知らせです。令和5年5月に開催される決算総会において、当会の現在の役員の任期が満了となり次期役員候補者の選挙を実施いたします。会員の皆様におかれましては、立候補並びに候補者のご推薦を4月3日(月)から7日(金)までにお願いいたします。
詳しくは、本誌9ページから13ページまで、選挙要綱をはじめ、関連資料を添付しておりますので、ご協力の程どうかよろしくお願いいたします。

 次です。第62回神戸市障害者スポーツ大会実施要項を14ページに掲載しております。
この大会は、2023年に鹿児島で開催される「全国障害者スポーツ大会」(10月28日~30日)への選手選考の参考資料となりますので、よくお読みの上、奮ってご参加下さい。
次です。国際連合において、平成18年(2006年)に採択(意見・案などを良いものとして選び取ること)され、我が国が、平成26年(2014年)に批准(同意)した「障害者権利条約」の初回対日審査が令和4年8月に実施され、国連による総括所見が同年9月に公表されました。
これについては、以前に何度も取り上げたことがあるので、皆さんにとって記憶に新しいことと思いますが、国連が総括所見において、我が国に示した勧告・要請について、現時点における全国手をつなぐ育成会連合会(以下:全育連)の考え方が公表されました。5~7ページに掲載しておりますので、ご覧下さい。
今回、全育連が公表したのは、知的障害に関する分野で、第12条(成年後見関連)、第19条(住まいの場関連)、第24条(教育関連)、第28条(障害年金関連)等についてです。

今までのおさらいも含めて概要をお話ししたいと思います。
まず、第12条に関して、国連からは、代理代行的な意思決定体制(本人でなく後見人が決めている)ゆえに問題視されている現在の「成年後見制度」を廃止し、障害者本人の意思、選好を尊重する「支援付き意思決定メカニズム」を確立するよう勧告されました。
本制度については、本誌2月号でもお知らせしましたように、国に於いては、民法の改正も含めた抜本的な見直し議論が既に始まっております。(全育連の久保会長もメンバーです)
全育連では、知的障害者が制度利用する場合は長期にわたる可能性があるため、本制度だけに頼るのではなく、他にも利用しやすい権利擁護の仕組みを確立するように訴えております。

 次に、第19条に関して、国連からは、障害児者の施設収容廃止(入所施設廃止)とグループホームの生活を義務付けないこと、また、地域生活移行のために、期限付きの目標や人材、技術、資金を伴う法的な枠組みを策定し、都道府県へ義務付けることなどが「強い要請」として示されました。全育連では、こうした方向を実現するには、障害者本人が「どこで誰と暮らしたいのか」の意思決定するための支援や、また、本人が望む「暮らし方・暮らしの場」を選ぶことができる選択肢や手立てを増やすための方策が不可欠であること、そして、入所施設の廃止に向けては、入所施設が担っている機能・役割を明確化し、それらを地域で十分に継承することが出来る施策の実施が必要であると訴えております。つまり、生活が崩れた際の立て直しや、行動障害・医療的ケアー、その他諸々、真に入所施設が必要な人は多くいると思います。

24時間365日稼働している入所施設の機能や支援力を、どう地域で実践できるかをしっかり検証し、地域に継承していくことが可能となる施策の実施が不可欠であると思います。
続いて第24条では、国連からは「分離された教育の廃止」と、分け隔ての無い「インクルーシブ教育」実現のために、障害者への合理的配慮を行う等が「強い要請」として示されました。

これについても、本誌10月号で詳しくお話しさせていただきましたが、全育連では、本人と保護者が望む「学びの場」(通常学級、支援学級、支援学校等)を選べるようにすることが重要であり、障害者は「インクルーシブ教育を受ける権利はあるが、義務ではない」ことが示されております。ただ、教育場面での分断は、将来にわたっての分断につながる可能性も高いことから、インクルーシブ教育の実現を目指すためには、障害者各々が、学ぶことが可能となる、学びの保証を実現するための手立てを講じることが望まれると訴えております。

そして、その上で、特別支援学校・学級が担っている機能や役割を明確化し、それらをインクルーシブ教育の現場でも提供できる体制を構築することが必要であるとも述べています。
つまり、分けない教育を実現するのであれば、具体的には、教員配置の工夫や学校設備の改善、更には教師の専門性や、加えて研修体制の構築、また、少人数対応などが必要となります。

最後の第28条では、国連からは、障害者の生活水準を保障するため、障害者団体と協議の上で、障害年金の額に関する規定を見直すことが勧告されました。全育連では、特に中重度の障害者の生活水準は、障害基礎年金に大きく委ねられていることから、早急に障害基礎年金のあり方について、協議することを求めています。
以上が、障害者権利条約対日審査総括所見を受けての全育連の考え方についての概要です。
第12条の成年後見制度については、知的障害者にとって、特に「親なき後」には必要不可欠な制度であるにも関わらず、利用促進には結びついていないこと、そして、何より国連からの勧告もあり、大きく変わるものと思われます(先月号をご覧ください)ので期待したいと思います。

第24条の分離教育の廃止については、実現するには「道遠し」で、諸外国に於いても、インクルーシブ教育を目指しているものの、なかなか進まないという実態も聞いたことがあります。
インクルーシブ教育においては、「障害者の学ぶ権利」が、如何にすれば保証できるのかが、重要なポイントになってくると思います。

第28条の障害基礎年金額の見直しについては、早急に取り組んでいただきたいと思います。
問題は第19条の入所施設の廃止です。以前より、「入所施設から地域生活への移行の推進」と銘打って、国は、施設入所者数の削減目標値を定めていますが、重度や高齢の入所者が増えている現状で、どうやって削減を進めていくのでしょうか、また、最近聞いた話では、大阪府内の入所施設の待機者は、1000人以上いて、行き場のない待機者の中にはショートスティに2年3年と泊り続け、「ロングショート」で何とかしのいでいるというケースもあるそうです。
しかし、これは、大阪に限らず、多くの自治体が抱えている問題でもあると思います。

また、高齢の親が障害者を介護する「老障介護」と、その逆の「障老介護」と呼ばれる現実も忘れてはなりません。国も、各自治体も、実態調査は行っていないため、その数がどのくらいに上るのかは見当も尽きませんが、間違いなく住まいの場が必要です。
こういった多くの問題を抱えた中での「入所施設の廃止」は如何なものでしょうか。まずは、受け皿をつくる、それが大前提になると思います。  (会長 後藤久美子)
23 : 22 : 15 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
第419号~民法が改正され、成年後見制度が大きく変わると思われます。 そして、パラ陸上世界大会、神戸で開催です。~
2023 / 02 / 20 ( Mon )
 まず初めに、「神戸市からのお知らせ」を幾つか紹介いたします。
一つ目は、福祉駐車券を利用する際の車両登録の廃止についてです。6ページをご覧ください。
これにより、レンタカーや車検時の代車等でも、福祉駐車券をご利用いただけるようになります。また、従来は、車を乗り換える際には、新しい車での登録が必要でしたが不要になります。

 次は、「重度心身障害者タクシー利用券助成」と「自動車燃料費助成」の更新手続きの変更についてです。この制度を利用されている方は、毎年、区役所窓口で更新手続きをしていたと思いますが、利用者の負担を軽減するため、令和5年度分の更新手続きについては郵送に変更され、2月中旬頃にはご自宅に届くそうです。併せて、令和6年度以降の自動更新についても、希望すれば更新手続きが不要になります。詳しくは、7ページをご覧ください。

最後は、日常生活用具(おむつ)の支給要件変更のお知らせです。
令和5年4月より、紙おむつの支給対象者が広がり、また基準額も変更となります。8ページをご覧ください。なお、紙おむつ取り扱い事業者等、お知りになりたい方は神戸市ホームページに掲載しております。その他、詳細については、神戸市コールセンター(℡ 0570-083330 又は078-333-3330、fax 078-333-3314)までお問合せください。

 次は、今回のメインである「成年後見制度」についてです。
この制度は、知的障害者にとって、金銭管理や契約の代理、そして身上保護など、「親なき後」を含め、本人の権利擁護のためには必要不可欠な制度ではありますが、残念ながら、課題や問題も多いことから、利用は極めて低調なままです。
本制度に関して、全国手をつなぐ育成会連合会(以下:全育連)では、全国組織というスケールメリットを活かし、アンケート調査を実施、(当会においても十数名の会員さんにご協力いただきました。ありがとうございました。)、2021年度に、その報告がまとめられました。
それによりますと、制度の認知度は約80%と高い反面、実際の利用は10%程度、つまり、90%もの人が利用には至っていないという結果が示されました。
また、問題と感じる点については、①一度制度利用するとやめることが出来ず、後見人の変更もできない。②財産管理が主であり、肝心の身上保護が不十分である。③多くの知的障害者の収入源が障害基礎年金である中で、月2~3万円の報酬設定は大きな負担となる。④本人の意思を十分に尊重していない後見人等がいる。などでした。

久保会長は、国が設置している成年後見制度関連の様々な会議に、以前より委員として参画していましたが、上記の様な課題を常に訴え、如何に改善すれば本制度が利用しやすくなるのか、知的障害者の目線で積極的に発信してきました。
例えば、後見制度を必要な時だけ使う仕組みに改める、後見制度のお試し利用を制度化する、後見人等を交代しやすくするといった等の提案です。しかし、その多くは、民法の改正が必要なため、実現することは非常に困難であると思われていましたが、会議の中で、久保会長の発言を聞いた他の専門職の委員等からも、民法を改正してでも制度を改善すべきだという多くの意見が寄せられ、昨年6月に、民法の改正も含めた、制度の抜本的な見直しを検討するための研究会が立ち上げられました。もちろん、久保会長も委員として参画しています。議論される事項は多岐にわたるため、2年近くの期間が予定されているそうです。
真に使いやすい制度となるための様々な改善策が期待されますが、国が打ち出した方向性の中で注目すべき点は、①適切な後見人等の選任・交代の推進等 ②適切な報酬の算定に向けた検討及び報酬助成の推進等です。分かり易く言いますと、現在、成年後見人が決まると、原則、障害者本人が亡くなるまで後見人の業務は続きます。また、後見人に専門家が選任されると、毎月の報酬(本人の財産状況によりますが、相場で月に2万~5万)が発生します。そこで本人が亡くなるまで制度の利用が続くのを緩和しようということが示され、必要な時に制度を利用し、終わったら終了できる、いわゆる「スポット利用」ができるというものです。
具体的なケースで考えると、仮に、父親が亡くなり遺言状が無い場合には、遺産分割手続きのために知的障害者には後見人が必要となります。そして、遺産分割が終了して後見人が特に必要でない場合でも、そのまま利用を続け、当然のことながら、後見報酬も本人が死ぬまで払い続けねばならないのです。被後見人が若年層であればあるほど、支払期間は長くなります。

今回の方向性で示されたのは、遺産分割手続きが終了したら、後見人の業務も終了できるようにすることや、もう一つの課題である報酬については、報酬算定の整備と報酬助成の拡充が図られることが示されています。つまり、後見人への妥当な報酬のうち、本人が支払うことが出来ない、足らずの差額については、公的に埋めるようにしましょうということです。
仮に、この様な「スポット利用」が実現した場合、デメリットとしては、後見人がついていない期間が長くなることも考えられるため、その間の見守りや日常的な金銭管理も必要となります。また、例えば、高額な買い物の売買契約等、後見人をつけるほどではないものの、特定な部分だけ担う「代理人」の仕組みを構築することも大変重要となり、「成年保護特別代理人制度」の創設についても、制度の抜本的な改善と共にセットで議論が進められているそうです。

そして、国からは全育連に対し、後見人が、本人の意思に寄り添った支援を行っているか、見守り等の監視や、また、当事者団体として、本人に寄り添い、本人の意思を専門職に伝えていくという役割を担っていただきたいという要望があったそうです。
国が求めている要望を会として行っていくためには、我々に「成年後見制度」についての十分な知識が必要となり、久保会長は、各地で制度の勉強会をやっていきたいとも言われてました。
この様に、国が、制度の抜本的な改革に踏み込んでいくこととなった背景には、国連の障害者権利条約の日本への勧告(現行の成年後見制度は廃止すべき)はもちろんですが、久保会長が、会議の席上で、制度の改善について幾度も発信してきた結果が、人(会議の参加委員)を動かし、難しいと言われていた法律改正の議論にまでたどり着いた所以だと思います。当事者団体として、言い続けることは大変重要です。今後の進捗状況には強く関心を持っていただきたいと思います。


最後に、1994年ドイツベルリン大会を皮切りに、2年ごとに開催されている「世界パラ陸上競技選手権大会」が、再来年2024年に、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場にて行われます。世界各地より、多くの知的障害者も参加します。コロナで2度の延期を余儀なくされましたが、3度目の正直、今度こそは実現して欲しいと思います。これから神戸のあちこちで見かけることと思いますが、ポスターを10ページに掲載しています。ご覧ください。 (会長 後藤久美子)
08 : 03 : 44 | 会長のひとりごと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
<<前のページ | ホーム | 次のページ>>